Jリーグ ディビジョン1 第2節
2012.3.17 [SAT] 14:00
東北電ス
新潟
- 20' ブルーノ ロペス
1
-
2
1
前半
0
0
後半
2
大宮
- 68' 菊地 光将
- 83' ラファエル
試合経過
メンバー
スターティングメンバー
GK 30 小澤 英明
DF 25 村上 佑介
DF 4 鈴木 大輔
DF 3 大井 健太郎
DF 19 キム ジンス
63'
MF 6 三門 雄大
MF 15 本間 勲
MF 23 田中 亜土夢
84'
MF 18 アラン ミネイロ
71'
FW 9 矢野 貴章
FW 11 ブルーノ ロペス
控えメンバー
GK 22 渡辺 泰広
DF 5 石川 直樹
63'
MF 36 菊地 直哉
MF 16 金 永根
MF 8 木暮 郁哉
MF 26 小谷野 顕治
84'
FW 14 平井 将生
71'
監督
スターティングメンバー
GK 1 北野 貴之
DF 26 村上 和弘
DF 2 菊地 光将
DF 20 キム ヨングォン
DF 22 下平 匠
MF 13 渡邉 大剛
MF 6 青木 拓矢
MF 5 カルリーニョス
MF 9 チョ ヨンチョル
81'
MF 8 東 慶悟
74'
FW 10 ラファエル
88'
控えメンバー
GK 21 江角 浩司
DF 4 深谷 友基
DF 30 渡部 大輔
MF 23 金澤 慎
MF 7 上田 康太
74'
MF 16 金久保 順
81'
FW 32 長谷川 悠
88'
監督
試合データ
主審
松村 和彦
副審
前之園 晴廣
副審
蒲澤 淳一
第4の審判員
笹沢 潤
入場者数
26,294人
天候
雨、無風
ピッチ状態
全面良芝、水含み
気温/湿度
11.0℃/68%
逆転で雨中の激闘を制し、今シーズン初勝利を飾る
FC東京をホームに迎えての開幕戦を0-1で落としたアルディージャは、今季初勝利を目指して冬の寒さが残る東北電力ビッグスワンスタジアムで第2節に臨んだ。鈴木監督、北野、チョ ヨンチョルにとって古巣となる新潟とは、ここ数年互角の戦いを演じている。リーグ戦で勝敗がついたゲームを探すと、3年前の4月まで遡らないといけない。つまり、ここ5試合はすべて引き分け。しかも、2010年の第33節こそ点の取り合いとなる2-2で勝点を分け合ったが、残る4試合はすべてスコアレスドローとなっている。連動した守備とポゼッション、サイドからの崩しという似たスタイルを持つチーム同士が、真正面から激突した結果の痛み分けと言えるだろう。
開幕戦で川崎に黒星を喫した新潟が、ホームで今季初勝利を狙ってくるのは間違いない。アルディージャの選手たちは前へ出てくる相手をどういなし、どのような組み立てを見せ、いかにゴールを奪うのか――。14時3分、気温11度。小雨が舞うコンディションのなか、純白の長袖をまとった選手たちがピッチに散らばり試合がスタートした。
アルディージャの布陣は開幕戦と同じ。守護神の北野がゴール前に立ち、最終ラインは右から村上、菊地、キム ヨングォン、下平。中盤の底で青木とカルリーニョスがコンビを組み、渡邉、東、チョ ヨンチョル、ラファエルの4人が前線を彩った。序盤は互いにコンパクトな陣形のなかで見せる激しいプレッシングが奏功し、なかなかチャンスを創り出せない。アルディージャは左サイドをドリブルで突破したチョ ヨンチョルが、新潟は遠目から積極的なミドルを放った田中がゴールに迫るが、決定機には至らなかった。
ともに流れをつかめず淡々と時を刻んで迎えた20分、しかし、一つのプレーが試合のペースを加速させる。新潟の右サイドでボールを持った村上が正確なクロスを放り込むと、ゴール前へ走り込んだブルーノ ロペスが頭で合わせる。ボールは北野が懸命に伸ばした右手を弾いて、ゴールに吸い込まれた。先制した新潟は、そこから一気に畳みかけてくる。新加入のアラン ミネイロが、立て続けにアルディージャのゴールを強襲。ともに菊地が身体を投げ出してのディフェンスと抜群のカバーリングで難を逃れたが、追加点の気配の漂う危ないシーンだった。
猛攻を凌いだアルディージャは24分、右サイドを攻略してラファエルがヘディングで狙うものの、ゴールには届かない。その後も数人が連動する新潟の守備に苦しむ。前線のラファエル、東、チョ ヨンチョルの距離が遠く、ボールを持っても2人、3人に囲まれてゴールへ迫れなかった。公式記録に記されたアルディージャの前半のシュート数は0本。「何もできない状況」(鈴木監督)でハーフタイムを迎えることになった。
鈴木監督から「前半はプレーが軽すぎる。後半は立ち上がりから厳しくいこう」と檄を飛ばされた選手たちは、その言葉通り、開始早々から新潟のゴールに襲いかかる。まずは渡邉のスルーパスに抜け出たラファエルが相手3人を引きつけてタメを作り、ゴール前へラストパスを送る。こぼれたボールをチョ ヨンチョルが狙ったが、シュートはGK小澤に防がれてしまった。続いて、下平のコーナーキックをファーサイドのキム ヨングォンがヘディングで叩くが、ボールはわずかにゴールの右へ外れた。
徐々にボールの支配率を高めたアルディージャは、試合の主導権を握る。そして68分、セットプレーの流れから今シーズン初ゴールとなる待望の同点弾を奪う。カルリーニョスのクロスを東が頭で折り返し、最後はポジションを上げていた菊地が左足で押し込んだ。「(東)慶悟がうまく折り返してくれたので触るだけでよかった」と菊地が語った一撃で試合を振り出しに戻した鈴木監督は74分、「動ける選手を入れて活性化を図りたかった」という狙いで選手交代に踏み切る。東を下げて上田を投入。青木と上田がダブルボランチを形成し、カルリーニョスがトップ下にポジションを移した。
上田が入ったことでパスの出し手が増えたアルディージャは、確実にボールを散らし、新潟を追い詰めていく。攻勢が続いたなかで奪った逆転ゴールは83分。左サイドの深い位置でカルリーニョスのロングボールを受けた下平のグラウンダークロスを、ゴール前で待ち構えていたラファエルが右足で決めた。「ストライカーらしいゴールだったと思う。なかなかチャンスがないなか、いつか必ず来ると信じて準備して決めることができた」と本人が自画自賛したゴールでリードを奪ったアルディージャは、タイムアップ直前の新潟の攻撃を耐え、アウェイの地で価値ある勝点3を手に入れた。
嬉しい今季初勝利。だが、選手たちに浮かれた様子はなかった。決勝点をアシストした下平は「ロングボールに頼らずもっとボールを動かすことができれば、もっと早い段階で相手を疲れさせることができたと思う。初勝利に満足せずやっていきたい」とコメント。早くも、3日後に迫るヤマザキナビスコカップ第1節に照準を合わせていた。
(総評:粕川 哲男/写真:早草 紀子)
開幕戦で川崎に黒星を喫した新潟が、ホームで今季初勝利を狙ってくるのは間違いない。アルディージャの選手たちは前へ出てくる相手をどういなし、どのような組み立てを見せ、いかにゴールを奪うのか――。14時3分、気温11度。小雨が舞うコンディションのなか、純白の長袖をまとった選手たちがピッチに散らばり試合がスタートした。
アルディージャの布陣は開幕戦と同じ。守護神の北野がゴール前に立ち、最終ラインは右から村上、菊地、キム ヨングォン、下平。中盤の底で青木とカルリーニョスがコンビを組み、渡邉、東、チョ ヨンチョル、ラファエルの4人が前線を彩った。序盤は互いにコンパクトな陣形のなかで見せる激しいプレッシングが奏功し、なかなかチャンスを創り出せない。アルディージャは左サイドをドリブルで突破したチョ ヨンチョルが、新潟は遠目から積極的なミドルを放った田中がゴールに迫るが、決定機には至らなかった。
ともに流れをつかめず淡々と時を刻んで迎えた20分、しかし、一つのプレーが試合のペースを加速させる。新潟の右サイドでボールを持った村上が正確なクロスを放り込むと、ゴール前へ走り込んだブルーノ ロペスが頭で合わせる。ボールは北野が懸命に伸ばした右手を弾いて、ゴールに吸い込まれた。先制した新潟は、そこから一気に畳みかけてくる。新加入のアラン ミネイロが、立て続けにアルディージャのゴールを強襲。ともに菊地が身体を投げ出してのディフェンスと抜群のカバーリングで難を逃れたが、追加点の気配の漂う危ないシーンだった。
猛攻を凌いだアルディージャは24分、右サイドを攻略してラファエルがヘディングで狙うものの、ゴールには届かない。その後も数人が連動する新潟の守備に苦しむ。前線のラファエル、東、チョ ヨンチョルの距離が遠く、ボールを持っても2人、3人に囲まれてゴールへ迫れなかった。公式記録に記されたアルディージャの前半のシュート数は0本。「何もできない状況」(鈴木監督)でハーフタイムを迎えることになった。
鈴木監督から「前半はプレーが軽すぎる。後半は立ち上がりから厳しくいこう」と檄を飛ばされた選手たちは、その言葉通り、開始早々から新潟のゴールに襲いかかる。まずは渡邉のスルーパスに抜け出たラファエルが相手3人を引きつけてタメを作り、ゴール前へラストパスを送る。こぼれたボールをチョ ヨンチョルが狙ったが、シュートはGK小澤に防がれてしまった。続いて、下平のコーナーキックをファーサイドのキム ヨングォンがヘディングで叩くが、ボールはわずかにゴールの右へ外れた。
徐々にボールの支配率を高めたアルディージャは、試合の主導権を握る。そして68分、セットプレーの流れから今シーズン初ゴールとなる待望の同点弾を奪う。カルリーニョスのクロスを東が頭で折り返し、最後はポジションを上げていた菊地が左足で押し込んだ。「(東)慶悟がうまく折り返してくれたので触るだけでよかった」と菊地が語った一撃で試合を振り出しに戻した鈴木監督は74分、「動ける選手を入れて活性化を図りたかった」という狙いで選手交代に踏み切る。東を下げて上田を投入。青木と上田がダブルボランチを形成し、カルリーニョスがトップ下にポジションを移した。
上田が入ったことでパスの出し手が増えたアルディージャは、確実にボールを散らし、新潟を追い詰めていく。攻勢が続いたなかで奪った逆転ゴールは83分。左サイドの深い位置でカルリーニョスのロングボールを受けた下平のグラウンダークロスを、ゴール前で待ち構えていたラファエルが右足で決めた。「ストライカーらしいゴールだったと思う。なかなかチャンスがないなか、いつか必ず来ると信じて準備して決めることができた」と本人が自画自賛したゴールでリードを奪ったアルディージャは、タイムアップ直前の新潟の攻撃を耐え、アウェイの地で価値ある勝点3を手に入れた。
嬉しい今季初勝利。だが、選手たちに浮かれた様子はなかった。決勝点をアシストした下平は「ロングボールに頼らずもっとボールを動かすことができれば、もっと早い段階で相手を疲れさせることができたと思う。初勝利に満足せずやっていきたい」とコメント。早くも、3日後に迫るヤマザキナビスコカップ第1節に照準を合わせていた。
(総評:粕川 哲男/写真:早草 紀子)
続きを読む
選手コメント
FW 10 ラファエル
Q:決勝点の場面を振り返って。
非常にストライカーらしいゴールだったのではないかと思っています。非常に厳しい展開でなかなかチャンスがない中で、それでもどこかで必ずチャンスが来るだろうと準備していました。そのわずかなチャンスを物にできたということで非常にうれしく思っています。
Q:前半なかなかチャンスが作れなかった間はどんな点を意識していたか?
前半は少しお互いの距離が遠く、なかなかうまくいきませんでした。お互いの距離を近くしてプレーしなければいけないということを常に確認し合い、ハーフタイムでも監督がその点を指示してくれました。我々の長所はしっかりボールを動かして、セカンドボールも拾うべきところは拾って、そこから速い攻撃につなげるというところです。それが前半はなかなかできていなかったので、お互いの距離を近くしてボールをしっかり動かそうということを確認し合いました。
非常にストライカーらしいゴールだったのではないかと思っています。非常に厳しい展開でなかなかチャンスがない中で、それでもどこかで必ずチャンスが来るだろうと準備していました。そのわずかなチャンスを物にできたということで非常にうれしく思っています。
Q:前半なかなかチャンスが作れなかった間はどんな点を意識していたか?
前半は少しお互いの距離が遠く、なかなかうまくいきませんでした。お互いの距離を近くしてプレーしなければいけないということを常に確認し合い、ハーフタイムでも監督がその点を指示してくれました。我々の長所はしっかりボールを動かして、セカンドボールも拾うべきところは拾って、そこから速い攻撃につなげるというところです。それが前半はなかなかできていなかったので、お互いの距離を近くしてボールをしっかり動かそうということを確認し合いました。
DF 2 菊地 光将
前半の入り方が悪く、相手がそこで勢いづいてしまい自分たちのサッカーができませんでした。その中でもしっかり守備陣が耐えきって後半につなげられれば良かったのですが、ああいう形で失点してしまいました。後半は、みんなでもう1回戦おう、自分たちのサッカーをやろう、そう声を掛け合ってうまく試合に入れることができ、その結果で逆転できたと思います。
Q:移籍後初ゴールの場面を振り返って。
セットプレーの流れでそのまま残っていたら、うまくいいところにボールが来たので、点を取ることができました。(東)慶悟がうまく折り返してくれたので、僕は触るだけでした。慶悟さまさまです。
Q:次節への意気込みを。
次節のリーグ戦の間にはヤマザキナビスコカップも入って連戦になるので、コンディションを整えてしっかり勝てるように頑張っていきたいと思います。
Q:移籍後初ゴールの場面を振り返って。
セットプレーの流れでそのまま残っていたら、うまくいいところにボールが来たので、点を取ることができました。(東)慶悟がうまく折り返してくれたので、僕は触るだけでした。慶悟さまさまです。
Q:次節への意気込みを。
次節のリーグ戦の間にはヤマザキナビスコカップも入って連戦になるので、コンディションを整えてしっかり勝てるように頑張っていきたいと思います。
後半の立ち上がりもあまりよくありませんでしたが、若干ですがサイドに展開したボールを深い位置まで運べるようになってきたので、サイドからの攻撃もできるようになってきました。ただ、サイドチェンジからをクロスを上げたりといった決定的な仕事ができず、そこがなかなかチャンスを多く作れなかった要因だったと思います。上田を入れてボールが少しずつ動くようになったこと、それからセットプレーからの得点は非常に大きいものでした。
悪い試合内容でしたが、今シーズン初勝利ができて何とか勝点3を持ち帰れるということを非常にうれしく思っています。
Q:東から上田への交代の意図は?
東だけが悪かったというわけではなく、全体的にフィジカルコンディションがあまり良くなくて停滞気味だったので、とりあえず1人を代えて活性化を図りたかったということです。戦術的な意図よりも、とにかくできるだけ動ける選手をピッチに送り出したかった、ということで代えました。