今野浩喜の「タダのファン目線記」グラウンドキーパー
突撃インタビューシリーズ 今野浩喜 vs グラウンドキーパー
初体験
今野「緊張しますね」
勝矢「はい。普段は芝しか見ていないので……」
今野「十分じゃないですか」
勝矢「これが芝刈り機です。刃は研磨してきたところなので、指で触ると指が切れます。2つの刃が回って芝を刈る感じです」
今野「長さ調整は?」
勝矢「ローラーの高さを変えると刃の間に出る芝の長さが変わるので、1mm単位で刈り高を変えています」
今野「イチミリ!」
勝矢「今日は25mmに設定しています」
今野「免許は?」
勝矢「特に要りません。乗ってみますか?」
今野「え〜。恐すぎるよ。そんな簡単には……。車だってオートマ限定ですよ。うわっ、これはクッションがすごいわっ。言葉じゃ伝わらないだろうけど……、すごいわっ」
勝矢「変えられますよ」
今野「初めて乗ったとき、クッションすごっって思わなかった?」
勝矢「(笑)。いや、そんなに。エンジンかけます」
今野「暴走する可能性あるよ。あああぁ……、恐い恐い!」
(このあと、室内に移動してインタビュー開始)
勝矢「はい。普段は芝しか見ていないので……」
今野「十分じゃないですか」
勝矢「これが芝刈り機です。刃は研磨してきたところなので、指で触ると指が切れます。2つの刃が回って芝を刈る感じです」
今野「長さ調整は?」
勝矢「ローラーの高さを変えると刃の間に出る芝の長さが変わるので、1mm単位で刈り高を変えています」
今野「イチミリ!」
勝矢「今日は25mmに設定しています」
今野「免許は?」
勝矢「特に要りません。乗ってみますか?」
今野「え〜。恐すぎるよ。そんな簡単には……。車だってオートマ限定ですよ。うわっ、これはクッションがすごいわっ。言葉じゃ伝わらないだろうけど……、すごいわっ」
勝矢「変えられますよ」
今野「初めて乗ったとき、クッションすごっって思わなかった?」
勝矢「(笑)。いや、そんなに。エンジンかけます」
今野「暴走する可能性あるよ。あああぁ……、恐い恐い!」
(このあと、室内に移動してインタビュー開始)
芝生が好きな女子高生
今野「どうも今野です。始まりました」
勝矢「勝矢です」
今野「失礼ですけど、おいくつですか?」
勝矢「29歳です」
今野「何歳から、この仕事を?」
勝矢「22歳で大学を卒業して、そのまま会社に入りました」
今野「この仕事に興味を持ったのは?」
勝矢「高校3年の頃です」
今野「女子高生がグラウンドキーパー……。タピオカでしょ。女子高生は」
勝矢「私の時代は、まだ……」
今野「今だったらタピオカキーパー? になるんでしょうけど(笑)」
勝矢「あははは……」
今野「どうやって知ったんですか?」
勝矢「グラウンドキーパーという名前は知らなかったんですが、高校生のときサッカーをやっていたし、芝生にも興味があったので。造園屋さんになりたかったんです。庭師とか格好いいなって」
今野「すごいな。自分の歴史ですね」
勝矢「そうですね(笑)」
今野「でも、もっと職人感を出した方が……」
勝矢「うちの会社は着ないんですよ。危ない現場もあるので、日本の造園屋さんって長袖長ズボンが基本ですけど。上着は襟付き。私からしたらあんまり格好よくないというか、だけど、うちの会社は何て言うんですかね」
今野「スポーティーな?」
勝矢「それがいいなと思いました」
今野「でもね、ねじり鉢巻きとか」
勝矢「昔ながらの?」
今野「1回してもらいたいですね。すごみが違いますからね」
勝矢「基本的に、あんまり目立っちゃいけないんで(笑)」
今野「あははは……。目立っちゃいけないんですか?」
勝矢「ダメじゃないですか。目立とうと思ったことないですけど(笑)」
今野「職人さんだって、目立とうとしてあの格好しているわけじゃないですけどね」
勝矢「ねじり鉢巻きは……見たことないですね(笑)」
今野「やっていいと思いますよ」
勝矢「1回社長に話を持っていってみます」
勝矢「勝矢です」
今野「失礼ですけど、おいくつですか?」
勝矢「29歳です」
今野「何歳から、この仕事を?」
勝矢「22歳で大学を卒業して、そのまま会社に入りました」
今野「この仕事に興味を持ったのは?」
勝矢「高校3年の頃です」
今野「女子高生がグラウンドキーパー……。タピオカでしょ。女子高生は」
勝矢「私の時代は、まだ……」
今野「今だったらタピオカキーパー? になるんでしょうけど(笑)」
勝矢「あははは……」
今野「どうやって知ったんですか?」
勝矢「グラウンドキーパーという名前は知らなかったんですが、高校生のときサッカーをやっていたし、芝生にも興味があったので。造園屋さんになりたかったんです。庭師とか格好いいなって」
今野「すごいな。自分の歴史ですね」
勝矢「そうですね(笑)」
今野「でも、もっと職人感を出した方が……」
勝矢「うちの会社は着ないんですよ。危ない現場もあるので、日本の造園屋さんって長袖長ズボンが基本ですけど。上着は襟付き。私からしたらあんまり格好よくないというか、だけど、うちの会社は何て言うんですかね」
今野「スポーティーな?」
勝矢「それがいいなと思いました」
今野「でもね、ねじり鉢巻きとか」
勝矢「昔ながらの?」
今野「1回してもらいたいですね。すごみが違いますからね」
勝矢「基本的に、あんまり目立っちゃいけないんで(笑)」
今野「あははは……。目立っちゃいけないんですか?」
勝矢「ダメじゃないですか。目立とうと思ったことないですけど(笑)」
今野「職人さんだって、目立とうとしてあの格好しているわけじゃないですけどね」
勝矢「ねじり鉢巻きは……見たことないですね(笑)」
今野「やっていいと思いますよ」
勝矢「1回社長に話を持っていってみます」
思ってたのと違う
今野「今日、話を聞くのは50歳以上の若干白髪の人だろうと想像していたので、年齢を聞いて驚きました。見た目、大学生じゃないですか」勝矢「20歳くらいに見られますね。いまだに」
今野「俺の年齢、知ってます?」
勝矢「すみません」
今野「いくつくらいに見えます?」
勝矢「35歳くらい?」
今野「もうすぐ41歳なんですけど……、遠からず近からず(笑)」
勝矢「すみません。中途半端でした(笑)」
今野「若くは見えているけど、ずば抜けては若くない(笑)」
勝矢「昔からテレビで見ている印象があるので……20代じゃないかな、と」
今野「クイズの出し方として、そんなに若いわけないですもんね。ただ、あまりに本気に当ててきたから(笑)」
勝矢「すみません。空気読めなくて」
今野「いや、読まなくていいんですよ。芝さえ読んでもらえれば」
勝矢「あははは……」
今野「この仕事、何から始めるんですか?」
勝矢「先輩のサポートです。黒いバケットを開けて芝を取って、掃除をする。芝生を一面刈ると90Lの袋が5袋とか、多いときは10袋になります」
今野「へぇ……、重いですよね」
勝矢「重いです」
今野「芝生は2種類生やしているんですか?」
勝矢「夏芝が一面ベースにあって、そこに冬芝の種を蒔いて、2毛作みたいな感じですね」
今野「同じ芝じゃないんですね」
勝矢「そうですね。関東は夏芝と冬芝の2種類でやっているところが多いですね」
今野「へぇ……」
勝矢「最初に夏芝を張って、秋に冬芝の種を蒔くんです。そうすると夏芝の間から冬芝の芽が出てくる。それで、夏芝自体は11月くらいには茶色くなるので、そのままだと冬場茶色くなっちゃうんで、緑色を保つように冬芝の種を蒔くんです」
今野「これまで、何か失敗したことあります?」
勝矢「ありますね。肥料の選択とか」
今野「肥料の選択って結構、後引く間違いになりそうですね……」
勝矢「そうですね。タイミングと種類と量を間違えると、思った方向と180度違う方向に行っちゃうこともありますね。でも、そこで正解は分からない。去年やって大丈夫だからと言って同じやり方をすると、ダメなこともある。気温も天候も違うから」
今野「危ういですね。芝って」
勝矢「だから何十年やっても、失敗し続けないと分からないと思います。その年その年の取り巻く環境とか天候に左右されるので。あとは監督が代わったりすると……」
今野「えぇ、練習の仕方で肥料の量を変えたりするんですか?」
勝矢「そういうこともあります。サブグラウンドばっかりを使う監督もいるので」
今野「言った方がいいんじゃないですか監督に。『芝に関わってくるので、もうちょっと場所を変えてやるなり。ずっとやるなら先に言ってくれ』と(笑)」
勝矢「こういうリスクがあるとお伝えするなど、チームの方とはコミュニケーションは取っています」
ジェネレーションギャップ
今野「ところで、生まれたときにJリーグがあったわけですか?」勝矢「いや、まだ……」
今野「でもすごいですよ。物心ついたときにはプロサッカーがあるわけですから」
勝矢「そうですね」
今野「日本にサッカーは『キャプテン翼』しかなかったですから。だいたい、芝生でやるスポーツがなかったですよ。良かったですね」
勝矢「そうですね。この時代に生まれて(笑)」
今野「だから、瑞穂でのストイコビッチのリフティングとか、今後起きないでしょうね」
勝矢「すみません。ちょっと分からないです(笑)」
今野「えぇ!? 分からないんですか。みんな知ってますよ」
勝矢「そうですか。じゃ、今日You Tubeで(笑)」
今野「あははは……。雨でグラウンドに水が溜まるとドリブルできないじゃないですか。それでストイコビッチはリフティングで、だいぶ進んでいったんですよ。見てください」
勝矢「分かりました」
今野「革靴のゴールは見ました?」
勝矢「見ました、見ました。監督のときのですよね」
今野「あれもすごいですよね」
勝矢「よかった、ひとつ知ってて(笑)」
イライラはしません
今野「ご家族はどういう構成ですか?」勝矢「父と母と姉です」
今野「グラウンドキーパーの家族っていうのは、どういう……。やっぱり、例えば選手の家族は試合を見に来るわけじゃないですか。試合を見に来たことは?」
勝矢「ないです」
今野「えっ!」
勝矢「グラウンドキーパーになってからはないですね」
今野「一目、見たくないですかね」
勝矢「スタジアムを管理していたとき、少しテレビに映ったときに電話はきました」
今野「選手どけよっ、みたいな。娘が見えない(笑)。対戦相手に合わせて、芝の長さを変えてくれって監督がいると聞きますが、それはあるんですか?」
勝矢「言われたことはありますね。次は長めだから、できたら長めがいいなって」
今野「短めはできますけど、長めは急にはムリですよね」
勝矢「そうですね。芝を刈らないくらいで」
今野「そんなに違うもんですかね、芝の長さで」
勝矢「違うみたいですね。あとは芝の種類とか。ボールの走り方が違うらしいです」
今野「ボールが止まるとか?」
勝矢「長いとそうなのかもしれないですね。雨だと滑るとか」
今野「イライラしないですか?」
勝矢「しないですね(笑)」
今野「なんでもいいからやれって思いませんか?」
勝矢「いや……」
今野「だって、役者が『舞台の高さを3mm上げてくれ』とは言わないでしょ」
勝矢「言わないですね。でも、違うんじゃないですかね。私には分からないですけど」
今野「何か要望はないですか?」
勝矢「要望ですか。芝の状態を見て、その都度相談はさせてもらっています。提案して、最終的に決めるのはチームの皆さんですけど」
今野「優しいですね」
勝矢「厳しい方がいいですか?」
今野「要望が通らないこともありますよね」
勝矢「でも毎回毎回、逆のことをしてくるわけじゃないので……」
今野「それは良かったです。文句はないですか?」
勝矢「大丈夫です。勝ってもらえれば何よりです」
今野「それですよね、結果が出ればね。最近のチームくらいだったらいいですか」
勝矢「そうですね。うれしいです」
今野「何か言い足りないことはないですか? サインは書きますよ。そもそも、俺のこと知ってますか?」
勝矢「はい」
今野「知らないで頼む人がいますからね。どう思いますか?」
勝矢「失礼ですね」
今野「最近すごかったのが、『お金を貸す人』って言われた」
勝矢「え?」
今野「例のCMを見たんでしょうね」
勝矢「あぁ、そういうことか(笑)」
今野「じゃ最後、お仕事頑張ってください」
勝矢「ありがとうございます」
今野「芝刈り機の刃に気をつけてください」
勝矢「わかりました(笑)」
インタビュアー:今野浩喜
構成:岩本勝暁