明治安田生命J1リーグ 2nd 第7節
2016.8.6 [SAT] 19:00
NACK
大宮
- 69' 家長 昭博
1
-
0
0
前半
0
1
後半
0
福岡
試合経過
メンバー
スターティングメンバー
GK 21 塩田 仁史
DF 13 渡部 大輔
DF 2 菊地 光将
DF 3 河本 裕之
DF 20 大屋 翼
MF 23 金澤 慎
MF 17 横谷 繁
MF 16 マテウス
69'
MF 39 泉澤 仁
FW 7 江坂 任
90+2'
FW 41 家長 昭博
82'
控えメンバー
GK 1 加藤 順大
DF 4 山越 康平
DF 22 和田 拓也
82'
MF 15 大山 啓輔
MF 18 横山 知伸
90+2'
FW 8 ドラガン ムルジャ
69'
FW 9 ネイツ ペチュニク
監督
渋谷 洋樹
スターティングメンバー
GK 1 神山 竜一
DF 20 キム ヒョヌン
DF 2 濱田 水輝
DF 5 實藤 友紀
DF 24 駒野 友一
MF 15 末吉 隼也
66'
MF 4 三門 雄大
MF 10 城後 寿
74'
FW 13 為田 大貴
FW 7 金森 健志
FW 11 坂田 大輔
68'
控えメンバー
GK 23 イ ボムヨン
DF 19 堤 俊輔
DF 21 冨安 健洋
66'
DF 22 中村 北斗
MF 16 三島 勇太
FW 14 平井 将生
74'
FW 17 ウェリントン
68'
監督
井原 正巳
試合詳細
12 | シュート | 9 |
---|---|---|
6 | GK | 11 |
3 | CK | 9 |
9 | 直接FK | 11 |
2 | 間接FK | 1 |
0 | PK | 0 |
試合データ
主審
井上 知大
副審
木川田 博信
副審
武田 光晴
第4の審判員
関谷 宣貴
入場者数
10,106人
天候
晴、弱風
ピッチ状態
全面良芝、乾燥
気温/湿度
32.2℃/61%
エース家長の一発と全員のハードワークで、6試合ぶりの勝利をつかむ
明治安田生命J1リーグ 2ndステージ第7節は、アビスパ福岡に競り勝ち6試合ぶりの勝利となった。試合後、ファン・サポーターと選手たちが一体となって体を揺らす中、スタジアムに鳴り響いた歓喜の歌声が、待ち焦がれた"ホームでの1勝"の大きな意味を物語っていたように思う。
序盤から試合の主導権を握ったのはアルディージャだった。最終ラインから正確にパスを回し、ケガを乗り越えて2ndステージ初先発を果たした家長が、独特のリズムでボールを落ち着かせる。金澤が効果的にパスを散らすと、両サイドのマテウスと泉澤が思い切りの良い仕掛けを見せた。前半10分までに両選手がカットインから放ったシュートは、ゴールに対する強い意欲の表われだった。
最初に歓声が沸いたのは13分。右サイドのマテウスがゴール前へ送ったグラウンダークロスに、家長がスライディングで飛び込んだシーンだ。だが、ゴール前にブロックを築いて守り、カウンターに懸ける相手の守備を崩すことができず、何度か危ない場面を作られてしまう。
それでも先制点は許さない。守備陣を引き締めたのは、「(3月20日の広島戦以来)久々に試合に出る自分の思いというよりも、とにかく勝点3を奪うという強い気持ちで臨みました」という塩田と、4試合ぶりにケガから復帰したキャプテンの菊地だ。19分、右サイドを強引に突破したマテウスがGK神山のニアサイドを突いたシュートはゴールに結びつかなかったが、その後もポゼッション率で相手を上回りながら試合を進めた。
スコアレスで折り返した後半、さらにギアを上げてゴールに迫る。48分、大屋のアーリークロスに合わせたのは江坂。得意のヘッドでとらえたが、ボールはGKの正面を突いた。その後も両サイドバックの渡部と大屋が高いポジションを取って起点を作り、ボランチの横谷はタイミングを計った中央突破でチャンスをうかがった。
58分には渡部とのロングワンツーで一気に左サイドを突いた家長のクロスに合わせた泉澤が右足ボレーを、63分には横谷がエリア外から積極的にミドルシュートを放つが、どちらも枠をとらえることができなかった。圧倒的に攻めながら、なかなかチャンスをものにできない――。そんな嫌な流れを断ち切ったのは、やはり頼れるエースだった。
69分、横谷のCKのこぼれ球を逃さず左足を一振。「いいところにこぼれてきたので運が良かった。押し込むだけでよかった」と本人は謙遜したが、豪快なジャンピングボレーでゴールネットを揺さぶった。待望の先制点を目の前で見届けたサポーターが喜びを爆発させると、会場のボルテージは最高潮に達した。
リードを奪ったアルディージャは、その勢いを持続してゴールを目指した。先制3分後には、左サイドでマーカーを振り切った泉澤が強烈な一撃で追加点まであと一歩に迫る。福岡がウェリントン、平井と攻撃のカードを切る中、選手たちは集中を切らすことなく戦い続けた。塩田が懸命のセーブで何度もゴールを守り、菊地と河本が体を張ったディフェンスでピンチを防いだ。
交代出場の選手たちも、それぞれきちんと仕事を果たした。ムルジャは縦への推進力を発揮し、和田は正確なテクニックでボールをキープし、横山はウェリントンの動きを封じ込めた。そして4分のアディショナルタイムが過ぎ、歓喜の瞬間が訪れた。
「スタメンもサブも関係なく、選手全員が同じ気持ちで戦うこと。そういう一体感は、本来どんなチームでも持っているべきもの。実際にはそういかないことの方が多いですが、僕たちにはその一体感がある。昨年1年間J2を戦い抜いたことで培った、アルディージャの持ち味であるチーム一丸となる強さを、苦しいときだからこそ発揮したい」
苦しみながらも手に入れた今季リーグ戦ホーム3勝目は、試合前に渡部が語った言葉がしっかりと形になったものだ。「勝つために全員でハードワークしよう」というハーフタイムの渋谷監督の指示をも体現した、実にアルディージャらしい勝利だった。
(総評:粕川哲男/写真:早草紀子)
序盤から試合の主導権を握ったのはアルディージャだった。最終ラインから正確にパスを回し、ケガを乗り越えて2ndステージ初先発を果たした家長が、独特のリズムでボールを落ち着かせる。金澤が効果的にパスを散らすと、両サイドのマテウスと泉澤が思い切りの良い仕掛けを見せた。前半10分までに両選手がカットインから放ったシュートは、ゴールに対する強い意欲の表われだった。
最初に歓声が沸いたのは13分。右サイドのマテウスがゴール前へ送ったグラウンダークロスに、家長がスライディングで飛び込んだシーンだ。だが、ゴール前にブロックを築いて守り、カウンターに懸ける相手の守備を崩すことができず、何度か危ない場面を作られてしまう。
それでも先制点は許さない。守備陣を引き締めたのは、「(3月20日の広島戦以来)久々に試合に出る自分の思いというよりも、とにかく勝点3を奪うという強い気持ちで臨みました」という塩田と、4試合ぶりにケガから復帰したキャプテンの菊地だ。19分、右サイドを強引に突破したマテウスがGK神山のニアサイドを突いたシュートはゴールに結びつかなかったが、その後もポゼッション率で相手を上回りながら試合を進めた。
スコアレスで折り返した後半、さらにギアを上げてゴールに迫る。48分、大屋のアーリークロスに合わせたのは江坂。得意のヘッドでとらえたが、ボールはGKの正面を突いた。その後も両サイドバックの渡部と大屋が高いポジションを取って起点を作り、ボランチの横谷はタイミングを計った中央突破でチャンスをうかがった。
58分には渡部とのロングワンツーで一気に左サイドを突いた家長のクロスに合わせた泉澤が右足ボレーを、63分には横谷がエリア外から積極的にミドルシュートを放つが、どちらも枠をとらえることができなかった。圧倒的に攻めながら、なかなかチャンスをものにできない――。そんな嫌な流れを断ち切ったのは、やはり頼れるエースだった。
69分、横谷のCKのこぼれ球を逃さず左足を一振。「いいところにこぼれてきたので運が良かった。押し込むだけでよかった」と本人は謙遜したが、豪快なジャンピングボレーでゴールネットを揺さぶった。待望の先制点を目の前で見届けたサポーターが喜びを爆発させると、会場のボルテージは最高潮に達した。
リードを奪ったアルディージャは、その勢いを持続してゴールを目指した。先制3分後には、左サイドでマーカーを振り切った泉澤が強烈な一撃で追加点まであと一歩に迫る。福岡がウェリントン、平井と攻撃のカードを切る中、選手たちは集中を切らすことなく戦い続けた。塩田が懸命のセーブで何度もゴールを守り、菊地と河本が体を張ったディフェンスでピンチを防いだ。
交代出場の選手たちも、それぞれきちんと仕事を果たした。ムルジャは縦への推進力を発揮し、和田は正確なテクニックでボールをキープし、横山はウェリントンの動きを封じ込めた。そして4分のアディショナルタイムが過ぎ、歓喜の瞬間が訪れた。
「スタメンもサブも関係なく、選手全員が同じ気持ちで戦うこと。そういう一体感は、本来どんなチームでも持っているべきもの。実際にはそういかないことの方が多いですが、僕たちにはその一体感がある。昨年1年間J2を戦い抜いたことで培った、アルディージャの持ち味であるチーム一丸となる強さを、苦しいときだからこそ発揮したい」
苦しみながらも手に入れた今季リーグ戦ホーム3勝目は、試合前に渡部が語った言葉がしっかりと形になったものだ。「勝つために全員でハードワークしよう」というハーフタイムの渋谷監督の指示をも体現した、実にアルディージャらしい勝利だった。
(総評:粕川哲男/写真:早草紀子)
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選手コメント
DF 3 河本 裕之
相手のカウンターからの速い攻撃に注意していましたが、みんなで対応することができて良かったです。キクとは言葉を交わさないでも分かるので、マークの受け渡しだけ気をつけるようにしていました。自分たちは、まだまだ足らないところが多いので、反省してこれからもしっかりやっていきたいと思います。
MF 17 横谷 繁
もっと前から当たってくるかと思っていましたが、相手は結構引いてきました。その中で際どいところを通すパスの精度を高めたり、意図が合わなかった場面を合うようにすれば連動性が高まると思うし、攻撃力も上がると思いますので、普段の練習から意識を高く持って取り組んでいきたいです。
僕は夏用のチャントも作ってもらったので、夏の間に1点は取りたいと思っています。ぜひ次の試合もスタジアムで応援してください。
僕は夏用のチャントも作ってもらったので、夏の間に1点は取りたいと思っています。ぜひ次の試合もスタジアムで応援してください。
GK 21 塩田 仁史
勝点を積み上げられない中で、勝点3を取れるように辛抱強く戦おうという意識で入りました。
ブロックを組んできた相手に対し、前半は無理に攻めることはしませんでしたが、ファン・サポーターの皆さんが本当に辛抱強く応援してくれ、それが決勝点につながったと思います。ここまで多くの勝点をあげられているわけではないですから、次の試合も勝利して上に行けるように努力したいと思います。
ブロックを組んできた相手に対し、前半は無理に攻めることはしませんでしたが、ファン・サポーターの皆さんが本当に辛抱強く応援してくれ、それが決勝点につながったと思います。ここまで多くの勝点をあげられているわけではないですから、次の試合も勝利して上に行けるように努力したいと思います。
MF 41 家長 昭博
(得点シーンは)いいところにこぼれてきました。あのタイミングしかなかったのでジャンプボレーを判断しました。前半はしっかりブロックを作られたので難しい部分もありましたが、後半はシュートで終わるシーンも増やせたと思います。
久しぶりにNACKで試合に出ましたが、皆さんも試合が見やすいスタジアムだと思いますし、あらためて雰囲気の良いスタジアムだと感じました。ここから先も一試合一試合、勝利を目指してしっかり戦うだけです。
久しぶりにNACKで試合に出ましたが、皆さんも試合が見やすいスタジアムだと思いますし、あらためて雰囲気の良いスタジアムだと感じました。ここから先も一試合一試合、勝利を目指してしっかり戦うだけです。
残留争いの渦中にいる福岡さんとの試合は本当に難しいものでしたが、選手たちは焦らず、慌てず、戦ってくれました。何で2点目を取れないんだと思われた方がいたかもしれません。最後のシーンのように危ない場面もありました。しかし、勝点3を取るのは難しいことだと普段から言っていますし、今日の勝利は最後まで足を止めずに戦ってくれた結果です。得点や失点は必然だと思いますので、最後のピンチが失点にならなかったのも偶然ではありません。最後まで足を止めないとか、少しでも体を寄せているとか、そういったことがあったから相手のシュートが外れたのだと思います。新潟戦、神戸戦と2試合続けて失点していましたが、そうしたことをしっかりと続けたことが良かったのだと思います。
もちろん内容は改善しなくてはいけませんし、もっともっとやらなければならないことはありますが、今日の勝利で年間勝点が35になりました。勝点35は降格した2014年の勝点ですから、まずは勝点35を早く取ることが私の中では1つの目標でした。今日で勝点35まできましたので、ここから残り10試合スパートを掛けて、上を目指して戦っていきたいと思います。連敗していましたが、ファン・サポーターの方々には本当に感謝しています。
Q.焦らずに戦えた要因は何でしょうか。
キャプテンの菊地選手が戻ってきたり家長選手が戻ってきたりと、属人で変化する部分も少しあるとは思いますが、スペースがどこに空いているか、相手のプレッシャーがどう来ているのかを感じながら、ピッチ上の全員が攻撃のイメージを共有できていたことが、落ち着いて戦えた要因だと思います。守備でも何度かカウンターを受けたり、セットプレーによるピンチがあったりしましたが、下がらずに対応したりゴール前で体を張ったりということを、本当にこまめに続けてくれました。この3試合で23名の選手がピッチに立っていますが、攻撃や守備の形を全員がイメージしてくれているので、誰を起用しても問題ない状態になっているのかと思います。もちろん、全体のレベルをもっと引き上げていかなければいけません。どの相手に対しても安定感を発揮できるチームにしたいと思います。
Q.試合前、チームが1つになって戦うことが大事だとおっしゃっていましたが、今日の試合はいかがだったでしょうか。
先々週、先週と連敗し、試合に出ていた選手がサブに回ったり、メンバーから外れたりしています。チームのためにと言っていても、選手が必ずしもそういった気持ちになれないというのは分かっていますし、思えなくても仕方がないと思います。しかし、自分が出て結果が出なかったことに対しては、選手たちは自分に問い掛けるしかありませんし、自分でそこを打ち破っていかなくてはなりません。試合に勝ったからといって全員が良かったわけではないですし、次も先発できるわけではありません。私は選手たちを評価しなければなりませんから、普段のトレーニングと試合でのパフォーマンスをしっかりと見ているつもりです。それが正解かは分かりませんが、負けているときこそトレーニングにしっかり取り組むことであったり、あいさつをしっかりすることであったりが、試合に表れるのではないかと私は考えています。今日のマッチデープログラムにあった渡部選手のコメントのように、紅白戦でサブ組の選手が対戦相手をイメージしてくれているようなことが、チームとして勝点35まで積み上げられている要因だと思います。選手が悔しいと思うのは当たり前ですし、色々な感情を持つのも当たり前です。しかし、縁があって今は大宮に所属しているわけですから、チームが勝つために選手たちは取り組んでくれていると思います。8月は良いスタートが切れましたし、リーグ戦あと3試合、ルヴァンカップ準々決勝、そして9月の天皇杯と続きますので、今日の勝点3を次につなげなければいけません。今日の内容をしっかりと見つめて、足元を見ながら躍進していきたいと思います。