明治安田生命J1リーグ 2nd 第11節
2016.9.10 [SAT] 19:00
Eスタ
広島
0
-
1
0
前半
0
0
後半
1
大宮
- 69' 江坂 任
試合経過
メンバー
スターティングメンバー
GK 1 林 卓人
DF 33 塩谷 司
DF 5 千葉 和彦
DF 4 水本 裕貴
MF 14 ミキッチ
MF 6 青山 敏弘
MF 28 丸谷 拓也
82'
MF 18 柏 好文
MF 25 茶島 雄介
61'
MF 30 柴﨑 晃誠
FW 9 ピーター ウタカ
82'
控えメンバー
GK 13 増田 卓也
DF 2 野上 結貴
MF 8 森﨑 和幸
MF 16 清水 航平
MF 7 森﨑 浩司
61'
FW 22 皆川 佑介
82'
FW 11 佐藤 寿人
82'
監督
森保 一
スターティングメンバー
GK 21 塩田 仁史
DF 19 奥井 諒
DF 2 菊地 光将
DF 3 河本 裕之
DF 20 大屋 翼
MF 23 金澤 慎
68'
MF 17 横谷 繁
MF 16 マテウス
38'
MF 14 清水 慎太郎
85'
FW 8 ドラガン ムルジャ
FW 41 家長 昭博
控えメンバー
GK 50 松井 謙弥
DF 5 沼田 圭悟
DF 13 渡部 大輔
MF 15 大山 啓輔
68'
MF 18 横山 知伸
85'
MF 39 泉澤 仁
FW 7 江坂 任
38'
監督
渋谷 洋樹
試合詳細
13 | シュート | 9 |
---|---|---|
9 | GK | 10 |
4 | CK | 2 |
15 | 直接FK | 6 |
2 | 間接FK | 4 |
0 | PK | 0 |
試合データ
主審
中村 太
副審
蒲澤 淳一
副審
権田 智久
第4の審判員
西村 幹也
入場者数
13,644人
天候
曇、弱風
ピッチ状態
全面良芝、水含み
気温/湿度
27.2℃/76%
江坂の一撃で昨季年間王者を撃破。残留確定で上位へ
「あのとき」とは違う。半年前に惨敗を喫した相手を、見事に打ち破った。明治安田生命J1リーグ 2ndステージ第11節は、広島とのアウェイゲーム。1stステージ第4節では昨季年間王者に真っ向勝負を挑んだが、1-5の大敗を喫して力の差を見せつけられた。それでも渋谷監督は、「次に対戦するときは、絶対にリベンジできるように上を目指して頑張っていきたい」と誓い、チームは着々と努力を積み重ねてきた。5連戦の最終戦で疲労は無視できない状況だったが、ピッチに立った選手は、今度は勝つという気持ちをプレーで表現した。
前半は、耐えしのぐ展開だった。FWピーター・ウタカとMFミキッチに攻撃の起点を作られたが、最終ラインがどうにか遅らせて防いだ。30分には縦パスをカットした後のこぼれ球を拾われ、柴崎に決定的なシュートを打たれたがポストに助けられた。ボールを奪ってもマークを外すことができず、「前半は守備しかしていなかった」というのが監督、選手に一致する印象だった。
しかし後半に入ると、攻撃が機能し始めた。前半途中で負傷したマテウスに代わって投入されていた江坂や家長に対し、ボランチの横谷が縦パスを供給。中央の連係で相手を脅かし、右から奥井が攻撃参加をちらつかせて相手を惑わせた。江坂は「外から見ていて、ボランチがフリーで持てていることが少なくなかったので、相手ボランチの前で受けて横パスやバックパスをするのではなく、相手の横や背後にパスを呼び込んでシュートを狙うようにした」と、投入される前に打開策を見つけていたという。
2人を生かしたのは、横谷の縦パスだ。相手の配球役であるMF青山のマークに奔走しながら、攻撃で持ち味を出した。特に前半は危険な場面も多く、「危ないシーンは何回もあった。チームとしての守備で対応し切れなかった分の個々の頑張りや、運が良かったのかなと思う」と、守備面に納得の表情を見せることはなかったが、攻撃面では「点が入る前から、任のところは少し空いてきていた。前を向けるシーンが出てきて、カウンターのときも人数を掛けられるようになっていた」と手ごたえを感じていた。
少しずつ攻撃シーンが増えていく流れの中、先制点は69分に生まれた。奥井が右サイドで粘って得た右CKから横谷が正確なキックを放つと、江坂が得意のヘディングシュートをゴールへたたき込んだ。江坂はルヴァンカップ準々決勝 第1戦、第2戦ともに同様のチャンスを決め切れなかったが、今度は完ぺきだった。得点後は圧力を強めた相手に押されたが、途中出場の大山や横山を含めてよく粘り、1-0で勝ち切った。結果だけでなく、内容面でも大きな収穫のあるゲームとなった。
6試合を残してJ1残留が決まり、今後は迷いなく上位を目指せる。次節は年に一度の熊谷でのホームゲームで、2ndステージ首位を走る川崎Fを迎え撃つ。日本代表MF大島や元日本代表MF中村を擁する上、得点ランク上位の大久保と小林の2人がいて、リーグ最多22得点の攻撃力を誇る強敵だが、残り6試合で上位に食い込むために、2ndステージ首位との差を縮める絶好のチャンスでもある。1stステージの最終節では、圧倒的にボールを支配されて0-2と完敗を喫した相手。広島戦に続き、次節もきっちりと借りを返したい。
(総評:平野貴也/写真:早草紀子)
前半は、耐えしのぐ展開だった。FWピーター・ウタカとMFミキッチに攻撃の起点を作られたが、最終ラインがどうにか遅らせて防いだ。30分には縦パスをカットした後のこぼれ球を拾われ、柴崎に決定的なシュートを打たれたがポストに助けられた。ボールを奪ってもマークを外すことができず、「前半は守備しかしていなかった」というのが監督、選手に一致する印象だった。
しかし後半に入ると、攻撃が機能し始めた。前半途中で負傷したマテウスに代わって投入されていた江坂や家長に対し、ボランチの横谷が縦パスを供給。中央の連係で相手を脅かし、右から奥井が攻撃参加をちらつかせて相手を惑わせた。江坂は「外から見ていて、ボランチがフリーで持てていることが少なくなかったので、相手ボランチの前で受けて横パスやバックパスをするのではなく、相手の横や背後にパスを呼び込んでシュートを狙うようにした」と、投入される前に打開策を見つけていたという。
2人を生かしたのは、横谷の縦パスだ。相手の配球役であるMF青山のマークに奔走しながら、攻撃で持ち味を出した。特に前半は危険な場面も多く、「危ないシーンは何回もあった。チームとしての守備で対応し切れなかった分の個々の頑張りや、運が良かったのかなと思う」と、守備面に納得の表情を見せることはなかったが、攻撃面では「点が入る前から、任のところは少し空いてきていた。前を向けるシーンが出てきて、カウンターのときも人数を掛けられるようになっていた」と手ごたえを感じていた。
少しずつ攻撃シーンが増えていく流れの中、先制点は69分に生まれた。奥井が右サイドで粘って得た右CKから横谷が正確なキックを放つと、江坂が得意のヘディングシュートをゴールへたたき込んだ。江坂はルヴァンカップ準々決勝 第1戦、第2戦ともに同様のチャンスを決め切れなかったが、今度は完ぺきだった。得点後は圧力を強めた相手に押されたが、途中出場の大山や横山を含めてよく粘り、1-0で勝ち切った。結果だけでなく、内容面でも大きな収穫のあるゲームとなった。
6試合を残してJ1残留が決まり、今後は迷いなく上位を目指せる。次節は年に一度の熊谷でのホームゲームで、2ndステージ首位を走る川崎Fを迎え撃つ。日本代表MF大島や元日本代表MF中村を擁する上、得点ランク上位の大久保と小林の2人がいて、リーグ最多22得点の攻撃力を誇る強敵だが、残り6試合で上位に食い込むために、2ndステージ首位との差を縮める絶好のチャンスでもある。1stステージの最終節では、圧倒的にボールを支配されて0-2と完敗を喫した相手。広島戦に続き、次節もきっちりと借りを返したい。
(総評:平野貴也/写真:早草紀子)
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選手コメント
DF 2 菊地 光将
前半から我慢する時間が長かったですが、みんなが集中力を高く保てていました。勝ち切れない試合や、追い付かれて勝点2を失う試合も多かったですが、今日は集中力を高く保ってみんなで勝点3を奪うことができたと思います。アウェイで取った今日の勝点3を生かすためにも、次の試合の準備をしっかりして、1年に1回の熊谷開催でいい結果を出せるように取り組んでいきたいです。
MF 7 江坂 任
今日の試合に勝利できたことは、チームとして自信になります。急な出場となりましたが、いつでも出られるように準備していましたので、スムーズにゲームに入れたと思います。守備の時間が長くなることは分かっていましたし、少ないチャンスをモノにしないといけないことも分かっていました。ゴールシーンは"ドンピシャ"だったので、めちゃくちゃ気持ち良かったです。
MF 23 金澤 慎
思うような攻撃はあまりできなかったですが、いい時間帯に任が点を取ってくれたのが大きかったです。全員が最後まで粘り強く勝点3を目指して戦った結果だと思います。
これでJ1残留が決まりましたが、勝点48を目標にしていますし、今日で上位との差も縮まったので、さらに上を目指していきたいです。
今日は謙弥の誕生日だったので、勝利をプレゼントしようとみんなで話をしていました。自分も昨日で33歳になりましたが、まだまだ上達できるように努力していきたいです。
これでJ1残留が決まりましたが、勝点48を目標にしていますし、今日で上位との差も縮まったので、さらに上を目指していきたいです。
今日は謙弥の誕生日だったので、勝利をプレゼントしようとみんなで話をしていました。自分も昨日で33歳になりましたが、まだまだ上達できるように努力していきたいです。
試合に関しては、天皇杯から中3日で昨日しかトレーニングができない中、守備の確認しかできませんでしたので、やはり前半は守備の時間が長くなりました。相手の攻撃を受けている状況で、なかなか連動した守備ができませんでしたが、それでも最後まで人に付いて、やられないようにしようという展開でした。このままでは得点されてしまうだろうと考え、選手間の距離を縮めながら全体をコンパクトに守備するように切り替えました。その結果、攻撃の距離感も縮められたことで、ボールを持てる時間が長くなったと思います。そしてセットプレーから江坂選手の1ゴールが生まれ、たくさんあった相手の決定機にも最後まで粘り強く体を投げ出して勝つことができました。リーグ戦は残り6試合しかありませんが一戦一戦、上を目指して戦いながら試合内容も向上させられるよう、選手とスタッフが一丸となって頑張っていきたいと思います。
Q.リードを奪った上での試合の締めくくり方を振り返って、いかがだったでしょうか。
広島さんが攻撃に人数を掛けてくる分、全体が引き気味になるだろうとは考えていました。清水選手も横谷選手も足をつっていた中、どちらを残そうかという状況でしたが、相手には高さのある選手が出てきたことも考慮し、横山選手をボランチに入れて横谷選手を前に出しました。また、江坂選手と家長選手をサイドに置けば、ある程度ボールが収まる可能性があると考えました。アディショナルタイムの失点で何度も何度も引分けを経験してきましたので、今日はそれを教訓にして、サイドへボールを運んで時間を稼ぐなどして逃げ切れたことは選手たちの成長の証しだと思いますし、非常に良かったと思います。今までの経験が生かされたと思います。
Q.まだ試合は続きますが、ひとまず残留を決めた中で、良かった点は何でしょうか。
私は、大宮が最初にJ1へ昇格したときからコーチをしていましたが、チームとしてボールを持つことが勝利につながるだろうと考えていました。昨年J2で戦ったことが良い経験になり、ボールをつなぐ上でのイメージを持てたことが大きいと思います。また、大宮は残り5試合が強いと周囲から言われてきましたが、それは喜ばしいことではありません。やはり、クラブとしてのパワーの掛けどころというか、シーズンを通して一つひとつ、目の前の試合にパワーを掛けて戦ってきたこと、そして最初の4試合でJ1の壁を知れたことが、現状の結果につながっていると思います。G大阪戦で1-2、広島戦で1-5と頭をたたかれるような敗戦を経験しましたし、勝ったFC東京戦や柏戦もほとんどボールを持つことができませんでした。そこから選手、スタッフを含めて日々のトレーニングに一生懸命に取り組んできてくれたことが、今の成績につながっている要因です。先日のルヴァンカップはベスト8で敗れましたが、この時期に残留を気にするのではなく、カップ戦でのノックアウトステージ進出は当たり前、リーグ戦でも上位が当たり前というクラブにならなければいけないと考えています。選手も含め、クラブとしてその可能性は持っていると思いますので、色々と刺激を加えていかなければいけませんし、そういう気持ちで戦っていきたいと思います。また、今シーズンは6試合を残して残留を決めましたが、毎年毎年どのクラブにも厳しい戦いが待っていますから、この経験を残り6試合や今後のシーズンに生かしていかなければいけません。選手もそう感じているでしょうし、クラブとして上を目指すということを、普段の行動を含めて常日頃から取り組んでいかなければ、上にはいけないのではないかと思います。