明治安田生命J1リーグ 1st 第4節
2016.3.20 [SUN] 16:00
NACK
大宮
- 60' 横谷 繁
1
-
5
0
前半
2
1
後半
3
広島
- 22' ピーター ウタカ
- 39' 浅野 拓磨
- 67' 青山 敏弘
- 73' 柏 好文
- 89' 柴﨑 晃誠
試合経過
メンバー
スターティングメンバー
GK 21 塩田 仁史
DF 22 和田 拓也
DF 28 福田 俊介
DF 3 河本 裕之
DF 5 沼田 圭悟
46*'
MF 18 横山 知伸
MF 10 岩上 祐三
MF 9 ネイツ ペチュニク
46*'
MF 39 泉澤 仁
73'
FW 41 家長 昭博
FW 8 ドラガン ムルジャ
控えメンバー
GK 1 加藤 順大
DF 4 山越 康平
DF 19 奥井 諒
46*'
DF 20 大屋 翼
MF 23 金澤 慎
MF 17 横谷 繁
46*'
FW 7 江坂 任
73'
監督
渋谷 洋樹
スターティングメンバー
GK 1 林 卓人
DF 33 塩谷 司
DF 5 千葉 和彦
DF 19 佐々木 翔
MF 14 ミキッチ
68'
MF 6 青山 敏弘
MF 37 宮原 和也
MF 18 柏 好文
MF 30 柴﨑 晃誠
MF 9 ピーター ウタカ
86'
FW 10 浅野 拓磨
68'
控えメンバー
GK 13 増田 卓也
DF 4 水本 裕貴
MF 28 丸谷 拓也
MF 16 清水 航平
68'
MF 25 茶島 雄介
68'
FW 22 皆川 佑介
86'
FW 11 佐藤 寿人
監督
森保 一
試合詳細
11 | シュート | 13 |
---|---|---|
10 | GK | 8 |
4 | CK | 6 |
4 | 直接FK | 11 |
3 | 間接FK | 2 |
0 | PK | 0 |
試合データ
主審
高山 啓義
副審
木川田 博信
副審
武田 光晴
第4の審判員
秋澤 昌治
入場者数
13,452人
天候
晴、弱風
ピッチ状態
全面良芝、乾燥
気温/湿度
16.5℃/32%
横谷のJ1初得点で追い上げるも昨季王者に惨敗
開幕2連勝の後に初黒星を喫し、2勝1敗で迎えた第4節は正念場となるカードだ。相手は昨季王者の広島。敬意を表すべき相手と言って良い。ただ、敬意を表することは、恐れを抱くことではない。キックオフ前、選手が入場するとホーム側ゴール裏に「Challenger」のコレオグラフィーが浮かび上がった。ひるまずに立ち向かえと心強いメッセージを送るファン・サポーターが集うホームゲームでもある。ピッチには、その声援に応えようと戦う選手の姿があった。
ただし、試合展開は厳しかった。広島は1トップと2シャドー、そして両ウイングバックと5人の選手が高い位置にせり出し、こちらの守備網を広げて隙間を狙ってくる。最前線に位置するFW浅野は快足で、容易には最終ラインを押し上げられない。10分ほどで主導権を握られ、相手の2シャドーに攻撃の起点を作られた。和田は「千葉選手に自由に持たせ過ぎ、ウタカ選手と柴崎選手の空いている方に的確にパスを入れられた」と、ボール奪取の狙いを絞れなかった苦しさを吐露した。22分と39分にピーター ウタカ、浅野の連係に守備網を切り裂かれ、前半で0-2といきなり追い込まれた。
しかし、チャレンジャー精神は消えなかった。渋谷監督はハーフタイムで横谷と加入後初出場となる奥井を同時に投入。真っ向勝負で押し返しにかかった。横谷が中央に入り込んで右サイドバックが高い位置へ上がる、昨季の攻撃パターンだ。また、横谷が「守備では仁、ムルジャ、僕の3人で相手の3バックにプレッシャーを掛け、アキ(家長)が青山選手をケアする形で前から奪いに行った」と振り返ったように、高い位置から相手にプレッシャーを掛けた。
この効果は抜群だった。55分、河本のロングパスから家長が起点となり、後半は左に回った和田、そして泉澤とパスを回してクロスを上げると、横谷がボレー。これはゴールポストに嫌われたが、前半の戦いからは想像できなかった期待感が沸き上がる場面だった。スタンドでふくらむエネルギーがピッチに伝わるかのように攻撃は加速した。そして60分、泉澤のパスを受けた家長のクロスを横谷が押し込んで1点を返した。慌てる王者に波状攻撃を仕掛け、64分には家長が際どいシュートを放つなど同点の雰囲気がただよった。
しかし、やはり王者はスキを見逃さなかった。前掛かりの状態でカウンターをケアしようとして間延びした守備網を破られ、67分に3点目を奪われ優位を確実なものにされた。再度2点差となると、もう試合のペースを奪い返すことはできなかった。次々にカウンターを食らい、終わってみれば1-5。渋谷監督が「惨敗」と認めざるを得ない結果となった。反省点は確かに多い。横谷が「1点取った後は、もう一度引いても良かったかもしれない」と話したように、単純なプレーだけでなく試合運びの面でも課題が残った。
それでも、試合後に拍手を送るファン・サポーターが多く見受けられたのは、勇気を持って王者に真っ向勝負を挑む姿勢が伝わったからだろう。次節4月2日の磐田戦まで2週間あるが、その間にヤマザキナビスコカップが開幕する。初戦は3月23日。今日の広島戦からわずか中2日の連戦となる。疲労を考慮してフレッシュなメンバーが起用される可能性もある。惨敗のショックを振り払い、チームに新たなエネルギーを生み出す一戦にしたい。
(総評:平野貴也/写真:早草紀子)
ただし、試合展開は厳しかった。広島は1トップと2シャドー、そして両ウイングバックと5人の選手が高い位置にせり出し、こちらの守備網を広げて隙間を狙ってくる。最前線に位置するFW浅野は快足で、容易には最終ラインを押し上げられない。10分ほどで主導権を握られ、相手の2シャドーに攻撃の起点を作られた。和田は「千葉選手に自由に持たせ過ぎ、ウタカ選手と柴崎選手の空いている方に的確にパスを入れられた」と、ボール奪取の狙いを絞れなかった苦しさを吐露した。22分と39分にピーター ウタカ、浅野の連係に守備網を切り裂かれ、前半で0-2といきなり追い込まれた。
しかし、チャレンジャー精神は消えなかった。渋谷監督はハーフタイムで横谷と加入後初出場となる奥井を同時に投入。真っ向勝負で押し返しにかかった。横谷が中央に入り込んで右サイドバックが高い位置へ上がる、昨季の攻撃パターンだ。また、横谷が「守備では仁、ムルジャ、僕の3人で相手の3バックにプレッシャーを掛け、アキ(家長)が青山選手をケアする形で前から奪いに行った」と振り返ったように、高い位置から相手にプレッシャーを掛けた。
この効果は抜群だった。55分、河本のロングパスから家長が起点となり、後半は左に回った和田、そして泉澤とパスを回してクロスを上げると、横谷がボレー。これはゴールポストに嫌われたが、前半の戦いからは想像できなかった期待感が沸き上がる場面だった。スタンドでふくらむエネルギーがピッチに伝わるかのように攻撃は加速した。そして60分、泉澤のパスを受けた家長のクロスを横谷が押し込んで1点を返した。慌てる王者に波状攻撃を仕掛け、64分には家長が際どいシュートを放つなど同点の雰囲気がただよった。
しかし、やはり王者はスキを見逃さなかった。前掛かりの状態でカウンターをケアしようとして間延びした守備網を破られ、67分に3点目を奪われ優位を確実なものにされた。再度2点差となると、もう試合のペースを奪い返すことはできなかった。次々にカウンターを食らい、終わってみれば1-5。渋谷監督が「惨敗」と認めざるを得ない結果となった。反省点は確かに多い。横谷が「1点取った後は、もう一度引いても良かったかもしれない」と話したように、単純なプレーだけでなく試合運びの面でも課題が残った。
それでも、試合後に拍手を送るファン・サポーターが多く見受けられたのは、勇気を持って王者に真っ向勝負を挑む姿勢が伝わったからだろう。次節4月2日の磐田戦まで2週間あるが、その間にヤマザキナビスコカップが開幕する。初戦は3月23日。今日の広島戦からわずか中2日の連戦となる。疲労を考慮してフレッシュなメンバーが起用される可能性もある。惨敗のショックを振り払い、チームに新たなエネルギーを生み出す一戦にしたい。
(総評:平野貴也/写真:早草紀子)
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選手コメント
MF 7 江坂 任
自分が入ることでスピードあるカウンターを仕掛けられればと思っていましたが、逆に失点をしてしまい、とても悔しいです。広島は簡単にボールを失わないし、守備も非常に堅く、チームとして整っていると感じました。ヤマザキナビスコカップも始まりますし、もう一度しっかり準備をして戦いたいと思います。
MF 10 岩上 祐三
1-2になってイケイケのムードになりましたので、後半の早い時間帯でしたが、リスクを負って前に出ました。攻める姿勢は示せたと思いますし、2点目が取れれば違う展開になったはずなので非常に残念です。昨年の王者である広島とは、個々の能力も、チームの力も、まだ差があると感じましたが、シーズン序盤での対戦となったことをプラスにとらえて、しっかり練習して次は勝ちたいと思います。
MF 17 横谷 繁
前節のG大阪戦では終了間際のヘディングを決めきれずに不甲斐なかったですし、去年J2で優勝したメンバーの中で、攻撃陣では自分だけがスタメンではなくなったので、来たチャンスはモノにしないといけないと思っていました。1-2になったときに、チームとしてもう少し冷静さが必要だったかもしれませんが、勝点1ではなく勝点3を取りにチャレンジした結果なので、次に生かしていきたいです。
DF 19 奥井 諒
0-2の状況で投入されたので、流れを変えたかったです。1-2になるまでの勇気や戦い方は良かったと思いますが、次の1点がカギでしたし、3失点目が少しもったいなかったです。サイドからもっと得点に絡めるように、決定的なチャンスを演出できるようにプレーできたらと思います。
Q.バランスを崩しながらも1点を返しましたが、1点差に迫ってからはバランスを取りたかったのでしょうか。それとも、そのままいければという狙いだったのでしょうか。
バランスを取るということが、攻撃時に自由に動かないということに直結するわけではありません。しかし、前掛かりになっていたのは事実なので、もう少しコントロールしながら戦いたかったですが、選手たちにも"いける"という感覚があって前に突っ込み過ぎていたと思います。もちろん、それも伝えながらの戦いでしたが、失点場面では前線に5人くらい入ってしまった状態でボールを奪われ、そのまま運ばれてしまいました。相手陣地でもある程度はボールを持てていたので、カウンターが仕掛けられないときは、バランスを取りながらプッシュアップして、全体がコンパクトに戦わなければいけないと感じました。
Q.後半から守備の選手を含む2選手を交代した意図を教えてください。また、初出場の奥井選手、初先発の福田選手、後半から左サイドバックに入った和田選手の連係はいかがだったでしょうか。
右サイドの攻撃をスムーズにする狙いがありました。0-2だったので、まずは1点を返しつつ、失点をゼロに抑えたいと思いました。大屋選手も左サイドバックができますので、沼田選手と大屋選手を交代するという選択肢もありましたが、奥井選手の攻撃力を生かそうと考えました。和田選手は昨年も左サイドをやっていますし、和田選手が左、奥井選手が右というのは練習でもやっています。奥井選手は初出場ですが、練習試合でも調子が良かったので、どこかで起用するチャンスがあればと考えていました。残念ながら0-2という状況での出場となり、サポートが少なかったことなどもあって少し戸惑いがあったかもしれませんが、自分の仕事はしっかりとやってくれたと思います。ただ、前に行ってから守備に戻ってこなければいけなかったため、守備のバランスに関しては少し課題があると感じましたが、試合を重ねていけば良くなっていくと思います。
Q.完敗という結果を受けて、すぐに修正が必要な点はありますか?
すべてにおいてレベルアップが必要だと思います。守備では、4-4-2システムでのブロックがしっかり作れていると言われていますが、私としては修正点があると感じていましたので、まずはそこに取り組みたいです。また、全体的にラインが少し下がり過ぎてしまっているので、全体をもう少し高くして戦いたいです。今日は引かざるを得ない相手だったかもしれませんが、常に引いた状態ではなかなか難しいので、もう少し高い位置で守備をしたいと思います。攻撃ではバランスを少し崩してしまっています。選手がここにいれば、ボールがこう展開できるということがあまりできていません。もちろん映像で見せたり、練習で取り組んだりもしていますが、もう少しそれがスムーズになれば攻撃時に色々なアイデアを発揮したり、パワーを掛けたりできると思います。
ここまでリーグ戦を4試合戦いましたが、ボールを奪いに行くときの厳しさなど、選手たちは体感しています。思い返している選手もいますし、初めて経験している選手もいると思いますが、1-5という悔しさを絶対に忘れないように、今後の試合に向かっていきたいと思います。この4試合で昨年4位までの3チームと対戦し、パススピードやプレーのパワーを何パーセントも上げなければいけないと分かりましたし、守備の強度を上げつつ一体感を持って連動するという点は、より高めていきたいと思います。パワーを持って試合に出たいという選手はたくさんいますので、ヤマザキナビスコカップ2試合を生かしてチームとしてレベルアップしながら、次のリーグ戦に向かいたいと思います。ただ以前にもお話したように、ヤマザキナビスコカップでは2005年に一度ベスト8に入って以来、我々はすべて予選敗退しており、今年は決勝トーナメント進出を目指していますので、3日後のこの会場での試合に照準を合わせていきたいと思います。