明治安田J2リーグ 第1節
2025.2.15 [SAT] 14:00 NACK

大宮

  • 52' 濱田 水輝
  • 90+7' 藤井 一志
2 - 1
0 前半 0
2 後半 1

山形

  • 66' 土居 聖真
試合経過
身につけたJ2を戦い抜くための力。開幕戦から全員で“襲いかかる”

1月6日の始動からここまで、既存の選手と新加入選手の融合を進めながら、組合せの違いによる化学反応が確認されてきた。いくつかのシステムにもトライしている。一つハッキリしているのは、J2で戦い抜くため必要な競争力を、確実に身につけてきたということだ。インテンシティや素早い攻守の切り替えを追求しながら、「際」の部分にこだわって守り切る、取り切る姿勢を強めている。すべての基本となる「止める、蹴る」にも、改めて着目してきた。

開幕戦には独特の雰囲気がある。プレシーズンの準備が順調でも、勝利が約束されるわけではない。対戦相手の情報が少ないことも含めて、何が起こるか分からないのが開幕戦なのである。

だからこそ問われるのは、チームのアイデンティティの徹底である。今シーズンを迎えるにあたって長澤徹監督が語った「すべてのゲームで襲いかかる」という姿勢を、チームの全員が表現する。

(文:戸塚啓)

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監督コメント

今の状態は過信もなく少し危機感のある緊張を持ち、やれるんじゃないかなと思っていますし、チームとして一番いい状態であると思っています。新しくジョイントした選手たちがいるので彼らとチームの基盤をやりながら、少しバージョンアップしなければいけないところもあって、そこをみんなで共有してという感じで、大体の大きなフレームは共有していると思うので、ここからは公式戦という実践を重ねながらどう自分たちのモノにしていくか、もちろん勝点を稼ぎながらではあるのですが、そういう状況にあると思います。

開幕戦にあまり思いを入れすぎても残り37試合あるので、勝ち、負け、引分けの結果が必ず出るのでそれを受け止めてですが、相手も最高の準備をしてくると思いますし、緊張感とか自分たちの意志とか自信とか、すべての面においていい準備ができないと最初の戦いは取れないので、しっかり準備していきたいと思っています。

山形は監督も3年目ですし、完成しているチームだと思います。去年もプレーオフまでの間隔が開かなかったら開幕戦の相手ではないというか、上のステージにいるチームなので、あのままの勢いで上に行っていたはずなので。補強も日本人のいい選手を獲っている印象です。攻守全部の局面でしっかり共有されているなという型はあるので、そんなに大崩れもしないですしかなり安定していると思っています。

新加入選手はそれぞれ特徴があるので、最低限チームがやることを抑えてもらって、自分の特徴をどう出すかという部分が一番大事で、それを周りがちゃんと認識するかという、彼らの状況が来たらボールを配っていけるかというのがすごく大事なので、そこはある程度、なんとなく感覚的にはわかってきているんじゃないかなと思います。

キャプテンのガブリエウは、ゲームを進める上でちゃんと冷静に物事を見れますし、元々大宮でやってきた選手たちは忠誠心を持っているので、どういう色が出るかなという形ではいますが、日本も長いですし、そういう側面からチームをまとめてもらいたいと思っています。いいときは誰でもいいのですが、彼がチーム状況が上向きにならないときにも戦える選手というのは、外から観ていても知っていましたし、そこも含めて、いいときも悪いときもあるので安定してしっかりと戦えるようにということで託しました。

完成されたチームとの試合ですが、ホームでチケットも完売していて、サポーターに対して我々が自分たちのプレーをしっかり見せればエネルギーをしっかりもらえると思うので、その場には感謝しています。あとは選手の力を解放するだけなので、試合までの期間でうまく準備できればと思っています。サポーターの皆さんには本当に感謝していますし、去年も含め苦しいときから支えてもらっているサポーターの方たちなので、なんとか一緒に戦えるような一戦目にしていきたいと思います。

選手コメント

ここまでの期間でしっかり準備ができていますし、チームとしてもグループとしてもかなり成長できたと思います。フィジカル面、戦術面、メンタル面も含めて、いい準備ができていると思いますし、いい開幕戦が迎えられるのかなと思います。

キャプテンとしてチームを励ましたりする部分もそうですが、同じ人間で同じ仲間なのでしっかりとみんなを持ち上げるサポートもしていきたいですし、あとはサッカーなのでみんなが楽しめる、リラックスした場になればと思います。観客がいる競技なので、やっぱりみんなが楽しめるような試合も大事だと思っています。

山形は強度が高いチームで、前線には足の速い選手が揃っていますし、手強いチームだなと思います。ですが、僕たちもそこに向けてしっかり準備をしていますし、自分たちが有利になるように頑張っているので、いい試合ができればと思います。

自分はDFなのでまずは相手のシュートを防ぐことが一番で、失点数が少ないチームこそ勝利に近いのでそこは徹底したいですし、あとは自分の持ち味でもあるパスなど攻撃の面でもサポートして、セットプレーでも得点につながるようなプレーができればと思っています。

週末の試合に向けて選手みんながモチベーション高く準備していますし、初戦をホームで迎えられることもあって大勢のサポーターの方が来てくれると思います。皆さんのエネルギー、熱は僕たちにとってのエネルギーでもあって大事な力なので、たくさんの人に来てもらって大きな声援をいただければと思っています。

始動してからキャンプも含めてここまで、チームとしてもいい準備ができていますし、個人としても気持ちの面でも身体の面でもいい準備ができたので、やっと開幕するなという感じです。今は自信と不安とどちらもありますが、楽しみな気持ちが一番です。前線にもいい選手が入ってきて、日々の練習から常にコミュニケーションをとりながらやってきたので、あとはそれを試合で出せればと思います。

開幕戦はすでにチケットが完売していてたくさんのファン・サポーターが来てくれると聞いているので、本当に楽しみにしています。まずは、勝利、勝つということが一番ですし、熱い試合をしてみんなに笑顔で帰ってもらえるように一生懸命プレーしたいと思います。ゴールを決められるように頑張ります。

新シーズンに向けてファン・サポーターの皆さんのたくさんの期待を感じていますし、もっとお客さんに入ってもらうためにも、選手はピッチで熱い試合をしなければいけません。もちろん、結果も必ず出したいと思っています。皆さんの応援はいつも心強いですが、ぜひ去年よりもっとサポートしていただいて、目標を達成できるように、引き続き応援していただけたらと思います。応援よろしくお願いします!

メンバー

スターティングメンバー

80'
67'
67'
80'

控えメンバー

80'
67'
67'
80'
42'

監督

長澤 徹

スターティングメンバー

GK 1 トーマス ヒュワード ベル
DF 3 熊本 雄太
DF 5 安部 崇士
DF 13 野嶽 寛也
DF 22 城和 隼颯
MF 7 髙江 麗央
MF 71 中村 亮太朗
MF 88 土居 聖真
67'
FW 25 國分 伸太郎
67'
FW 42 イサカ ゼイン
67'
FW 90 ディサロ 燦シルヴァーノ
67'

控えメンバー

GK 16 長谷川 洸
DF 4 西村 慧祐
DF 19 岡本 一真
MF 14 坂本 亘基
67'
MF 20 吉尾 海夏
67'
MF 21 田中 渉
FW 9 高橋 潤哉
67'
FW 11 藤本 佳希
67'
FW 55 堀金 峻明

監督

渡邉 晋
試合詳細
13 シュート 5
13 GK 10
6 CK 2
4 直接FK 13
0 間接FK 0
0 PK 0
試合データ

主審

清水 勇人

副審

竹田 明弘

副審

堀 格郎

第4の審判員

山岡 良介

入場者数

13,418人

天候

晴、弱風

ピッチ状態

全面良芝

気温/湿度

13.5℃/20%

HIGHLIGHT

終了間際に藤井が決勝点、J2復帰の開幕戦を勝利で飾る
待ちわびた新シーズンが幕を開けた。RB大宮アルディージャとなって迎えた2025年は、2年ぶりとなるJ2が舞台。第1節は、ホームに山形を迎えた。

キックオフ前には、来日中のレッドブルグループのグローバルサッカー責任者であるユルゲン・クロップが試合球をセット。満員のスタンドから喝采を浴びた。Jリーグ初である外資系企業単独オーナークラブのデビュー戦に対する注目度は高く、観客席だけでなく記者席もぎっしりと埋まった。

注目のスターティングメンバーは、GKが笠原。3バックにガブリエウ、濱田、下口。中盤に茂木、アルトゥール・シルバ、小島、泉。前線には豊川、ファビアン・ゴンザレス、杉本が並んだ。U-20日本代表として「AFC U20アジアカップ中国2025」に出場している市原が不在の状況での戦いとなった。

試合序盤は、互いにファウルで試合が止まりがちの展開だった。最初のチャンスが訪れたのは、9分。相手GKのフィードをカットした豊川のスルーパスにファビアンが抜け出してシュート。積極的にゴールを狙った。18分には杉本のスルーパスで泉が左から抜け出し、マイナスのクロス。豊川にはつながらなかったが、相手の陣形を崩すことに成功した。

守備は、相手の3トップにワイドを使われ、クロスボールを放り込まれる場面も少なくなかったが、26分に勢いよくヘディングシュートを打たれた場面は、ゴールの枠の外で救われた。29分にカウンターを受けた場面は、今季のキャプテンを務めるガブリエウが1対1でストップしてみせた。

互角の攻防となった前半、最大の好機が訪れたのは、36分。杉本が自陣で相手に囲まれながらスルーパスで打開。ボールを運んだ小島から、追い越した泉へ縦パスを通し、泉が得意のドリブルからシュートを放ったが、ポストに嫌われた。前半の終盤には、ファビアンが負傷で藤井との交代を余儀なくされたが、攻撃のテンポは落とさず、豊川のカットインから杉本が惜しいミドルシュートを放つなど、良い流れで前半を終えた。

後半に入ると、積極的に相手の背後を突くプレーが多くなった。敵陣での時間を増え、セットプレーを獲得。52分、小島が蹴った左CKから濱田がヘディングシュートを決めて先制点を奪った。

ただ、リードしてからは相手の勢いを受けて後手に回り、66分に右サイドを押し込まれ、中央への折り返しから同点ゴールを奪われた。昨年より上のカテゴリーで試合の厳しさが違うと感じさせられた時間帯だったが、チームは怯まず、昨季からの継続力を示した。

失点直後、谷内田と関口を投入。山形は4人を一気に交代。打ち合いの展開に。谷内田は前方でシュートチャンスを作り出し、関口は果敢に攻撃参加を繰り返した。交代選手が点を奪うのが、昨季からの強みだ。78分には、右に開いた藤井が谷内田とのパス交換からシュート。80分、今度は浦上と新加入のカプリーニを投入。

一進一退の攻防が続き、試合終了間際の90+7分、左CKを得ると谷内田のパスに飛び込んだ浦上が左足でシュート。こぼれ球を藤井がゴールへ押し込み、待望の勝ち越し点を決めた。試合は、再開直後にタイムアップ。開幕戦を勝利で飾った。

チームには昨季の積み上げに対する自信が見て取れる。茂木は「やってきた、戦う、走る部分は見せられたと思う。NACKで満員。最後まで応援してくれたから、みんな自然とパワーが出ていたし、昨年と同じように交代メンバーが(とどめを)刺すことがJ2でもできた」と自信を深めた様子だった。

泉は「昨年やってきたことに、僕らは自信を持っている。細かいところを付け加えれば、良いシーズンになる。今日(の得点)はセットプレーで2つ。物足りない。流れの中で左から崩せるようにやっていきたい」とさらにチーム力を上乗せしたい考えを示した。

次節もホームゲームで、甲府と対戦する。ステージが上がっても、やることは変えない。J2でも連勝街道を走り抜けるつもりだ。

(総評:平野 貴也)

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監督コメント
13,400人ほどのサポーターの方が集まってくれて、昨シーズンからそうなのですが、本当に勝たせてもらったゲームだと思っています。ありがとうございます。

試合の方は、今日は各地で開幕戦をやっていると思うのですが、「THE開幕戦」という形で少し硬かったかなと思います。前半に一つヘディングで叩かれた部分があったのですが、それ以外はソリッドに進められていたので、粘り強くいっていれば何か起こるかなと思っていました。

やはり開幕戦なのでセットプレーを非常に重要視していたのですが、NACKでやるときはセットプレーでかなりアドバンテージを持っているというのは、昨シーズン、本当に厳しいJ3の中で手に入れたものなので、しっかりレスポンスできた選手は褒めてやりたいと思います。

そこから当然しっかりゲームを進めながら二つ目をという戦い方だったのですが、結構な決定機の最後で「あれ?」というプレーとか、(小島)幹敏が入っていったプレーとかでちょっと逃していたので大丈夫かなと思っていたら、やっぱりしっかりと、山形はすばらしいチームなのでその流れの裏側で得点を決められて、そのまま打ち合いという形で持っていきました。相手も一気に交代してきましたし、我々も交代選手を出してパワーをかけていって、どちらに転んでもおかしくないゲームだったと思うのですが、我々に少し運があって山形に少し運がなかったのかなという結末だと思います。

ただ、山形とはもう1試合ありますし、ここからはリーグ戦の2試合目に入っていくので、しっかりと反省する部分は反省して、ただ、自分たちの立ち位置はしっかり決まっていて、ボールを持ってポゼッションしまくるわけでもなく、どん引きしてカウンターを狙うわけでもなく、我々はRBなので、ボールを奪いにいって、必要であれば早く進めるし、必要であればしっかりボールを握るという、第3の立ち位置としてしっかり構築していくことと、今日、立ち位置を確認できたので、自分たちのスタイルでしっかり進んでいきたいと思います。
選手コメント
途中交代の形が緊急ではあったんですけど、それまでラッソ(ファビアンゴンザレス)がすごい良い形でバトンを引き継いでくれましたし、ハーフタイムもラッソが「頑張れ」って声をかけてくれたので、ラッソの分も、という思いを背負ってピッチに立ちました。交代で入るときに(長澤)徹さんからも「思いきっていけ」と言ってもらったので、僕自身しっかりストロングから入ろうと思ってピッチに入りました。

今日の試合はセットプレーが勝負を分けるという話もしていましたし、結果的にもセットプレーで2発でした。こぼれてくるなっていう予感はしたので、その中で相手より早く反応して、泥臭いゴールではありましたけどストライカーとして勝利に導くというところではしっかり仕事ができたなと思います。

ゴールしたときの皆さんの声援もすごくて、一瞬時が止まったような感覚になって頭が真っ白でした。自分がどういうパフォーマンスしたかも覚えてないんですけど、人生で一番気持ち良かった瞬間でした。

今日はしっかり僕自身も喜びたいと思いますけど、リーグ戦は残り37試合続きますし、ゴールした以外のシーンでも決めきれるようにしないといけないですし、そういった面では課題も多いので、しっかり日々の練習から積み重ねて残りの37試合戦って、最終的には昇格できたって言えるようなシーズンにしていきたいです。

今日みたい満員のスタジアムでプレーできるっていうのは僕たちもすごく力になりますし、選手冥利に尽きるなと思います。次の甲府戦もやっぱりファン・サポーターの方々とともに僕たちも戦いたいので、またすばらしい後押しをお願いします。
しっかりとやることをやる、というのを示せた試合だったかなと思います。自分としてもすごくうれしい出来だと思います。ただこれからという意味ではもっともっと直せる部分もありますし、もっとよくできる部分がいっぱいあると思います。

サッカーは組織でやるものなので、まずはチームがすばらしいというのが第一なのかなと思います。そこがないとやっぱり僕たちは勝つ負ける以前の問題だと思っているので、チームがしっかりとやることをやれた、やりたいことをやれたというのがまずなによりもプラスなのかなと思います。チーム戦なので、仲間を励ますところから助けるところまでがチームの一環ですし、その中で自分が仲間を勇気づけたり、自分が引っ張られたりすると思うので、みんなにもっとプラスのエネルギーを分かち合えたらなと思っています。

勝ったのは事実としてうれしいことですけど、まず初戦なのでここで何か生まれたとかではなく、ただの1試合目なだけなので、そこに関してはちゃんと地に足をつけて、冷静に考えなきゃいけないかなと思います。自分たちが勝ったからといってミスがなかったわけではないですし、もっともっと伸ばせる点も修正できる点もいっぱいあるので、そういう意味では変に勘違いしないようすることが大事なのかなと思います。

自分にとっては移籍後初の公式戦でしたが、バスを降りたタイミングで鳥肌が立つぐらいサポーターの皆さんからものすごいエネルギーを感じましたし、これからも間違いなく自分たちのモチベーションの第一はそこかなというのを改めて感じました。

昇格はチームとしても狙っていますけど、今日はあくまで38試合のうちの1試合なので、自分たちを勇気づけるという意味ではいいスタートかなと思うんですけど、そこはやっぱり勘違いせずにしっかりと一歩一歩一段一段上っていくというイメージでいます。チームはもっともっと良くなると思いますし、そういう意味でも組織として強くなれるのかなと思います。
得点シーンは最後は僕が決めましたけど、一人ひとりが役割をこなして取れたゴールだったので、チーム全員のゴールだと思います。個人的には開幕戦でゴール決めたことがなかったので、すごくうれしいです。

体制が変わって注目されているのを感じていましたし、満員のスタジアムですごく良い雰囲気の中で試合ができて、勝利で終えれたのでひとまずホッとしています。毎年そうですけど、開幕戦にスタメンで出れるというのはすごく幸せを感じます。いろいろな人のサポートがあってできていることなので、ピッチに立って表現したいなと思って毎年臨んでいます。

自陣のゴール前の対応に関しては粘り強くできたなと感じていますけど、本来やりたかった前から奪いにいくというところでは今日はチームのコンパクトさが足りなかったので、まだまだ完成度は低かったなと感じています。ただ開幕戦は内容よりも結果を出すことが大事だと思うので、自分たちの思いどおりにできなくてもそれでも勝つというのは去年からずっと大事にしてきたことですし、そこは変わらないので、どんな試合展開でも最後は勝つという意志を強く持っていた結果だと思いますし、そこが良かったなと思います。

簡単に中に入らせて失点してしまったのはチームとしてもっとうまく対応しないといけなかったかなと感じますけど、連携次第ではもっと良くなると思っています。ただ開幕戦を勝利で終えるというのはすごく大事だと思います。幸い次もホームでできるので、2連勝して良いスタートを切りたいなと思います。
フォトギャラリー

(写真:早草紀子)

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