今野さんが“タダのファン目線”でクラブ関係者らに逆取材を敢行するシリーズ企画から一転、今野さんが行きたい場所・やりたいことをただただリポートするという、迷走するコーナーとなった本連載。本日、今野さんが訪れたのは、大宮駅西口にあるハンバーガー屋さんの『GREAT ESCAPE』。熱心なアルディージャサポーターでもある店主の今井泰介さんが作るおいしいハンバーガーをいただきながら、お話しをうかがいました。
いつも通りぬるっと始まる
今井「いらっしゃいませ」
今野「よろしくお願いします。まずは注文しましょうか。僕は、お薦めのハンバーガーとルートビアをください」
今井「こちらが、チリチーズバーガーです」
(ハンバーガー登場。黙々と完食)
今野「ごちそうさまでした。美味しかったです!」
今井「ありがとうございます」
今野「それでは……はい、始まりました」
今井「始まりましたか(笑)。いつも、こんな感じなんですね」
今野「そうなんです。いまだにつかみ切れてないので、始め方を」
今井「いいと思いますよ」
今野「誰も正解がわからないまま、やってきてます。どうも、今野です」
今井「あぁ、今井です。よろしくお願いします」
今野「……え~と、アイドリングの仕方もわからないので」
今井「難しいですよね」
今野「アイドリングって言っちゃダメなんでしょうね」
今井「確かに、初対面って面倒くさいですよね」
(ここから、しばらく花粉症の話が続く)
読者からの反響が……
今野「いい感じに温まりました。ただ、難しいんですよね。アイドリングも盛り上がると変な方向に行きますから。前々回なんて、ずっとカレーの話で終わりましたからね」
今井「あぁ、スタジアムを管理している大友さん。楽しかったですけどね」
今野「読んでくださったんですか?」
今井「読みました読みました」
今野「ええっ!! これ読んでる人いないんですよ」
今井「いますよ! 僕は前回のカレー屋さんから遡って読みましたけど」
今野「そうですか。ただ、どこからも反響がないんですよね」
今井「(爆笑)」
今野「まぁ、俺が反響を受けるような場所にいないからなんですけど」
今井「どこに感想を言えばいいんですか?」
今野「そこですよね。どこか送る場所はあるんですか?」
スタッフ「……特には」
今野「だから、みなさんの声を聞いたことがない」
今井「大宮サポーターらしい気はしますけどね、そこも」
今野「(苦笑)」
今井「ちょっと遠巻きに見守るというか」
今野「なるほどね。大宮を好きな人って、そういうところがありますよね。わかります。以前イベントをやったときも、みんなすごく優しかったです」
今井「一歩下がって見るようなところがありますよね。だから、今野さんのこともすごく応援してると思いますよ。言わないだけで」
今野「ありがとうございます。ところで、このお店はいつから?」
今井「今年が9年目ですね。2014年の12月にオープンしました」
今野「そのころ、大宮はどういう状態でしたっけ?」
今井「J2降格が決まった直後でした」
今野「すごいタイミングで始めましたね」
今井「そうですね。ヤダなぁ、と思いました(笑)」
今野「それ以降、ずっと上がってないんでしたっけ?」
今井「いやいや、2015年にJ2で優勝して戻って、16、17年とJ1にいて、2018年からJ2。なので、今シーズンが6年目ですか」
今野「そうかぁ。ずっといるわけじゃないんだ」
今井「でも、昨日カミさんと話したんですよ。小1が小6だなって(笑)」
今野「アハハハ……」
今井「今年は楽しそうですけどね」
今野「ホームは異様に強い」
今井「だから計算したんですよ。ホーム全勝なら、勝点63です」
今野「去年で言うと、どれくらいですか?」
今井「6位の山形が64で、7位の仙台が63だった。だからプレーオフ、ギリギリですね。ホームで勝ちさえすればいい。簡単な話です」
アルディージャにハマったきっかけ
今野「今井さんは、おいくつですか?」
今井「46歳です」
今野「いつから大宮の応援を?」
今井「2007、08シーズンくらいですね」
今野「きっかけは?」
今井「カミさんが大宮の人間でシーズンチケットを持ってたので、その流れで見るように。最初に見たのは、駒場でやったナビスコカップだったかな。相手が柏で、いま振り返ると南(雄太)がいたんですよね。なんか、すごいつまんない試合で(笑)」
今野「そこから、こういう店をやるようになるまで、何があったんですか?」
今井「2007シーズン最終節、あの試合ですよ。斉藤マサ(雅人)がゴールを決めて、奥野(誠一郎)との男同士の熱い抱擁があった。それで翌シーズン、川崎Fとのアウェイゲーム。前半を0-2で折り返して、後半3点取ってひっくり返した試合で、ハマりました」
今野「お店を開く前は、どこかで飲食業をやってたんですか?」
今井「都内のハンバーガー店に4年くらい勤めて、そこから独立した感じですね」
今野「ルートビア、よく置きましたね」
今井「えっ、よくないですか?」
今野「俺、人生で2回目です。最初に飲んだときのビックリが」
今井「たまに飲みたくなるんですよね」
今野「最初から受け入れられました」
今井「自分は大丈夫でした」
今野「湿布ですよね」
今井「はい(笑)。だいたい途中で飽きますよね」
今野「いや、俺は確認したくなる感じですね(笑)」
今井「わかります」
今野「病院を煮詰めた味ですね」
今井「接骨院です(笑)」
今野「これは、売れます?」
今井「出ます出ます。でも、不思議と男性しか飲まないですね」
今井さん的ベストイレブン
今野「ベストイレブン教えてもらっていいですか?」
今井「唐突ですね(笑)」
今野「ルートビアの話、しすぎたなと思って」
今井「ベストイレブンですか……」
今野「システムから教えてもらっていいですか?」
今井「それはもう、4-4-2ですね」
今野「ですよね。じゃ、キーパーから」
今井「江角(浩司)かな。成長過程を見た感じがあるんですよね」
今野「ディフェンスラインは?」
今井「菊地(光将)と河本(裕之)は外せないですね」
今野「外から見てるので二人の関係は知らないけど、息が合ってましたよね」
今井「見てて楽しいし、なんとかしてくれるだろうって」
今野「安定感がありましたよね。それじゃ、サイドは?」
今井「右が渡部(大輔)、左が和田(和也)ですかね。渡部は2017年の広島戦でしたか、終盤に足が痙攣したのにゴールを決めた試合があったじゃないですか?」
今野「ありましたね。その時点で3人交代してて、ディフェンスは無理だからって前線に残っていたら点を取っちゃった」
今井「ゴールを見て爆笑したのは、あれが初めてです」
今野「確かに、渡部さんで一番思い出すのは、あのシーンです。中盤は?」
今井「ボランチは金澤慎と、青木(拓矢)かな。誰よりも大宮っぽかった慎は、やっぱり外せない」
今野「ミスターって感じがありますね。青木選手は?」
今井「強かったころのコンビじゃないですか。あんな移籍をしたので、うちの店も一時期は出禁だったんですけど(冗談交じりに)、もう無罪放免になりました(笑)」
今野「オフェンシブな二人は?」
今井「サイドハーフか。家長(昭博)は……」
今野「俺なら絶対に入れますけどね。でも、入れるならFWかな」
今井「FWはラファエルと石原(直樹)ですね」
今野「石原さんは本当にいい選手でしたよね。動き回れるし、キープもヘディングも強い。これまでいろんな人にベストイレブンを聞いたけど、一番刺さりました」
今井「そうですか。サイドハーフは難しいですね。家長は選びたくないんですよ、負けた気がするので」
今野「気持ちはわかりますよ。そりゃそうだよねって言われる感じ(笑)。でも、いるといないとでチームの順位が違い過ぎますから、しょうがないですよ。あの川崎でも、全然やれてるわけですから」
今井「でも、うちらが先に正解を出したんだよって言いたい」
今野「確かに。大宮に来るまでは、いい選手だけど使い方が難しいっていう部分がありましたからね」
今井「渋谷(洋樹)さんが初めて彼をチームにハメたんです」
今野「それで家長さん選ぶんですか?」
今井「いや、選ばない方向で(笑)。マテウスはほしいかな。でもやっぱり、大宮にいたときが全盛期って選手を選びたいんですよね。マテウスの場合、19歳くらいで大宮に来て、うちが育てた感じがありますけど」
今野「そういう意味では、菊地、河本なんかは、まさにそういう選手ですよね」
今井「そう考えると柴山(昌也)かな。見ていて楽しい選手です」
今野「移籍の不安はありますけどね。監督は?」
今井「渋谷さんがいいですね」
今野「なんでですか?」
今井「……かわいいじゃないですか」
今野「ふ~ん。じゃ、ベストゲームは?」
今井「思い出すのは2016年の9月、熊谷でやった川崎戦ですかね。家長の2得点と江坂の得点で3-2の試合。最後は乱闘っぽくなりましたけど、盛り上がりました。ダービーなら2017年の4月、茨田(陽生)のワンゴールで勝った試合ですかね。天気もすごく良くて、最高の試合でした」
今野「いやぁ、これまでサポーターの人にはそこまで話を聞いてこなかったので、今日は話を聞けてすごく面白かったです。ありがとうございました」
今井「こちらこそ、ありがとうございます」
今野「ハンバーガーの話とか聞かず、すみません」
今井「全然大丈夫です(笑)」
構成:粕川 哲男
協力:GREAT ESCAPE(グレイトエスケイプ)
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