Jリーグヤマザキナビスコカップ グループステージ Aグループ 第5節
2016.5.18 [WED] 19:00
NACK
大宮
- 25' 大山 啓輔
1
-
0
1
前半
0
0
後半
0
磐田
試合経過
メンバー
スターティングメンバー
GK 21 塩田 仁史
DF 19 奥井 諒
57'
DF 4 山越 康平
DF 25 高山 和真
DF 20 大屋 翼
MF 15 大山 啓輔
MF 18 横山 知伸
MF 16 マテウス
90'
MF 39 泉澤 仁
78'
FW 7 江坂 任
FW 9 ネイツ ペチュニク
控えメンバー
GK 50 松井 謙弥
DF 22 和田 拓也
57'
DF 28 福田 俊介
MF 5 沼田 圭悟
78'
MF 26 小島 幹敏
90'
FW 8 ドラガン ムルジャ
FW 29 川田 拳登
監督
渋谷 洋樹
スターティングメンバー
GK 1 八田 直樹
DF 3 大井 健太郎
61'
DF 14 高木 和道
DF 33 藤田 義明
DF 24 小川 大貴
MF 30 上原 力也
MF 7 上田 康太
MF 19 岡田 隆
46*'
MF 11 松浦 拓弥
MF 17 清水 貴文
77'
FW 16 齊藤 和樹
控えメンバー
GK 36 奥田 達朗
DF 28 石田 崚真
46*'
MF 9 太田 吉彰
77'
MF 13 宮崎 智彦
MF 15 アダイウトン
61'
MF 23 山本 康裕
FW 34 中村 祐輝
監督
名波 浩
試合詳細
5 | シュート | 7 |
---|---|---|
12 | GK | 5 |
2 | CK | 7 |
13 | 直接FK | 4 |
1 | 間接FK | 3 |
0 | PK | 0 |
試合データ
主審
荒木 友輔
副審
中野 卓
副審
間島 宗一
第4の審判員
大友 一平
入場者数
5,985人
天候
晴、弱風
ピッチ状態
全面良芝、乾燥
気温/湿度
23.2℃/40%
大山の初ゴールでグループステージ突破に大きく前進
リーグ戦とカップ戦、2大会が同時に行われることで連戦が組まれる。選手にとってはタフな日程だが、どちらも上位となると、見ている方は楽しくて仕方がない。3日前にアウェイで仙台を破った明治安田生命J1 1stステージは第12節を終えて4位。そして、グループステージ第5節を迎えたヤマザキナビスコカップはAグループの首位に立っている。相手は昨シーズンJ2で2度、今シーズンも1stステージ第5節で引分けている因縁の相手、ジュビロ磐田。勝てばノックアウトステージ進出の可能性が大きく広がる。
試合は、的確なパス回しでペースを奪う展開でスタートした。前半は、ほぼ完ぺきだった。磐田の好機をカウンターとセットプレーだけに抑え、相手のシュートはゼロ。パスワークで圧倒した。12分、泉澤のクロスをペチュニクが競り、こぼれ球を拾った江坂がシュート。決定機だったがゴール右に外れた。15分にはカウンターを仕掛けられたが、山越が1対1で完全に抑え込んだ。
そして25分、大山からパスを受けた右サイドハーフのマテウスが、外に開いた奥井とのパス交換で縦へ抜け出すと、腰のキレを生かした鋭いターンで相手をかわす。「相手のウイングバックの裏を狙おうと言っていたので、奥井との連係は狙い通り。あのターンは僕の一番の持ち味。ピッチで発揮しないといけないと強く意識してできた」と話したマテウスのパスに、フリーで走り込んだ大山が左足でシュート。相手GKの頭上を射抜き、先制点を決めた。
大山は昨シーズン、JリーグU-22選抜の一員としてJ3でプロ初ゴールは決めていたが、やはりジュニアからアルディージャ一筋で育った男にとって、オレンジのユニフォームで決めた一撃は格別。「やっとファン・サポーターの皆さんの前で取れてうれしかった。期待の声を掛けてもらってもなかなか勝利に貢献できなくて、もどかしい時期があったけど吹っ切れた」と笑顔を見せた。
ところが、圧倒的に優位だった前半に追加点を奪えなかったことが後半に響いた。前線からのプレスを強めた磐田に、あっという間に試合のペースを奪われた。55分にはGK塩田がクロスをパンチングで弾いたボールを、かつて大宮でプレーしたMF上田に狙われたが、大山がブロックしたシュートが塩田の下に流れる幸運に救われた。
磐田はコンタクトプレーに強いアダイウトンを最前線に投入し、クロスからチャンスメーク。苦しい展開となったが、GK塩田が存在感を発揮した。「センターバックが釣り出されずに真ん中に残り、ボランチのプレスバックで対応するようにした」と、危険なプレーヤーへの対処法を徹底的に指示。山越、高山という若い2人のセンターバックも必死に対応して1-0で逃げ切り、無失点勝利に貢献した。終盤にはMF小島が公式戦デビュー。大会を通じた若い力の台頭は、とどまるところを知らない。
グループステージ第1節の名古屋戦以来、約2カ月ぶりとなるホームでの勝利で首位キープに成功。5月25日の第6節は試合がないが、他の試合の結果によっては最終節を待たずにグループステージ突破が決まる。しかし、今は次の試合に気持ちを切り替えなければならない。中2日でリーグ戦の1stステージ第13節、アウェイでの鳥栖戦だ。
(総評:平野貴也/写真:早草紀子)
試合は、的確なパス回しでペースを奪う展開でスタートした。前半は、ほぼ完ぺきだった。磐田の好機をカウンターとセットプレーだけに抑え、相手のシュートはゼロ。パスワークで圧倒した。12分、泉澤のクロスをペチュニクが競り、こぼれ球を拾った江坂がシュート。決定機だったがゴール右に外れた。15分にはカウンターを仕掛けられたが、山越が1対1で完全に抑え込んだ。
そして25分、大山からパスを受けた右サイドハーフのマテウスが、外に開いた奥井とのパス交換で縦へ抜け出すと、腰のキレを生かした鋭いターンで相手をかわす。「相手のウイングバックの裏を狙おうと言っていたので、奥井との連係は狙い通り。あのターンは僕の一番の持ち味。ピッチで発揮しないといけないと強く意識してできた」と話したマテウスのパスに、フリーで走り込んだ大山が左足でシュート。相手GKの頭上を射抜き、先制点を決めた。
大山は昨シーズン、JリーグU-22選抜の一員としてJ3でプロ初ゴールは決めていたが、やはりジュニアからアルディージャ一筋で育った男にとって、オレンジのユニフォームで決めた一撃は格別。「やっとファン・サポーターの皆さんの前で取れてうれしかった。期待の声を掛けてもらってもなかなか勝利に貢献できなくて、もどかしい時期があったけど吹っ切れた」と笑顔を見せた。
ところが、圧倒的に優位だった前半に追加点を奪えなかったことが後半に響いた。前線からのプレスを強めた磐田に、あっという間に試合のペースを奪われた。55分にはGK塩田がクロスをパンチングで弾いたボールを、かつて大宮でプレーしたMF上田に狙われたが、大山がブロックしたシュートが塩田の下に流れる幸運に救われた。
磐田はコンタクトプレーに強いアダイウトンを最前線に投入し、クロスからチャンスメーク。苦しい展開となったが、GK塩田が存在感を発揮した。「センターバックが釣り出されずに真ん中に残り、ボランチのプレスバックで対応するようにした」と、危険なプレーヤーへの対処法を徹底的に指示。山越、高山という若い2人のセンターバックも必死に対応して1-0で逃げ切り、無失点勝利に貢献した。終盤にはMF小島が公式戦デビュー。大会を通じた若い力の台頭は、とどまるところを知らない。
グループステージ第1節の名古屋戦以来、約2カ月ぶりとなるホームでの勝利で首位キープに成功。5月25日の第6節は試合がないが、他の試合の結果によっては最終節を待たずにグループステージ突破が決まる。しかし、今は次の試合に気持ちを切り替えなければならない。中2日でリーグ戦の1stステージ第13節、アウェイでの鳥栖戦だ。
(総評:平野貴也/写真:早草紀子)
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選手コメント
MF 9 ネイツ ペチュニク
いい形で試合に入れたと思います。3つ、4つの決定機を作れていたし、迫力のある攻撃ができていたので、前半だけでも勝利に値する内容だったと思います。リードしていたこともあって後半は少し引いてしまい、相手にイニシアチブを持っていかれた部分もありましたが、全員で良い守備をすることができました。今日は勝利を手に入れることができ、皆さんの声援に心から感謝します。
MF 15 大山 啓輔
初ゴールまで長かったですが、NACKで決めることができて本当にうれしいです。チャンスをもらってもつかみきることができず苦しい時期もありましたが、1つ乗り越えられたと思います。ただ、今日は相手に押し込まれた時間もあったので、そのあたりは課題かと思います。リーグ戦もカップ戦も好調なので、自分もチームの一員として貢献できるように、また明日の練習からアピールしていきたいです。
GK 21 塩田 仁史
内容も伴った良いゲームだったと思います。若い選手たちが本当に頑張ってくれました。ハーフタイムに"今日は勝つことが大事だ"という話をしたのですが、それにハードワークで応えてくれました。彼らをたたえてあげてほしいですし、ベテランの選手たちでサポートすることができて良かったです。最終節で鹿島に勝ってグループステージ突破を決めたいですし、タイトルに近づいていきたいと思います。誰が出ても良いプレーができているので、これからもしっかりと戦っていきたいです。
DF 25 高山 和真
後半は守る展開になってしまいました。自分がもっとラインを押し上げることができれば違ったと思うので課題が残りました。NACKでの初スタメンということで、昨日の夜はよく寝られたのに、ウォーミングアップをしていたら緊張してきて、最初は息があがってしまいました。
そのような中でファン・サポーターの皆さんの応援の声にすごく励まされましたし、力になりました。良い雰囲気で戦えているので、アカデミー出身の自分たちも力になれるように取り組んでいきたいと思います。
そのような中でファン・サポーターの皆さんの応援の声にすごく励まされましたし、力になりました。良い雰囲気で戦えているので、アカデミー出身の自分たちも力になれるように取り組んでいきたいと思います。
試合内容については、前半は相手にとって非常に嫌な形でボールを動かすことができました。ボランチを経由したり、前線で収めたり、そしてサイドから攻撃したりと、アグレッシブに攻撃できていたと思います。ただ、アグレッシブ過ぎて速く攻撃してボールを失う展開を繰り返していたので、ゲームコントロールの部分は難しかったと思いますが、逆に言えば2点目、3点目を取り切れる力を付けなければいけないと感じました。アダイウトン選手が出てきたことで、後半は守備にパワーを掛けることになりましたが、最終ラインを下げずに戦ってくれました。選手たちが普段からしっかりとトレーニングしてくれている証しですし、あらためて塩田選手のすごさが感じられた試合でした。
前線の選手を含めて、1つのボールに対して全員が守備の意識を高く持ってくれたと思います。最終的には1-0という非常に堅いゲームになり、皆さんから“堅守"と言われることについては個人的に思うところはありますが、とにかく失点をゼロで抑えて勝つことができました。仙台戦、今日と、連勝することができたことは非常に大きいですし、土曜日の鳥栖戦は総力戦で臨み、しっかりと勝って帰ってきたいと思います。2日間しかありませんが、しっかりと準備して次の試合に臨みたいと思います。
Q.メンバーを代えながら勝てていることの効果と、今日のメンバーを選んだ狙いを教えてください。
まずは勝利できたことが何よりの効果です。今は選手たちが同じくらいのレベルで戦ってくれています。良い選手が11人以上いますし、18人の登録メンバーを含めて選手選考では、“選ぶ作業"ではなく“落とす作業"をしている状況です。普段からトレーニングで取り組んでいるイメージ通りの攻撃の形や、しっかりとした守備でのハードワークができています。今日の試合でも、全員が同じイメージを持ってプレーしてくれたことが非常に良かった点です。J1の舞台でも最低限引分けられるというのは、私が求めていることを選手たちが普段から取り組んでくれているからですし、誰が抜けても、誰が入っても同じように戦えるという点で手応えを感じます。
今年は各ポジションで2人ずつくらいの選手が、しっかりと戦える状態にできるようにという意識でいます。やはり公式戦でないと選手の力を見ることは難しいものですが、昨シーズンはリーグ戦が続いていましたし、勝利していたのでメンバーを代えづらい状況でした。しかし、今年は過密日程の中でヤマザキナビスコカップがあり、色々な選手にチャンスを与えることができました。これはチームとして今後の戦いにつながりますし、選手たちは公式戦のために日々の練習試合やトレーニングに打ち込むことができています。選手たちも自分のプレーが公式戦でどれくらいできたかが分かりますから、自分自身をしっかりと計って自分を見つめ直してほしいという思いもあります。先日の仙台戦、今日の磐田戦とメンバーを代えながら戦いましたので、次の鳥栖戦はこの2試合を見てメンバーを決めたいと思います。
Q.1ヶ月前の湘南戦からの成長という点で、センターバックの2選手はどうだったでしょうか。
私自身、彼らがどういうプレーを見せてくれるかと考えていました。山越選手はリーグ戦でも少しプレーし、ヤマザキナビスコカップではフル出場していたので、ある程度は安定したパフォーマンスをしてくれると思っていました。高山選手は湘南戦以来の出場でしたが、彼の一番の特長であるビルドアップでは、しっかりとボールを動かしてくれていました。後半にすごくパワーとスピードのあるアダイウトン選手が出てきてからは、彼に対してどれくらいできるかという点を見ていました。全員がアダイウトン選手を抑えるためにコンパクトに戦ってくれた中、高山選手は最終ラインで非常に落ち着いてプレーしてくれていました。これを1つのスタートとして彼も頑張ってもらいたいですし、山越選手もそうですが湘南戦がどうだったのか、今日がどうだったのかと、自分自身を計ってもらえればと思います。後ろで塩田選手がコントロールしてくれた部分もあると思いますが、2人でしっかりと話し合いながら、ラインを下げずに戦ってくれた点は良かったです。