レッドブル グローバルサッカー部門責任者 ユルゲン・クロップ氏 インタビュー
今回はデジタルVAMOS特別編として、2025明治安田Jリーグ開幕戦に合わせて来日した、レッドブル グローバルサッカー部門責任者 ユルゲン・クロップ氏のインタビューをお届けします。今回の訪問&インタビューの様子は、後日クラブ公式YouTubeチャンネルでも公開予定です。お楽しみに!

――今回の来日で日本のサッカーカルチャーを体験されてみて、日本のサッカーシーンとサポーターの印象を教えてください。
「日本のサッカーを十分体験できたとは言えないが、今回の仕事と観戦を組み合わせることで、前よりも全体像が見えてきた。とはいえ、まだ試合を見る必要がある。観戦の大半はテレビになるだろう。ドイツと日本は少し距離があるからね。今回の印象はとても良かった。スタジアムの雰囲気は非常に良く、サポーターも情熱的だった。第一印象は最高だ」
ーーRB大宮アルディージャの開幕戦で最も印象に残ったことは何ですか?これからレッドブル傘下での道のりで一番楽しみにしていることは何ですか?
「全ての道のりが楽しみだ。素晴らしいアイデアだと思う。日本やアジアにおけるサッカー界との関係を築く素晴らしい方法だ。日本には沢山のサッカー選手がいるが、欧州でプレーしている選手は多くない。国内の選手数から考えると、欧州でプレーしている数は少ない。もちろん サッカーは世界中にあるが、ここが興味深い疑問点で楽しみなところだ。RB大宮アルディージャとはまだ始まったばかりだが、非常に楽しみだ。日本で様々な人に会い、現状の印象を持つことができた。このあとドイツへ戻り、何ができるのか考えていく予定だ。これがプランだ」

ーー敗戦から謙虚に学び、結果に振り回されないことが重要というあなたのサッカー哲学をどのように選手やスタッフに伝えていますか?
「監督時代は難しくなかった。選手と私の距離を近づけるだけだった。選手たちと親密な関係ができれば、メディアや他の意見より私の考えを重視するようになっていたこのような関係を選手全員と築いていたので、チーム一丸となって外の世界と戦うことができていた。このような一体感というか、チームスピリットが私は好きなので、今は完全に異なる仕事だが、同じ一体感を作ろうとしている。私は最高の監督ではないし 最強クラブを率いた経験もないが、度々最強相手に勝利できていた。相手から嫌がられる特別なクラブにすることが目標だ」
ーーレッドブルの関係を振り返ってもらえますか? レッドブル・サッカーで新たな挑戦を始めたきっかけを教えてください。
「自分に変化を加えたかった。監督の仕事は好きだった。激烈な日々だった。その生活を約 24 年続けたあと、変化を加えたくなった。監督の才能は自覚しているが、続けるには人生は短すぎると思っている。そして、自分にどんな選択肢があるのか見てみたかった。幸運なことに頃合いよく、オリバー・ミンツラフから話が来た。レッドブルはグローバルサッカーに以前から取り組んでいたが、彼らはビジネス側ではなくサッカー側の人間を加えたがっていた。その話を聞いて、すぐに興味を持った。これが経緯だ。また以前から旅に興味があった。観光旅行も悪くないが、目的や仕事のための旅だ。私はそっちが好きだ。なぜなら様々な人と違うレベルで出会えるからだ。もちろん観光的に美しい建物や皇居も楽しむこともあるが、多くの人と会う中で共に働く方が、本気度が違うので、相手をよく理解できる。今はまさに、理解していく段階なので、大いに楽しんでいる。当然ながら、就任する前は自分が貢献できるかどうか熟考した。とはいえ 私は昔から自信がある方だ。もちろん、100%の自信ではないが、役立ち、好影響を与えられる感触がある。なので、気分が良く取り組めている。多くのレッドブル社員にも会ったが、全員情熱的だった。ブランドと会社を愛する社員が多いことは、私にとってとても重要な情報だ。楽しめている人が多いなら、良い環境のはずだからだ」

ーーレッドブルはサッカー以外にも様々なスポーツと関わっていますが、刺激や影響を受ける他のスポーツはありますか?
「すべてのスポーツから刺激を受けている。私はこれまで様々なスポーツを見てきた。アスリートごとに異なるアプローチ・準備・動き方を学ぶためだ。実際に私たちが目にするのは結果だけだ。着地やゴールの瞬間だ。一方、私は昔からスポーツマンなので、準備の大変さを知っている。だからそこに私は感銘を受けている。今は時間が足りないが、今後レッドブル・アスリートに会うのが楽しみだ。彼らと話して、スポーツを選んだ理由や取り組み方、勇気の源などについて知りたい。話をするのが本当に楽しみだ。なぜなら 人と話して お互いに学ぶ機会が少ないと思っているからだ。そういう機会が不足している。人と話す機会を逃したあとで、話しておけば良かった 教えておけばと良かったと思うときは少なくない。だから、積極的に話をするべきだ。私たちの世界は広く大きい。しかし、正しく繋がれているかは分からない。だから、話をして繋がりたい」
ーー就任から2ヶ月が経ち、これまでにブラジル・日本・米国・ヨーロッパを視察しましたが、レッドブル・サッカーについてどのような学びがありましたか?
「先ほども話したが、情熱的な人が多い。これは特別なことだと思う。当然ながら、私は年老いてきたが、なぜかいつも若者と仕事をしてきた。サッカー選手なので若いのは当然だが、レッドブルも、どのオフィスを訪れても情熱的な若者たちが私たちのために働いている。とてもクールなことだと思うし その理由も理解できる。レッドブルは世界一クールなブランドのひとつだからだ。実に素晴らしいことだと思う。ブラジル、米国、日本はそれぞれ異なるが、愛する気持ちは全員同じだ。では、このカルチャーをどう保つのか? このカルチャーをどう活用するのか? どこをどう微調整すれば良いのか?サッカーはドイツで一番人気のスポーツだが、アメリカと日本では違う。ブラジルは同じく一番人気だ。この違いはどこから来るのか? 私たちは各国の育成にどう寄与できるのか?やることは山積みだ。しかし、それらについて考える時間はない。実際、監督時代も体験を正しく処理できなかった。だから、帰国後にしっかり時間をかけて体験を処理していきたい。体験した直後にやるべきことや重要な点をきちんと整理するのは難しい。まずは体験するしかない。今はそれを続けていく」

ーー日本全体の印象を教えてください。
「日本は見られなかった。東京の一部を見たけど、東京も広いので見ていないに等しいな。とはいえ、素晴らしかった。日本を知らない人にひとつ言えるのは、食べ物が最高ということだ。あれはすごい。100%自分好みの味だ。日本食は前から食べていたが、日本で食べるのは初めてだった。完全に別物で、本当に素晴らしかった。東京の活気もクレイジーだ。昨晩少し外出したが 雰囲気が気に入った。街の楽しげなムードが良かった。クールだった。東京がバーで有名かどうかは知らないが、昨晩立ち寄ったバーも良かった。自由時間は短かったが多少は観光できたし、第一印象はまさに最高だった。以前は 知っている人から話を聞いて日本を想像するだけだった。つまり、シンジ(香川真司)、タクミ(南野拓実)、ワタル(遠藤航)から聞いて良いイメージを持っていた。そして今回初めて見て回ったが、素晴らしかった。どの国も同じで、住めば不満が出てくるだろう。しかし数日訪れるだけなら日本は本当に特別だ」

プレミアリーグ優勝:リヴァプール、2019-20シーズン
FAカップ優勝:リヴァプール、2021-22シーズン
EFLカップ優勝:リヴァプール、2021-22シーズン&2023-24シーズン
FIFAクラブワールドカップ優勝:リヴァプール、2019年
UEFAスーパーカップ優勝:リヴァプール、2019年
FAコミュニティ・シールド優勝:リヴァプール、2022年
ブンデスリーガ優勝:ボルシア・ドルトムント、2010-11シーズン&2011-12シーズン
DFBポカール優勝:ボルシア・ドルトムント、2010-11シーズン
DFLスーパーカップ優勝:ボルシア・ドルトムント、2013年&2014年
クロップは自身の選手キャリアの大半を費やしたマインツ05の監督に就任した2001年にこのコーチング哲学を世界に紹介した。2004年、クロップはマインツ05を同クラブ史上初のブンデスリーガ1部昇格へ導いた。
2008年にボルシア・ドルトムントの監督に就任したクロップは、すぐにヴェストファーレンシュタディオンで驚異的な成功を収めるようになり、2011年と2012年にボルシア・ドルトムントをブンデスリーガ連覇へ導くとともに、2013年にはチャンピオンズリーグ決勝進出を果たした。
2015年、クロップはヨーロッパサッカー界のもうひとつの巨人であるリヴァプールを目覚めさせる使命を引き受けた。
リヴァプールは1990年以来国内リーグタイトルから見放され続けてきたが、クロップの情熱、ビジョン、そしてエナジーがこの名門クラブの命運を一転させた。リヴァプールは優勝争いの常連となり、ペップ・グアルディオラ率いるマンチェスター・シティとはイングランドを越えて世界中のファンたちをも夢中にする熾烈なライバル関係を築いた。
チャンピオンズリーグ、プレミアリーグ、FAカップなど、リヴァプールはクロップによる指揮の下であらゆる栄冠を勝ち取った。

――今回の来日で日本のサッカーカルチャーを体験されてみて、日本のサッカーシーンとサポーターの印象を教えてください。
「日本のサッカーを十分体験できたとは言えないが、今回の仕事と観戦を組み合わせることで、前よりも全体像が見えてきた。とはいえ、まだ試合を見る必要がある。観戦の大半はテレビになるだろう。ドイツと日本は少し距離があるからね。今回の印象はとても良かった。スタジアムの雰囲気は非常に良く、サポーターも情熱的だった。第一印象は最高だ」
ーーRB大宮アルディージャの開幕戦で最も印象に残ったことは何ですか?これからレッドブル傘下での道のりで一番楽しみにしていることは何ですか?
「全ての道のりが楽しみだ。素晴らしいアイデアだと思う。日本やアジアにおけるサッカー界との関係を築く素晴らしい方法だ。日本には沢山のサッカー選手がいるが、欧州でプレーしている選手は多くない。国内の選手数から考えると、欧州でプレーしている数は少ない。もちろん サッカーは世界中にあるが、ここが興味深い疑問点で楽しみなところだ。RB大宮アルディージャとはまだ始まったばかりだが、非常に楽しみだ。日本で様々な人に会い、現状の印象を持つことができた。このあとドイツへ戻り、何ができるのか考えていく予定だ。これがプランだ」

ーー敗戦から謙虚に学び、結果に振り回されないことが重要というあなたのサッカー哲学をどのように選手やスタッフに伝えていますか?
「監督時代は難しくなかった。選手と私の距離を近づけるだけだった。選手たちと親密な関係ができれば、メディアや他の意見より私の考えを重視するようになっていたこのような関係を選手全員と築いていたので、チーム一丸となって外の世界と戦うことができていた。このような一体感というか、チームスピリットが私は好きなので、今は完全に異なる仕事だが、同じ一体感を作ろうとしている。私は最高の監督ではないし 最強クラブを率いた経験もないが、度々最強相手に勝利できていた。相手から嫌がられる特別なクラブにすることが目標だ」
ーーレッドブルの関係を振り返ってもらえますか? レッドブル・サッカーで新たな挑戦を始めたきっかけを教えてください。
「自分に変化を加えたかった。監督の仕事は好きだった。激烈な日々だった。その生活を約 24 年続けたあと、変化を加えたくなった。監督の才能は自覚しているが、続けるには人生は短すぎると思っている。そして、自分にどんな選択肢があるのか見てみたかった。幸運なことに頃合いよく、オリバー・ミンツラフから話が来た。レッドブルはグローバルサッカーに以前から取り組んでいたが、彼らはビジネス側ではなくサッカー側の人間を加えたがっていた。その話を聞いて、すぐに興味を持った。これが経緯だ。また以前から旅に興味があった。観光旅行も悪くないが、目的や仕事のための旅だ。私はそっちが好きだ。なぜなら様々な人と違うレベルで出会えるからだ。もちろん観光的に美しい建物や皇居も楽しむこともあるが、多くの人と会う中で共に働く方が、本気度が違うので、相手をよく理解できる。今はまさに、理解していく段階なので、大いに楽しんでいる。当然ながら、就任する前は自分が貢献できるかどうか熟考した。とはいえ 私は昔から自信がある方だ。もちろん、100%の自信ではないが、役立ち、好影響を与えられる感触がある。なので、気分が良く取り組めている。多くのレッドブル社員にも会ったが、全員情熱的だった。ブランドと会社を愛する社員が多いことは、私にとってとても重要な情報だ。楽しめている人が多いなら、良い環境のはずだからだ」

ーーレッドブルはサッカー以外にも様々なスポーツと関わっていますが、刺激や影響を受ける他のスポーツはありますか?
「すべてのスポーツから刺激を受けている。私はこれまで様々なスポーツを見てきた。アスリートごとに異なるアプローチ・準備・動き方を学ぶためだ。実際に私たちが目にするのは結果だけだ。着地やゴールの瞬間だ。一方、私は昔からスポーツマンなので、準備の大変さを知っている。だからそこに私は感銘を受けている。今は時間が足りないが、今後レッドブル・アスリートに会うのが楽しみだ。彼らと話して、スポーツを選んだ理由や取り組み方、勇気の源などについて知りたい。話をするのが本当に楽しみだ。なぜなら 人と話して お互いに学ぶ機会が少ないと思っているからだ。そういう機会が不足している。人と話す機会を逃したあとで、話しておけば良かった 教えておけばと良かったと思うときは少なくない。だから、積極的に話をするべきだ。私たちの世界は広く大きい。しかし、正しく繋がれているかは分からない。だから、話をして繋がりたい」
ーー就任から2ヶ月が経ち、これまでにブラジル・日本・米国・ヨーロッパを視察しましたが、レッドブル・サッカーについてどのような学びがありましたか?
「先ほども話したが、情熱的な人が多い。これは特別なことだと思う。当然ながら、私は年老いてきたが、なぜかいつも若者と仕事をしてきた。サッカー選手なので若いのは当然だが、レッドブルも、どのオフィスを訪れても情熱的な若者たちが私たちのために働いている。とてもクールなことだと思うし その理由も理解できる。レッドブルは世界一クールなブランドのひとつだからだ。実に素晴らしいことだと思う。ブラジル、米国、日本はそれぞれ異なるが、愛する気持ちは全員同じだ。では、このカルチャーをどう保つのか? このカルチャーをどう活用するのか? どこをどう微調整すれば良いのか?サッカーはドイツで一番人気のスポーツだが、アメリカと日本では違う。ブラジルは同じく一番人気だ。この違いはどこから来るのか? 私たちは各国の育成にどう寄与できるのか?やることは山積みだ。しかし、それらについて考える時間はない。実際、監督時代も体験を正しく処理できなかった。だから、帰国後にしっかり時間をかけて体験を処理していきたい。体験した直後にやるべきことや重要な点をきちんと整理するのは難しい。まずは体験するしかない。今はそれを続けていく」

ーー日本全体の印象を教えてください。
「日本は見られなかった。東京の一部を見たけど、東京も広いので見ていないに等しいな。とはいえ、素晴らしかった。日本を知らない人にひとつ言えるのは、食べ物が最高ということだ。あれはすごい。100%自分好みの味だ。日本食は前から食べていたが、日本で食べるのは初めてだった。完全に別物で、本当に素晴らしかった。東京の活気もクレイジーだ。昨晩少し外出したが 雰囲気が気に入った。街の楽しげなムードが良かった。クールだった。東京がバーで有名かどうかは知らないが、昨晩立ち寄ったバーも良かった。自由時間は短かったが多少は観光できたし、第一印象はまさに最高だった。以前は 知っている人から話を聞いて日本を想像するだけだった。つまり、シンジ(香川真司)、タクミ(南野拓実)、ワタル(遠藤航)から聞いて良いイメージを持っていた。そして今回初めて見て回ったが、素晴らしかった。どの国も同じで、住めば不満が出てくるだろう。しかし数日訪れるだけなら日本は本当に特別だ」

ユルゲン・クロップ Jürgen Klopp
過去の実績
チャンピオンズリーグ優勝:リヴァプール、2018-19シーズンプレミアリーグ優勝:リヴァプール、2019-20シーズン
FAカップ優勝:リヴァプール、2021-22シーズン
EFLカップ優勝:リヴァプール、2021-22シーズン&2023-24シーズン
FIFAクラブワールドカップ優勝:リヴァプール、2019年
UEFAスーパーカップ優勝:リヴァプール、2019年
FAコミュニティ・シールド優勝:リヴァプール、2022年
ブンデスリーガ優勝:ボルシア・ドルトムント、2010-11シーズン&2011-12シーズン
DFBポカール優勝:ボルシア・ドルトムント、2010-11シーズン
DFLスーパーカップ優勝:ボルシア・ドルトムント、2013年&2014年
過去の監督歴
サッカー指導者としてのキャリアを通じて、クロップは積極的に若手選手にチャンスを与え、エナジー、スピード、そして精確性を基盤としたプレースタイルを発展させてきた。ゲーゲンプレスと称される彼のシステムでは、選手たちがポゼッションを失っている間は相手を執拗にプレスし、ボール奪取と同時に攻撃へ切り替える。クロップは自身の選手キャリアの大半を費やしたマインツ05の監督に就任した2001年にこのコーチング哲学を世界に紹介した。2004年、クロップはマインツ05を同クラブ史上初のブンデスリーガ1部昇格へ導いた。
2008年にボルシア・ドルトムントの監督に就任したクロップは、すぐにヴェストファーレンシュタディオンで驚異的な成功を収めるようになり、2011年と2012年にボルシア・ドルトムントをブンデスリーガ連覇へ導くとともに、2013年にはチャンピオンズリーグ決勝進出を果たした。
2015年、クロップはヨーロッパサッカー界のもうひとつの巨人であるリヴァプールを目覚めさせる使命を引き受けた。
リヴァプールは1990年以来国内リーグタイトルから見放され続けてきたが、クロップの情熱、ビジョン、そしてエナジーがこの名門クラブの命運を一転させた。リヴァプールは優勝争いの常連となり、ペップ・グアルディオラ率いるマンチェスター・シティとはイングランドを越えて世界中のファンたちをも夢中にする熾烈なライバル関係を築いた。
チャンピオンズリーグ、プレミアリーグ、FAカップなど、リヴァプールはクロップによる指揮の下であらゆる栄冠を勝ち取った。