明治安田生命J1リーグ 1st 第11節
2016.5.8 [SUN] 16:00
NACK
大宮
0
-
1
0
前半
1
0
後半
0
浦和
- 44' 柏木 陽介
試合経過
メンバー
スターティングメンバー
GK 1 加藤 順大
DF 19 奥井 諒
DF 2 菊地 光将
DF 3 河本 裕之
DF 22 和田 拓也
MF 23 金澤 慎
MF 10 岩上 祐三
MF 17 横谷 繁
80'
MF 39 泉澤 仁
62'
FW 41 家長 昭博
FW 7 江坂 任
73'
控えメンバー
GK 21 塩田 仁史
DF 4 山越 康平
DF 5 沼田 圭悟
MF 18 横山 知伸
MF 16 マテウス
80'
FW 8 ドラガン ムルジャ
62'
FW 9 ネイツ ペチュニク
73'
監督
渋谷 洋樹
スターティングメンバー
GK 1 西川 周作
DF 46 森脇 良太
DF 6 遠藤 航
DF 5 槙野 智章
MF 24 関根 貴大
MF 10 柏木 陽介
MF 22 阿部 勇樹
MF 3 宇賀神 友弥
73'
MF 20 李 忠成
MF 9 武藤 雄樹
75'
FW 30 興梠 慎三
84'
控えメンバー
GK 15 大谷 幸輝
DF 4 那須 大亮
MF 7 梅崎 司
73'
MF 16 青木 拓矢
84'
MF 18 駒井 善成
MF 33 橋本 和
FW 21 ズラタン
75'
監督
ペトロヴィッチ
試合詳細
2 | シュート | 8 |
---|---|---|
11 | GK | 5 |
3 | CK | 7 |
11 | 直接FK | 20 |
2 | 間接FK | 2 |
0 | PK | 0 |
試合データ
主審
山本 雄大
副審
前之園 晴廣
副審
武田 光晴
第4の審判員
河合 英治
入場者数
13,880人
天候
晴、弱風
ピッチ状態
全面良芝、乾燥
気温/湿度
24.4℃/42%
J1復帰後初のさいたまダービーは0−1で惜敗
誰もが知っている。さいたまダービーが特別な一戦であることを。誰もが知っている。さいたまダービーの結果を予測する上で、今の順位は何の意味もなさないことを。そして、誰もが心から感じている。さいたまダービーがあることの幸せを――。
NACK5スタジアム大宮には、同会場で歴代最多となる13,880人のファン・サポーターが訪れた。2年ぶりに訪れた国内屈指のダービーに、誰もが気持ちを高ぶらせた。リーグ戦での対戦成績はアルディージャの8勝5分11敗。しかし、アルディージャはこれまで何度も下馬評を覆してきたことを忘れてはならない。
上位で戦い続けることを目指す上で、首位・浦和との対戦は、この先の戦いを左右する重要な一戦である。試合前には、ゴール裏にコレオグラフィで“大宮"の二文字が掲げられた。大宮のプライド、J1で戦うことのプライド、すべてのプライドを懸けた一戦が16時4分、浦和のキックオフで幕を開けた。
守備の狙いは明確だった。浦和は攻撃力のある選手を前線に5人並べ、最終ラインまで降りてきた阿部が精度の高いボールを配給。それに対して前線からプレッシャーを掛け、高い位置からボールを奪いにいった。キーマンになったのが、FWの江坂だ。「相手は最終ラインの3枚の脇に阿部選手が降りてボールを回してくる。そこを自分たちがチェイスして、バランスが崩れたところをカウンターというのが狙いだった。その狙いはうまくできたと思う」。
また、「11人全員で攻撃も守備もできていた」と振り返ったのはDF菊地。「(江坂)任を中心に前からパスコースを制限してくれた。それによって、自分たちも前向きでボールを奪うことができたし、いい形でカウンターもできていた。ラインもずるずると下がらず、高く保つことができた」と手応えを振り返っている。
実際、前半は最初の3分の1を過ぎたころからカウンターが徐々に機能し始めた。21分のカウンターの場面では、左サイドの家長が右サイドに大きく展開。それを受けた江坂がゴール前に切り込んだが、シュートは相手DFにはじかれた。さらに2分後には前半最大のビッグチャンスが訪れる。左後方からのパスを横谷が外に開きながらダイレクトで折り返すと、走り込んできた家長が狙い澄ましてシュート。しかし、ボールは左ポストを直撃した。
その後もチャンスはあった。しかし44分、浦和に先制点を奪われる。相手のクイックリスタートから守備が崩れたところを、柏木に豪快にけり込まれた。アルディージャにとっては、前半終了間際の痛恨の失点だった。
結果的にこの1点が最後まで重くのしかかった。0−0で前半を終えていれば、違ったゲームプランがあったかもしれない。しかし、後半に入っても浦和にボールを支配され、なかなか攻撃に転じることができなかった。
ベンチも動いた。62分、泉澤に代わってムルジャがピッチイン。それまで2トップの一角を担っていた江坂が左サイドに入った。さらに73分にはペチュニクを投入。カウンターの応酬が続いたが、ボールを奪っても相手に数的優位を作られてなかなか前に運べない。
それでも、浦和のカウンターは体を張って防いだ。81分には相手のミドルシュートがDFに当たって角度が変わったが、GK加藤順が抜群の反応でボールを外にかき出している。80分、横谷に代えてマテウスを投入し、攻撃の厚みを増した。しかし、後半のシュートは0本。最後までゴールネットを揺らすことができないまま試合を終えた。
「負けられない戦いで負けてしまい、悔しいの一言です。日本最高のダービーで、勝つことを意識して戦った。ビルドアップからの攻撃が物足りなかったのは私の責任。悔しさが残るゲームになったので、しっかり準備して次の仙台戦に臨みたい」
試合後、渋谷監督はこう話し、悔しさをにじませた。選手も同様の反応を見せている。古巣とのダービーを初めて経験したGK加藤順も「全体的なレベルアップが必要。今日の悔しかった思いを、次の仙台戦にぶつけたい」と話した。
プライドを懸けた一戦は、0−1で幕を閉じた。2ndステージでのさいたまダービーは7月17日、舞台は埼玉スタジアム2002だ。この2カ月でしっかりとレベルアップし、リベンジの時を迎えたい。
(総評:岩本勝暁/写真:早草紀子)
NACK5スタジアム大宮には、同会場で歴代最多となる13,880人のファン・サポーターが訪れた。2年ぶりに訪れた国内屈指のダービーに、誰もが気持ちを高ぶらせた。リーグ戦での対戦成績はアルディージャの8勝5分11敗。しかし、アルディージャはこれまで何度も下馬評を覆してきたことを忘れてはならない。
上位で戦い続けることを目指す上で、首位・浦和との対戦は、この先の戦いを左右する重要な一戦である。試合前には、ゴール裏にコレオグラフィで“大宮"の二文字が掲げられた。大宮のプライド、J1で戦うことのプライド、すべてのプライドを懸けた一戦が16時4分、浦和のキックオフで幕を開けた。
守備の狙いは明確だった。浦和は攻撃力のある選手を前線に5人並べ、最終ラインまで降りてきた阿部が精度の高いボールを配給。それに対して前線からプレッシャーを掛け、高い位置からボールを奪いにいった。キーマンになったのが、FWの江坂だ。「相手は最終ラインの3枚の脇に阿部選手が降りてボールを回してくる。そこを自分たちがチェイスして、バランスが崩れたところをカウンターというのが狙いだった。その狙いはうまくできたと思う」。
また、「11人全員で攻撃も守備もできていた」と振り返ったのはDF菊地。「(江坂)任を中心に前からパスコースを制限してくれた。それによって、自分たちも前向きでボールを奪うことができたし、いい形でカウンターもできていた。ラインもずるずると下がらず、高く保つことができた」と手応えを振り返っている。
実際、前半は最初の3分の1を過ぎたころからカウンターが徐々に機能し始めた。21分のカウンターの場面では、左サイドの家長が右サイドに大きく展開。それを受けた江坂がゴール前に切り込んだが、シュートは相手DFにはじかれた。さらに2分後には前半最大のビッグチャンスが訪れる。左後方からのパスを横谷が外に開きながらダイレクトで折り返すと、走り込んできた家長が狙い澄ましてシュート。しかし、ボールは左ポストを直撃した。
その後もチャンスはあった。しかし44分、浦和に先制点を奪われる。相手のクイックリスタートから守備が崩れたところを、柏木に豪快にけり込まれた。アルディージャにとっては、前半終了間際の痛恨の失点だった。
結果的にこの1点が最後まで重くのしかかった。0−0で前半を終えていれば、違ったゲームプランがあったかもしれない。しかし、後半に入っても浦和にボールを支配され、なかなか攻撃に転じることができなかった。
ベンチも動いた。62分、泉澤に代わってムルジャがピッチイン。それまで2トップの一角を担っていた江坂が左サイドに入った。さらに73分にはペチュニクを投入。カウンターの応酬が続いたが、ボールを奪っても相手に数的優位を作られてなかなか前に運べない。
それでも、浦和のカウンターは体を張って防いだ。81分には相手のミドルシュートがDFに当たって角度が変わったが、GK加藤順が抜群の反応でボールを外にかき出している。80分、横谷に代えてマテウスを投入し、攻撃の厚みを増した。しかし、後半のシュートは0本。最後までゴールネットを揺らすことができないまま試合を終えた。
「負けられない戦いで負けてしまい、悔しいの一言です。日本最高のダービーで、勝つことを意識して戦った。ビルドアップからの攻撃が物足りなかったのは私の責任。悔しさが残るゲームになったので、しっかり準備して次の仙台戦に臨みたい」
試合後、渋谷監督はこう話し、悔しさをにじませた。選手も同様の反応を見せている。古巣とのダービーを初めて経験したGK加藤順も「全体的なレベルアップが必要。今日の悔しかった思いを、次の仙台戦にぶつけたい」と話した。
プライドを懸けた一戦は、0−1で幕を閉じた。2ndステージでのさいたまダービーは7月17日、舞台は埼玉スタジアム2002だ。この2カ月でしっかりとレベルアップし、リベンジの時を迎えたい。
(総評:岩本勝暁/写真:早草紀子)
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選手コメント
GK 1 加藤 順大
ダービーだし絶対に勝ちたかったです。とても悔しいです。相手がどんなサッカーをしてくるかは分かっていましたが、やられてはいけない時間帯に失点したことが響きました。その点はみんなが意識してプレーしていたとは思いますが、自分がもっと声を掛ければ良かったです。
本当に悔しいですが、切り替えて次の仙台戦で勝点3が取れるように、また、アウェイのダービーでは絶対に勝てるように取り組んでいきたいと思います。
本当に悔しいですが、切り替えて次の仙台戦で勝点3が取れるように、また、アウェイのダービーでは絶対に勝てるように取り組んでいきたいと思います。
MF 7 江坂 任
アキさんとアグレッシブにプレスを掛けることで相手のミスも誘えていたし、カウンターから良いシーンを作ることもできていました。ただ、最後の精度に課題があったと思いますし、自分自身もそこを突き詰めていきたいと思います。大勢の方に応援してもらったダービーで結果を残せず申し訳ないです。次の試合で勝点3を取れるように切り替えてやっていきたいと思います。
MF 10 岩上 祐三
あれだけ良い雰囲気を作ってくれたので、本当に申し訳なく思います。監督も自分に先発のチャンスをくれたし、ファン・サポーターの皆さんもたくさん応援してくれていたのに、自分のプレーが失点につながってしまいました。大事な時間帯でしたし、もっと集中すべきだったと悔やまれます。期待に応えることができず、今日はただただ申し訳ないの一言です。
MF 23 金澤 慎
久しぶりのダービーでしたが、ホームでしたし本当に勝ちたかったです。良いシーンもありましたが、決定機を多く作ることはできなかったし、自分たちはまだまだだと思いました。
浦和を相手に受け身になるようなことはなかった点は良かったですが、ファン・サポーターの皆さんに勝点3をプレゼントできずに申し訳なく思います。悔しいですが試合は続きますので、切り替えて次の試合に向けてトレーニングしていきたいと思います。引き続き応援よろしくお願いします。
浦和を相手に受け身になるようなことはなかった点は良かったですが、ファン・サポーターの皆さんに勝点3をプレゼントできずに申し訳なく思います。悔しいですが試合は続きますので、切り替えて次の試合に向けてトレーニングしていきたいと思います。引き続き応援よろしくお願いします。
ゲーム内容としては、本当に最後のところで選手がハードワークしてくれました。ビルドアップからの攻撃が物足りなかったのは、選手ではなくて私自身の責任です。今日の0-1という結果、シュートを決め切れない、得点が取れない、シュートも2本だけで終わっているなどいうのは、私の責任です。そういった部分を選手とともにレベルアップできるようにトレーニングしていきたいですし、選手も普段からしっかりと取り組んでくれていますので、今後は必ずやいいゲームができるようにしていきたいと、あらためて感じました。
私は指導者ライセンスを取得する際に1週間、ミシャさん(ミハイロ・ペトロヴィッチ監督)に研修していただきましたが、自分のサッカーのイメージをしっかりと持った上で、それを選手たちに伝えている方だと感じましたし、私にも通ずる部分があると思っていました。そのミシャさん率いる浦和さんとの対戦は本当にうれしかったですし、心から良いゲームをしたいと思っていました。今日は残念ながら負けてしまい、悔しさが残るゲームでしたので、来週1週間また良い準備をして次の仙台戦、その次のヤマザキナビスコカップ、そしてその次のリーグ戦と、しっかりと勝てるように頑張っていきたいと思います。
Q.前半にチャンスを決め切れなかったり、後半は惜しいところでシュートまでいけなかったりした場面がありましたが、今日の試合で一番悔やまれるのは何でしょうか。
すべてです。
Q.選手たちはプラン通りによく戦っていただけに、悔しさを感じるのだと思います。今日の試合で手応えを感じたのはどんな点でしょうか。
浦和さんの対策は昨日だけしかやっていない中で、選手たちは頭を使って本当によく守備をしてくれましたし、カウンターでは相手よりも1歩、2歩速く走ってチャンスを作ってくれました。浦和さんはリスクを負って攻めてくるのでチャンスがあると思っていましたが、鹿島戦でもそうだったように、そのチャンスを決め切れるようなトレーニングを十分にできていなかったことに悔しさを感じますし、そこの部分のレベルが高ければ勝利につながったと思います。
また、後半に0-1のまま時計の針が進んでいても、相手を見ながらスペースを使って攻撃をしたり、ボールを動かしたりということを、交代選手を含めてもっと徹底することができれば、もう少し違う形のシュートシーンができたと思います。もちろん疲弊の影響もありますが、終盤はロングボールのセカンドボールを狙う形になり、試合がオープン過ぎるほどオープンになってしまったので、もう少しできたのではないかという気持ちが悔しさとして残ります。戦う気持ちを持っているのは当たり前として、戦術的にどうやってボールを動かしていくのかを、負けていても冷静にプレーできるかどうかが重要ですし、ゴールを狙いながら相手にチャンスを与えないリスクマネジメントをすることが大事だと、あらためて感じました。当然、最後はパワープレーという選択肢もありますが、私としてはもっとできたのではないかという悔しさがあります。一方で選手たちには、ダービーで負けることの悔しさを忘れないでほしいと思います。