選手やスタッフにピッチ内外に関わらず様々な質問をしていく本コーナー。今回は、チーム屈指の明るさを誇る志村滉 選手と大澤朋也 選手による、チームメートの紹介の第2弾!大好評だった前回に続き、今回はスタッフを紹介してもらいました。
聞き手=粕川 哲男
徹さんはラーメンが好きらしい
志村「(聞き手が到着したのを見て)もうなんですか、遅いじゃないですかっ。オレは11時半にご飯を食べ終わって、ずっと待ってたんですからね(現在12時すぎ)」
大澤「……ドジャースの試合観てたんでしょ」
志村「いや、気になっちゃって(笑)」
大澤「なんか、この二人で先月もやりませんでした?」
──そうなんですけど、まさかの2回目。今回は先月に続いてスタッフ編です。よろしくお願いします。
志村「え~、選手以外いけるかな?」
大澤「初の試みだよ」
──クラブ公式サイトに載っているチームのスタッフの方々に関して、どんな仕事をしているのかを含めて、ご紹介いただけたら。
志村「なるほどね」
大澤「そういうことか。役職を見ても、よく分からないからね」
志村「まず、監督の仕事は……」
大澤「そこから?(笑)。細かいな。いや、今日は本当に45分で終わろう!」
志村「そうだ。この調子でしゃべってたら、また1時間半かかる」
※第1弾の取材時間は1時間半かかった
大澤「(長澤)徹さんは、朝がめちゃめちゃ早い」
志村「らしいね」
大澤「あとは、練習がめちゃくちゃ締まる」
志村「締め方がうまい。選手の気持ちを高めるモチベーターだし」
大澤「試合前のミーティングもグッとくるよね」
志村「奮い立ってる選手が多い。言葉選びもさすがだし、“漢”って感じ」
大澤「徹さんの言葉は全部良すぎて、何が一番かなんて選べない」
志村「ズルっ。真面目じゃないところで言うと、ラーメンが好きらしい」
大澤「それ聞いたことある」
志村「どうやら『東京のラーメンはプレミアリーグ』って言ってたらしい」
大澤「それホント?」
志村「本人からは聞いてないけど、何人かが言ってた」
大澤「面白いから、それは絶対に書いてもらおう」
志村「すごく人望があって、引退した元選手とかがたまにグラウンドに来たりする。そういう人と話してるときの顔は、めちゃくちゃ優しい」
大澤「練習からしっかり見てくれてるから、選手としてはうれしい。逆に、やってないと見透かされてる感じがある」
志村「そうだね。だから、練習で緩む選手はいない」
とにかく話しやすいコーチ陣
左上から順に喜名哲裕ヘッドコーチ、若宮直道コーチ、島田裕介コーチ、高橋範夫GKコーチ、奥村拓真フィジカルコーチ
──喜名(哲裕)ヘッドコーチはどうですか?
大澤「オレ1回、スーパー銭湯で会ったことがあるの。裸になって、入る直前に『喜名さんやん』ってなったから、めっちゃ気まずかった(笑)」
志村「風呂場の入口でってこと?」
大澤「そう!どっちも入る瞬間。ちょっと経ってまた会ったときは、サウナのあとで喜名さんがフラフラになってた」
志村「整ってた?」
大澤「うん」
志村「サウナ好きらしいね。あと、選手との距離が近い」
大澤「しゃべりやすい」
志村「それで優しい。次、いきましょう」
大澤「ワカさん(若宮直道コーチ)も話しやすい。いろんな選手とコミュニケーションを取ってる感じがある。プライベート知りたくない?」
志村「チャリで来てる」
大澤「そうだ!」
志村「ペダルにカチャってはめる、ガチの靴が下駄箱に置いてある。どこから来てるのかなって。あんなすごいチャリなんだから、他県から来てるのかなって。あと、分析もできるから、試合中に映像を切り取ってタイムリーに見せてくれる」
大澤「あれ、ワカさんがやってるんだ」
──次は島田裕介コーチをお願いします。
志村「シマさんは、キックがめちゃくちゃうまい」
大澤「長いサポーターの人たちは、たぶん現役のころも知ってますよね」
志村「オレらより知ってるかも」
大澤「最近、オレと(山崎)倫が自主練を手伝ってもらってるんですけど、ボールの質が全然違う」
志村「元プロで左利きの中盤の選手で、ボールが『バシッ』とくるんだよね」
大澤「シマさんは……42歳?」
志村「もっと若く見えるよね。ノリが若い」
大澤「この紹介のテンポ、いいね」
──高橋範夫GKコーチをお願いします。
志村「練習の種類が豊富で、選手とコミュニケーションを取ってくれる。フィールドの選手とも話して細かい守備まで言ってくれるから、すごく助かる。どう?」
大澤「いいと思う。コーチングもありがたい」
志村「どんなどんな?」
大澤「オレは好きだけどね」
志村「ノリさん(高橋GKコーチ)の試合中のコーチングは特徴があって、好きなんですよ、朋也が」
大澤「なんでオレになるの(笑)。でもそう考えたら、監督を含めて誰でも話しやすいし、いろいろ聞くことができる。分かる?」
志村「うん。あってると思う。ただ、強いて言うならコーナーキックの守備のときにノリさんが前に出るんですけど、ちょうどいい位置に立つから見えない(笑)」
大澤「アハハハ……」
志村「背中が大きいなと思って」
大澤「いい意味でね」
──奥村拓真フィジカルコーチはどうですか?
志村「来たね」
大澤「イジられ役じゃないかな。ただ、体に関する知識は、やっぱりすごい。今年から一緒に筋トレやらせてもらってるけど、メニューの豊富さだったり、『このときはこうしたほうがいい』っていう理由とかだったりを丁寧に説明してくれる。自分で考えてトレーニングできるようになるから、本当にありがたいです」
志村「説明がめっちゃうまいんだよね」
大澤「そのうえ、キャラがいい」
志村「(お笑い芸人の)ウエスPに似てるよね(笑)。そっくりじゃない?」
大澤「オレも最初思った。テーブルクロス引きやってるって。でも、みんなもう言わなくなったよね」
まだまだスタッフは個性派ぞろい
左上から順に福呂悠樹テクニカルスタッフ、袴田陽介チーフマネージャー、後藤雄一マネージャー、上原レオナルド通訳
大澤「次は(テクニカルスタッフの福呂)悠樹くん?」
志村「いこう」
大澤「オレと同い年くらいじゃない?」
志村「1997年生まれだって」
大澤「5個上か。全然違った(笑)」
志村「それくらい見た目が若いよね。結構おっとりして見えるけど、車に乗ると豹変するらしい(笑)」
大澤「マジ?」
志村「頭文字(イニシャル)Dくらいの感じだって」
大澤「ギャップ萌えだね。仕事の内容言おうよ。テクニカルスタッフって難しいじゃん」
志村「そうだね。相手がどんなことしてくるか、映像を使って説明してくれる」
大澤「あと、プレミアリーグのこの試合が観たいって言うと、すぐに映像をくれる」
志村「めっちゃ重要だと思う。あと、サッカーうまい。キレキレ」
大澤「そう。ドリブラー」
──チームマネージャーの袴田陽介さんについてお願いします。
大澤「ハカさんは、最初ちょっと怖かった」
志村「無口なイメージあるからね。でも結構しゃべるし、面白いことも言ってくれる」
大澤「オレはなぜか『キング』って呼ばれてる。『やめてくださいよ』って言うけど」
志村「見た目が渋いよね」
大澤「オレが1年目のときは関わりがなかったけど、去年と今年でイメージがガラリと変わった」
志村「しゃべらないイメージだからね。オレとか朋也みたいに、ムダなことばっかり言う感じじゃない」
大澤「実際はけっこう話すよね。あと、ハカさんが笑ってくれるとうれしい」
志村「それはある。普段あんま笑わない人が笑ってくれるとうれしいよね。次、ゴリさん(後藤雄一マネージャー)」
大澤「ゴリさんの仕事はスパイクの手入れとか。あと、なんでも直してくれる」
志村「みんなのスパイクを丁寧に扱ってくれる。だから、毎回綺麗」
大澤「あとは熱い。喜び方がすごい」
志村「ハカさん、ゴリさん、二人とも話すと面白い」
──通訳の上原レオナルドさんは?
大澤「レオは『やんちゃなアメリカの子ども』みたいなイメージ。1回さ、髪型がめっちゃ小学5年生みたいなときあったじゃん。あの髪型好き。片手に絶対ペロペロキャンディー持ってそうな」
志村「あったあった(笑)」
大澤「ズバズバ言うよね。あと、いつも半袖」
志村「年中半袖のイメージある」
大澤「なんで今日?って日もね。あと、リフティングがうまい」
志村「ストリート系だよね。あと、プライベートで行った個サル(個人フットサル)で、勝負にこだわりすぎて怒ったらしい(笑)」
トレーナー陣の意外な一面
左上から順に風間貴文チーフ・アスレティックトレーナー、関戸健一アスレティックトレーナー、屋城夏哉アスレティックトレーナー、生田亮平理学療法士
──トレーナー陣、いきましょうか。
志村「ザマさん(風間貴文チーフ・アスレティックトレーナー)からいく?大宮の選手が倒れたときに走ってくる、あの人です」
大澤「そうそう」
志村「水とバッグ持ってくる人」
大澤「あとさ、(J3第18節の)琉球戦で終了間際に(杉本)健勇くんが決勝点を決めたとき、ピッチに入ってきちゃった」
志村「あぁ、あったね。一番速かった。1回目のシュートがはね返って、2回目に左足で打つ前にはグラウンドに入ってきてた(笑)。ゴリさんと一緒に」
大澤「二人とも熱いからね」
志村「ベンチから一番先に出てきたんですよ(笑)」
大澤「あれがうれしいよね」
志村「そう。みんなで戦ってる感じがある。あと、ザマさんはプリンが好き」
大澤「“プリン会”ね。オレも在籍してる」
志村「しょうもない入会審査があるんでしょ」
大澤「そうそう」
──関戸健一アスレティックトレーナーはどうでしょう。
志村「大人しくて、落ちついて見えるけど、実はお笑いがけっこう好き」
大澤「そう!ユースのときも一緒にやってて、来るって聞いたときはうれしかった」
志村「けっこうふざけるの好きだし、選手がふざけてると、ノッてくれる」
大澤「お笑いが好きで、ラジオとか聴いてるって言ってた」
志村「あれはね、“ムッツリオモロー”」
一同「(爆笑)」
大澤「初めて聞いた。『ムッツリ』ってそういう使い方もあるんだ」
志村「いや、オレも初めて言った(笑)」
大澤「次、ヤシくん(屋城夏哉アスレティックトレーナー)」
志村「屋城ね」
大澤「めっちゃ指圧が強い」
志村「あと、音楽担当。トレーナーの部屋はいつも音楽がかかってるんですけど、もう全ジャンル網羅してる」
大澤「古いときもあれば、流行りの歌ばっかりのときもある」
志村「あとは、めちゃくちゃお酒が強いらしい。どっか行ったときの帰りに、ハブ酒買ってた」
大澤「えっ、お土産で?」
志村「いや、自分に。あっ、キャンプの帰りだ」
大澤「でもマッサージは本当にありがたいよね。それで体がもってるようなもんだから」
志村「アウェイのときは、ホテルの部屋でずっとやってくれるわけじゃん」
大澤「ずっとだからね。すごいよね、指」
志村「折れちゃうよね」
大澤「……折れはしないけどさ、さすがに」
志村「うん。さすがにね。その道のプロだからね。一般人がやったら折れちゃうよ」
──最後は理学療法士の生田亮平さんをお願いします。
大澤「イクちゃん」
志村「ケガした選手を見てくれるから、リハビリ中心なのかな」
大澤「オレね、イクちゃんも“(関口)凱心チック”だと思うんだよね。分類で言うと。分かる?」
志村「確かに。不思議ちゃんなところがあるし、意志が強い。だから、いろんな選手に『結婚できないよ』って言われてる(笑)」
大澤「オレと同じくらい?」
志村「うん。でも、『あぁ、そうですね』って聞いてない」
大澤「どっちが先に結婚するか勝手に勝負してる」
志村「お前、分悪くない?」
大澤「オレ負けるの?」
志村「年齢的にね」
大澤「あぁ……」
──今年のチームはスタッフを含め一体感がありますね。
志村「そうなんです」
大澤「スタッフの方々がそういう雰囲気を作ってくれるから、選手はやりやすい」
志村「今年のチームは、スタッフ同士にもいい空気感がある」
大澤「確かに。それが伝わってくる」
志村「だからチーム全体がいい雰囲気でやってこられて、結果に結びついた。はい、まとまったんじゃない?」
大澤「うん。いい感じで終わった」
粕川哲男(かすかわ てつお)
1995年に週刊サッカーダイジェスト編集部でアルバイトを始め、2002年まで日本代表などを担当。2002年秋にフリーランスとなり、スポーツ中心のライター兼エディターをしつつ書籍の構成なども務める。2005年から大宮アルディージャのオフィシャルライター。