明治安田生命J1リーグ 2nd 第13節
2016.9.25 [SUN] 17:00
NACK
大宮
- 58' 家長 昭博
1
-
1
0
前半
1
1
後半
0
鳥栖
- 6' 富山 貴光
試合経過
メンバー
スターティングメンバー
GK 21 塩田 仁史
DF 19 奥井 諒
DF 4 山越 康平
DF 2 菊地 光将
DF 20 大屋 翼
MF 15 大山 啓輔
MF 23 金澤 慎
MF 39 泉澤 仁
75'
MF 7 江坂 任
85'
FW 8 ドラガン ムルジャ
75'
FW 41 家長 昭博
控えメンバー
GK 50 松井 謙弥
DF 13 渡部 大輔
MF 18 横山 知伸
MF 10 岩上 祐三
MF 16 マテウス
85'
FW 9 ネイツ ペチュニク
75'
FW 14 清水 慎太郎
75'
監督
渋谷 洋樹
スターティングメンバー
GK 33 林 彰洋
DF 8 藤田 優人
DF 5 キム ミンヒョク
DF 29 谷口 博之
DF 23 吉田 豊
MF 10 金 民友
MF 14 高橋 義希
MF 30 福田 晃斗
MF 24 鎌田 大地
63'
FW 18 富山 貴光
78'
FW 25 早坂 良太
控えメンバー
GK 1 赤星 拓
DF 2 三丸 拡
DF 4 小林 久晃
DF 35 青木 剛
MF 40 石川 啓人
FW 22 池田 圭
78'
FW 39 岡田 翔平
63'
監督
ブルーノ コンカ
試合詳細
14 | シュート | 6 |
---|---|---|
5 | GK | 16 |
2 | CK | 4 |
8 | 直接FK | 7 |
2 | 間接FK | 2 |
0 | PK | 1 |
試合データ
主審
山本 雄大
副審
西尾 英朗
副審
植田 文平
第4の審判員
塚田 健太
入場者数
11,807人
天候
曇、弱風
ピッチ状態
全面良芝、乾燥
気温/湿度
25.8℃/79%
1-1で勝点1を分け合う。家長がクラブ初の日本人選手2桁得点
アルディージャは今、最も勢いのあるチームの一つと言っていいだろう。JリーグYBCルヴァンカップこそ準々決勝で敗退したものの、9月22日の天皇杯は磐田を相手に5ゴールで快勝、4回戦進出を決めている。明治安田生命J1リーグに目を向けると、前節の川崎戦は激しい打ち合いの末に3−2で勝利。勝点3を上積みし、クラブ史上最多となる勝点46まで伸ばした。
明治安田生命J1リーグ2ndステージの第13節は、ホームで鳥栖と対戦。試合前は、今回が8度目となる手話応援でNACK5スタジアム大宮が一つになった。「サッカー応援も、ノーマライゼーション」が合い言葉だ。障がいがある方もない方も、スポーツを楽しめる空気が出来上がった。
スタンドのオレンジが揺れたのは、キックオフからわずか1分のことだ。大山のスルーパスに抜け出した奥井が、低い弾道のクロスを上げた。うまくマークを外した江坂が頭でジャストミート。シュートはGKにキャッチされたが、アルディージャの勢いを感じさせるシーンだった。
しかし、先に試合を動かしたのは鳥栖だった。ペナルティーエリア内で菊地が昨年までチームメートだった富山を倒してPKの判定。キッカーは、その富山だ。立ちはだかるのはGKの塩田。互いに得意なコースは分かっていた。だが、ネットは揺らされた。アルディージャは1点を追う立ち上がりとなった。
その後もボールを支配したが、なかなかゴール前まで運ぶことができない。「前半は相手がかなり引いてきて、こじ開けるのが難しかった。粘り強くボールを動かして相手の体力を削って、後半が勝負になると思っていた」とGK塩田。19分には菊地が、21分には大山がミドルシュートを放ったが、いずれも枠をとらえることができない。27分に放ったムルジャのミドルシュートもバーを越えていった。拮抗した展開のまま、0−1で前半を終えた。
後半もアルディージャは攻めた。前線では江坂と家長が積極的にポジションを入れ替えてボールを引き出した。51分には、泉澤の鮮やかなクロスにムルジャが飛び込んだが惜しくも合わず、その3分後には泉澤が中に切れ込んでシュートを放つがボールは枠を逸れた。守備ではリーグ戦の先発が2ndステージ第6節以来となる山越が安定感を発揮。また、同じくリーグ戦の先発が1stステージ第15節以来となるボランチの大山も、ハードワークで相手の攻撃の芽を摘んだ。
アルディージャに待望のゴールが生まれたのは58分だ。左からのCK。大山が蹴ったボールを相手GKが弾いた。そのボールを金澤がシュート。いったんは相手GKに阻まれたが、こぼれ球に反応した家長が右足を一閃。強烈なシュートをたたき込んだ。家長にとってホーム4戦連発となるゴールは、今季通算10ゴール目。アルディージャにとっては、J1リーグ戦で日本人選手としてクラブ初となる2桁得点である。
記念すべきゴールで、スタンドのボルテージは一気に高まった。同点に追いついた直後も、ゴール前で江坂が折り返したボールを家長がシュート。ボールは惜しくもバーを越えていったが、少しずつチャンスの数は増えていった。
ベンチも好機を見逃さなかった。75分には清水、ペチュニクを同時に投入した。攻撃のギアを一気にトップまで上げた。78分には清水が左サイドの角度のない位置からシュート。ボールは惜しくも右に逸れたが、ゴール裏を大いに沸かせた。
終盤はカウンターの応酬となった。アルディージャは85分に入ったマテウスが起点となり、長短織り交ぜたパスで相手の守備を崩した。終了間際にはドリブルで粘った家長が、GKの頭上を抜くループシュート。GKが伸ばした指先が、わずかにボールの軌道を変えた。どちらも死力を尽くした。しかし、1−1のままタイムアップ。勝点1を分け合った。
白星はつかめなかった。しかし、家長がたたき込んだ同点ゴールはクラブの歴史に深く刻まれるだろう。「11点、12点と取れるように頑張りたい。どの試合もいい準備をして、いい状態で臨めるようにしたい」と背番号41。そして、勝点1を上積みしたことで、チームの年間目標である勝点48まであと1に迫った。次節はアウェイでの鹿島戦。ここで勝点3を奪い、再び歴史を塗り替えたいところだ。
(総評:岩本勝暁/写真:早草紀子)
明治安田生命J1リーグ2ndステージの第13節は、ホームで鳥栖と対戦。試合前は、今回が8度目となる手話応援でNACK5スタジアム大宮が一つになった。「サッカー応援も、ノーマライゼーション」が合い言葉だ。障がいがある方もない方も、スポーツを楽しめる空気が出来上がった。
スタンドのオレンジが揺れたのは、キックオフからわずか1分のことだ。大山のスルーパスに抜け出した奥井が、低い弾道のクロスを上げた。うまくマークを外した江坂が頭でジャストミート。シュートはGKにキャッチされたが、アルディージャの勢いを感じさせるシーンだった。
しかし、先に試合を動かしたのは鳥栖だった。ペナルティーエリア内で菊地が昨年までチームメートだった富山を倒してPKの判定。キッカーは、その富山だ。立ちはだかるのはGKの塩田。互いに得意なコースは分かっていた。だが、ネットは揺らされた。アルディージャは1点を追う立ち上がりとなった。
その後もボールを支配したが、なかなかゴール前まで運ぶことができない。「前半は相手がかなり引いてきて、こじ開けるのが難しかった。粘り強くボールを動かして相手の体力を削って、後半が勝負になると思っていた」とGK塩田。19分には菊地が、21分には大山がミドルシュートを放ったが、いずれも枠をとらえることができない。27分に放ったムルジャのミドルシュートもバーを越えていった。拮抗した展開のまま、0−1で前半を終えた。
後半もアルディージャは攻めた。前線では江坂と家長が積極的にポジションを入れ替えてボールを引き出した。51分には、泉澤の鮮やかなクロスにムルジャが飛び込んだが惜しくも合わず、その3分後には泉澤が中に切れ込んでシュートを放つがボールは枠を逸れた。守備ではリーグ戦の先発が2ndステージ第6節以来となる山越が安定感を発揮。また、同じくリーグ戦の先発が1stステージ第15節以来となるボランチの大山も、ハードワークで相手の攻撃の芽を摘んだ。
アルディージャに待望のゴールが生まれたのは58分だ。左からのCK。大山が蹴ったボールを相手GKが弾いた。そのボールを金澤がシュート。いったんは相手GKに阻まれたが、こぼれ球に反応した家長が右足を一閃。強烈なシュートをたたき込んだ。家長にとってホーム4戦連発となるゴールは、今季通算10ゴール目。アルディージャにとっては、J1リーグ戦で日本人選手としてクラブ初となる2桁得点である。
記念すべきゴールで、スタンドのボルテージは一気に高まった。同点に追いついた直後も、ゴール前で江坂が折り返したボールを家長がシュート。ボールは惜しくもバーを越えていったが、少しずつチャンスの数は増えていった。
ベンチも好機を見逃さなかった。75分には清水、ペチュニクを同時に投入した。攻撃のギアを一気にトップまで上げた。78分には清水が左サイドの角度のない位置からシュート。ボールは惜しくも右に逸れたが、ゴール裏を大いに沸かせた。
終盤はカウンターの応酬となった。アルディージャは85分に入ったマテウスが起点となり、長短織り交ぜたパスで相手の守備を崩した。終了間際にはドリブルで粘った家長が、GKの頭上を抜くループシュート。GKが伸ばした指先が、わずかにボールの軌道を変えた。どちらも死力を尽くした。しかし、1−1のままタイムアップ。勝点1を分け合った。
白星はつかめなかった。しかし、家長がたたき込んだ同点ゴールはクラブの歴史に深く刻まれるだろう。「11点、12点と取れるように頑張りたい。どの試合もいい準備をして、いい状態で臨めるようにしたい」と背番号41。そして、勝点1を上積みしたことで、チームの年間目標である勝点48まであと1に迫った。次節はアウェイでの鹿島戦。ここで勝点3を奪い、再び歴史を塗り替えたいところだ。
(総評:岩本勝暁/写真:早草紀子)
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選手コメント
DF 4 山越 康平
相手は前から来ることが予想できたので、最初はシンプルなプレーを心掛けましたが、ミスも出たので反省点が残りました。後半のような積極的なプレーを前半からできるようにならなければいけません。(同郷であこがれだった富山選手は)体も強いですし、嫌なところに入ってくるので脅威でした。試合に使ってもらうことで得た経験をムダにしないように、練習からしっかり取り組んでいきたいです。
DF 20 大屋 翼
前半はボールを支配しながらも攻めあぐねているようなところがありましたが、ボールを動かして相手を疲れさせることができればチャンスが生まれると、ハーフタイムにみんなで声を掛け合いました。相手は引いていたので前線の選手にはスペースがなかったため、自分が裏に飛び出すことも狙っていました。試合に勝ち切るメンタリティーがつけば先につながっていくと思うし、クラブの歴史を越えることに果敢にチャレンジしていきたいです、
MF 23 金澤 慎
後半は自分たちのペースでプレーすることができましたが、悔しい引分けになりました。相手も粘り強かったですが、先制点を与えてしまったことで少し引かれてしまい、精神的にも落ち着かせてしまいました。その中で、自分たちも焦れずに粘り強く戦えましたが、ラストパスの精度やタイミングが良くありませんでした。上の順位でシーズンを終えることができれば先につながると思うので、練習で足らなかったところを改善していきたいです。
MF 41 家長 昭博
90分で1、2点取ることができればと思いながらプレーしていました。先制点を与えてしまいましたが、慌てずにプレーすることを考えていました。全体としても、いつも通りのプレーはできていたと思いますが、技術的な部分も含めて最後の精度が課題として残りました。残り試合も少なくなってきましたが、残りのすべての試合で勝てるようにプレーするだけです。
前半は、相手が我々に合わせて守備をしてきました。システムを4-4-2にしたり4-1-3-2にしたりと、相手が色々な変化を加えてきた中でスペースを突くことができなかったのは、普段のトレーニングで積み上げなければいけない部分です。前半はFWにボールが入りませんでしたが、後半は前線に縦パスが入るようになって展開が少し良くなりました。そして良い流れでCKを得て、そのCKから得点できました。その後も何度もサイドから攻めましたが、ゴール前に1人か2人しかいませんでした。走り切る力というか、相手のペナルティーエリアに入っていく力がつけば、もっと得点できるようになると思いますので、トレーニングでもっともっと高めていきたいです。前半からパスミスが多く、後半もラストパスが少しずれていましたが、日々の中で精度や意識付けを高めることが結果に表れると思いますので、準備期間は1週間しかありませんが、次の鹿島戦に向けて勝利するための良い準備をしていきたいです。
Q.後半、ボールがスムーズに動くようになりましたが、ハーフタイムでどういった点を修正したのでしょうか。
攻撃時のポジションニングです。あとは、どうやってボールを動かすか、その流れのイメージを選手たちに伝えました。相手もハードワークしていましたから、なかなか突破していくのは難しいでしょうし、前半はあのような展開になると考えていました。前半はボールを持ち続けることで相手を疲れさせられればと思っていました。良い展開だった後半も、相手を疲れさせるところまではいかなかったので、ポジションニングと攻撃の狙い目は共有できたと思いますが、最終的に結果にはつながりませんでした。もっともっとトレーニングの中で高めなければいけないと感じました。
Q.家長選手はクラブ初の日本人選手によるシーズン2桁得点を達成しましたが、その点はいかがでしょうか。
得点はチーム全員の物ですし、家長選手も同じように答えると思います。しかし、彼がゴールを意識してプレーしているのは、私としてはすごくうれしいです。今までの彼にはチャンスメーカーというイメージがありましたが、ゴールを目指すことを強く意識してくれていて、それがチームに勝利をもたらしてくれています。彼は10得点で満足する選手ではなく、もっと上のレベルの、日本代表レベルの選手だと私は考えています。これだけ活躍しているにもかかわらず、まだ代表に呼ばれていませんが、私としては代表に呼ばれて活躍してくれたらと願っています。我々にもレベルの高い選手がそろっていますが、大宮で10得点するというのは、他のクラブで結果を出すことより難しいと思います。そういうレベルの高い選手が我々のチームにいて、その選手が活躍しているのなら、代表に呼ばれるのが普通ではないでしょうか。チームで活躍しなければ代表には呼ばれませんが、10得点という結果を出しているので評価されて良いと思います。周りの選手が彼を生かす一方で、彼も周りの選手を生かしてくれています。私が監督に就任してから家長選手が中心になったとも言われますが、彼はあくまでチームメンバーの1人としてプレーしてくれていますし、彼自身もチームメートのおかげだと考えていると思います。
欲を言えば、他にもっと得点してほしい選手はいますし、取らなければいけない選手もいます。チームとして、より多くのチャンスを作れるようになるためにも、私自身のチーム作りが重要だと感じています。今日も家長選手だけでなく、他の選手が得点できれば勝っていたわけですから、トレーニングの中で意識付けなどをしていきたいと思います。シーズンの残り試合も少ないですし、今日も12,000人弱という多くの方が来てくださりました。選手たちは皆さんに勝利を届けたいという気持ちで戦っていますから、今日の引分けは悔し過ぎます。次は勝てるように頑張りたいと思います。