明治安田J2リーグ 第11節
2025.4.25 [FRI] 19:00 NACK

大宮

VS

札幌

相手は手練れの多い札幌。 “最初”から“最後”まで果敢に挑む
9年ぶりにJ2の舞台に立つ札幌との一戦。札幌は10試合を終えて17位と低迷しているが、昨季まで8シーズンに渡ってJ1を戦い抜いてきた実績と経験がある。

青木亮太、髙尾瑠、高嶺朋樹は、そろってJ1で130試合以上の出場歴を誇る。ここまでは途中出場の多い長谷川竜也、荒野拓馬も百戦錬磨の強者と言っていい。目の前の試合、目の前の相手に全力でぶつかる大宮の姿勢は、今節も変わらない。

今季から新たに札幌を指揮する岩政大樹監督は、ミハイロ・ペトロヴィッチ前監督が7年をかけて確立したスタイルの「進化と前進」をテーマに、攻撃的なサッカーを志向している。その一方で失点の多さが目立ち、ここまでクリーンシートは1試合のみ。17失点はリーグで3番目に多い。開幕当初に用いた3バックから4バックにシステムを変更して失点は減りつつあるものの、つけ入るスキは少なくない。

札幌はここまで、立ち上がりと終了間際の失点が多い。試合開始15分までと76分以降の失点が計9点。総失点の半数以上を占める。失点シーンを振り返ると、相手に対する寄せや体の向きが甘く、ゴール前に人数を割きながら防げていない場面が散見する。ホームゲームを戦う大宮は、キックオフから果敢に襲いかかることで先制点を奪い、追加点を決め、決定力のある交代選手の力も借りて終盤に突き放したいところだ。

大宮は、相手ゴール前で複数人が関与する組織的な崩しや、素早い切り替えから時間をかけずに攻めるショートカウンターを磨いてきている。たとえゴール前に守備ブロックを築かれたとしても、泉柊椰には単独あるいは連係から守備網を突破するドリブルがある。歓喜の瞬間は、きっと訪れる。

(文:粕川哲男)

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監督コメント
札幌は上のステージでやっていたチームですし間違いなく強いので、しっかりとチームをとらえてゲームをしていかなければ難しくなると思っています。どのポジションにもこの市場の中では価値のある選手が揃っていますし、全般的に質が高くて強いチームだと思っています。

秋田戦、今治戦とアウェイが続いて、次はまたフェーズや臨み方も変わってきますが、アウェイが2つ続くのはスケジュール的にはあと2回あって、1回は思い切り間隔が空くので実質的には1回で、アウェイ連戦をどう乗り切っていくかということがこの秋田戦、今治戦のテーマでした。最高強度のチームとのアウェイでの対戦が最初に2つ来た中で、我々らしく圧に対して屈することなく圧でしっかり返すことができて、そこはチームの根幹のところなのでそれを確かめることができたというのはあります。ただ、札幌戦はまた全然別のフェーズで、質が高く個人的にはJ1の上のレベルでやっていた選手ばかりなので、そういう意味ではしっかりとまた別の準備をして臨みたいです。

札幌戦に関しては、ゲームのフェーズがはっきりするというか、我々がしっかり受けなければいけない時間や状況も来ますし、逆に我々のが押し込む状況も来ますし、やり合う状況も来ると思います。そこに対するマインドセット、心構えだけはちゃんと持っておかなければいけなくて、ちょっと入られたからオタオタしたりとかちょっと攻め込んでいるからフワッとしたりとか、そういったことがないようにしっかり準備して入っていきたいと思います。

10試合が終わって悪くはないですし、かといって最高でもないですし、ただフィニッシュが一番大事だと選手には話しています。大筋では間違った方向にはいっていないのですが、口で言ってもダメで結果や体感で感じなければいけないので、「変な方向に入っていないよね」という話は全体で確認してまとめています。

ホームでの声援は本当に力になっていて、我々がアグレッシブなプレーをすれば即反応してくれますし、それで選手がなんでもやれるような感覚を得られているのは事実なので、感謝しかないですしこれからもお願いしたいです。

出来上がったチームは別ですが、リーグ前半戦は基本的にはラージグループの中で競争をしながら終盤に向かっていくというチームの作り方をしていますので、誰がどう出てもということは選手には常に問いかけていますし、札幌に対してまずはチームの最大値が出せるような組合せで臨んでいきたいと思います。

連戦と言えど1試合1試合なので、2試合先とか3試合先を見るのではなくて、1ゲーム1ゲームということはチームで統一しています。ヨーロッパに出て行ったらこれが永遠に続くという話はよくしていて、向こうでは当たり前なので、淡々とやっていくつもりです。
選手コメント
前節の今治戦は後半のスタートからの出場になりましたが、相手の2トップがストロングだということはわかっていましたし、そこをしっかり抑えることが自分の役割だと思って試合に入りました。無失点で終われたことはよかったと思いますが、勝ち切ることができなかったので、後ろはこのまま続けてあとは点が取れればと思いますし、次の札幌戦は必ず勝ちたいです。

相手の2トップはシンプルに体が強かったですが、そういった相手に対してどう対応していくかという部分で、駆け引きであったり頭を使うことが大切になってくるなと身をもって感じた部分もありましたし、次に対戦する札幌にも似たような特徴を持った選手がいるので、シンプルな能力の部分で負けないこともそうですが、そういった駆け引きの部分でも上回りたいなと思っています。

札幌はずっとJ1でやっていたチームですし、パワーはあると思うのでしっかりリスペクトしながら戦っていければと思います。自分たちは去年J3にいたチームなので、去年までJ1にいたチームと対戦ができるという部分ではチャレンジャー精神を持ってやっていきたいです。

ホームでの試合は勝手にパワーが入るというか、サポーターの皆さんの声援が本当に力になっていて結果も伴っているので、それは継続していきたいです。アウェイは難しい部分があったり慣れない環境の中でプレーしなければいけないので、より強い気持ちが必要になってくるなということは去年から思っています。ここからはまた連戦になりますが、やっぱり総力戦になると思います。11人だけで勝てるわけではないですし、全員でしっかり戦って、この連戦でいかに勝点を取れるかが大事になってくると思っています。
今治戦はシャドーでの出場でしたが、自分たちがもう少し高い位置でボールを奪うことができればもっと高い位置から攻撃できたと思いますし、もっと追い込んでボールを取り切る部分などは回数を増やしていかなければいけないなと感じた試合でした。シャドーとして、ファーストディフェンスの部分でプレッシャーのスイッチを入れることと、コースは限定できていても前の2トップが強力だったのでそこへのボールの質を落とさせることを意識していましたが、もう少し質や回数を下げることはできたのではないかと思っています。チームとしてはあのような強度の中でゼロに抑えたということは大事なことですが、それで点を取ることができなかったというところは、まだまだ成長しなければいけないと感じました。

毎試合が決勝戦のつもりで戦っているので、今週も札幌戦に向けてその準備をやり続けています。相手どうこうよりも、僕たちは常にチャレンジしていく姿勢を持ち続けなければいけない立場で、自分たちから仕掛けることもそうですし、攻撃だけではなく守備でもそういった姿勢を大事にしているので、それを相手にぶつけるだけかなと思っています。

ここまで10試合を戦って、簡単な試合やラクな試合はもちろんないですし、それは去年のJ3でも一緒でギリギリの戦いの中で一つひとつ勝つことだけを考えてやり続けているので、もちろん強度や質は高くなっていますが、考え方は去年と大きくは変わっていないのかなと思います。

NACKの雰囲気というのは、僕たちにとってはすごくパワーになりますし、相手がプレーしにくい空気感を作ってくれているのは間違いなくスタジアムに足を運んでくださる方々のおかげです。去年以上に一緒に熱く戦ってくれていることを僕たち選手も感じていますし、やっぱりスタジアムが一体となってチームが一つになる強さというのは、バラバラで戦うよりも間違いなく強いチームになるので、僕たちは結果で応えられるような準備をして、プレー、姿勢で示していかなければいけないと思っています。

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