JリーグYBCルヴァンカップ 1回戦
2025.3.26 [WED] 19:00
NACK
大宮

- 40' オリオラ サンデー
- 89' 浦上 仁騎
- 99' 富山 貴光
3
-
3
1
前半
1
1
後半
1
1
延前
1
0
延後
0
7
PK
6
いわき

- 16' 石渡 ネルソン
- 58' 石渡 ネルソン
- 102' 加瀬 直輝
- フジテレビONE
- スカパー!
試合経過
中2日で問われる“ベース”の力。 カギはセットプレーの工夫と精度

J2第6節から中2日での一戦となる。週末に第7節が控えていることを踏まえても、両チームともに直近のリーグ戦からメンバーを入れ替えて臨む可能性が高い。だとすれば、この試合で問われるのはチームのベースだろう。選手の入れ替えがあったとしても、リーグ戦と同じような戦い方ができるか。チームの特長を出せるのかが大事になってくる。
大宮と同じようにいわきも、3バックを採用している。中盤の立ち位置は試合によって微妙に異なるものの、ミラーゲームの要素は確実にある。両チームともに高いプレー強度を求めていることも含めて、目の前の相手に1対1で負けないことが勝敗を左右する。
いわきはリーグ戦未勝利だが、長澤徹監督は「(そういう)前提条件はつけない」と言う。同時に「ダメージは実際に存在しているので、(相手が未勝利という)このシチュエーションでは先制点はものすごく大事になる」と語る。先制点の重要性はこの試合に限ったことではないが、相手の心理状態を探れば大きな意味を持つ。試合を優位に進めることにつながるはずだ。
先制点奪取のポイントには、得意とするセットプレーを生かしたい。いわきは直近のリーグ戦で、CKの守備でゾーンディフェンスを採用している。いわきは空中戦に強いデータもあるが、ゾーンのすき間へ入り込むことでフィニッシュへ結びつけることはできるはずだ。ゴール前の空中戦で競り勝つことはもちろん、キッカーを務める選手が精度の高いボールを供給できるのかも、得点へのカギになりそうだ。どのようなメンバーで臨むことになっても、チームとしての総合力や地力を発揮して勝利を手繰り寄せたい。
(文:戸塚啓)
大宮と同じようにいわきも、3バックを採用している。中盤の立ち位置は試合によって微妙に異なるものの、ミラーゲームの要素は確実にある。両チームともに高いプレー強度を求めていることも含めて、目の前の相手に1対1で負けないことが勝敗を左右する。
いわきはリーグ戦未勝利だが、長澤徹監督は「(そういう)前提条件はつけない」と言う。同時に「ダメージは実際に存在しているので、(相手が未勝利という)このシチュエーションでは先制点はものすごく大事になる」と語る。先制点の重要性はこの試合に限ったことではないが、相手の心理状態を探れば大きな意味を持つ。試合を優位に進めることにつながるはずだ。
先制点奪取のポイントには、得意とするセットプレーを生かしたい。いわきは直近のリーグ戦で、CKの守備でゾーンディフェンスを採用している。いわきは空中戦に強いデータもあるが、ゾーンのすき間へ入り込むことでフィニッシュへ結びつけることはできるはずだ。ゴール前の空中戦で競り勝つことはもちろん、キッカーを務める選手が精度の高いボールを供給できるのかも、得点へのカギになりそうだ。どのようなメンバーで臨むことになっても、チームとしての総合力や地力を発揮して勝利を手繰り寄せたい。
(文:戸塚啓)
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選手コメント
シーズン当初はU-20日本代表の活動で自分は不在でしたが、チームがいい流れで来てくれて、1敗こそしましたが内容的にもいい状態なので、これを維持しつつ内容も結果ももっと上げていけるように頑張っていければと思います。
攻守において今シーズンは良くなっていると思いますが、チャンスがある中で決め切らなければいけないですし、前半のうちにゲームを終わらせることができた試合も多くあった中で決め切れずに、自分たちで自分たちを苦しめている試合もあったので、そこは前線の選手とか後ろの選手とかは関係なくもっともっと突き詰めたいですし、今は失点数も少ないのでこの調子で後ろも前も頑張りたいです。
個人としては、山口戦、鳥栖戦、水戸戦と、だんだんコンディションも上がってきていますし、プレーも良くなってきているのでこの調子で頑張りたいです。ただ、シーズン当初に「点が取れるCBになる」と言った中でまだ点が取れていないので、無失点ということだけではなく得点にもこだわっていきたいです。
次はルヴァンカップになりますが、獲れるタイトルはすべて獲りたいですし、アピールできる大切な場でもあるので、チーム全体としてバラバラにならずに全員で戦っていきたいと思っています。
勝ち進んで上位のリーグのチームと対戦できることは楽しみですし、やれる自信もあります。ニューヒーロー賞はあくまでもチームが勝ち進むことでついてくるものなのであまり意識することはありませんが、受賞している選手は名だたる選手ばかりなので自分も受賞できるように頑張りたいです。
いわきはフィジカルが強い印象がありますが、相手は関係なくやるべきことをやってしっかり勝ちたいです。
攻守において今シーズンは良くなっていると思いますが、チャンスがある中で決め切らなければいけないですし、前半のうちにゲームを終わらせることができた試合も多くあった中で決め切れずに、自分たちで自分たちを苦しめている試合もあったので、そこは前線の選手とか後ろの選手とかは関係なくもっともっと突き詰めたいですし、今は失点数も少ないのでこの調子で後ろも前も頑張りたいです。
個人としては、山口戦、鳥栖戦、水戸戦と、だんだんコンディションも上がってきていますし、プレーも良くなってきているのでこの調子で頑張りたいです。ただ、シーズン当初に「点が取れるCBになる」と言った中でまだ点が取れていないので、無失点ということだけではなく得点にもこだわっていきたいです。
次はルヴァンカップになりますが、獲れるタイトルはすべて獲りたいですし、アピールできる大切な場でもあるので、チーム全体としてバラバラにならずに全員で戦っていきたいと思っています。
勝ち進んで上位のリーグのチームと対戦できることは楽しみですし、やれる自信もあります。ニューヒーロー賞はあくまでもチームが勝ち進むことでついてくるものなのであまり意識することはありませんが、受賞している選手は名だたる選手ばかりなので自分も受賞できるように頑張りたいです。
いわきはフィジカルが強い印象がありますが、相手は関係なくやるべきことをやってしっかり勝ちたいです。
ここまでは途中出場のみですが、少ない時間の中でどれだけチームの流れを変えられるかであったり、ゴールやアシストを狙っている中で、100%満足できるパフォーマンスではないものの、水戸戦もそうですが自分が入って流れが変わって勝ちをもたらせるゲームもあったので、そういう面では手応えを感じています。
水戸戦はアルトゥール(シルバ)のアクシデントで入りましたが、前半からチャンスはあったのでそこを決め切れるかというところと、あの時間は少し停滞していたのですが前に(オリオラ)サンデーとかもいましたし、自分が入ってうまく使うことを意識していました。短い時間の中で結果を出すことが求められていますし、そこを自分だけではなく途中から出る選手全員が意識して試合に入っているからこそ、今のこういう結果があるのかなと思います。
チームの状態はすごくいいと思います。勝っていることもありますし、キャンプから全員で「練習から試合のように」と言ってきたのですが、練習が試合のような強度と熱量でそれを全員が出せているというのは強いチームだと思いますし、ゲームにも表れていると思います。メンバーに入る入らないにかかわらず、一つの試合に向かってみんなが団結していることを今の時点でもすごく感じているので、もっともっと良くなっていくかなと思っています。
昨年は特別指定でルヴァンカップに出場しましたが、メンバーも総入れ替えという感じでしたし、自分の良さを出したりチームに貢献することができなくて悔しかった思い出があるので、1年経ってこれぐらい変わったというところを次のいわき戦に自分が出たら示したいです。
いわきとはまだ自分は対戦したことがないですが、相手も連戦でメンバーを入れ替えてくることが想定されますし、いつも試合に出ていないような選手も出てくると思います。いろいろな思いを持っている選手や若い選手が出てきたりとかする中、自分たちもよりアグレッシブにやらないと難しい試合になるかなと思っています。
水戸戦はアルトゥール(シルバ)のアクシデントで入りましたが、前半からチャンスはあったのでそこを決め切れるかというところと、あの時間は少し停滞していたのですが前に(オリオラ)サンデーとかもいましたし、自分が入ってうまく使うことを意識していました。短い時間の中で結果を出すことが求められていますし、そこを自分だけではなく途中から出る選手全員が意識して試合に入っているからこそ、今のこういう結果があるのかなと思います。
チームの状態はすごくいいと思います。勝っていることもありますし、キャンプから全員で「練習から試合のように」と言ってきたのですが、練習が試合のような強度と熱量でそれを全員が出せているというのは強いチームだと思いますし、ゲームにも表れていると思います。メンバーに入る入らないにかかわらず、一つの試合に向かってみんなが団結していることを今の時点でもすごく感じているので、もっともっと良くなっていくかなと思っています。
昨年は特別指定でルヴァンカップに出場しましたが、メンバーも総入れ替えという感じでしたし、自分の良さを出したりチームに貢献することができなくて悔しかった思い出があるので、1年経ってこれぐらい変わったというところを次のいわき戦に自分が出たら示したいです。
いわきとはまだ自分は対戦したことがないですが、相手も連戦でメンバーを入れ替えてくることが想定されますし、いつも試合に出ていないような選手も出てくると思います。いろいろな思いを持っている選手や若い選手が出てきたりとかする中、自分たちもよりアグレッシブにやらないと難しい試合になるかなと思っています。
メンバー
スターティングメンバー
GK 1 早坂 勇希

DF 32 五十嵐 聖己
DF 37 山内 琳太郎
MF 6 坂岸 寛大
MF 30 木吹 翔太
MF 25 鵜木 郁哉

MF 13 村上 陽斗

MF 7 石渡 ネルソン
MF 20 加藤 悠馬

MF 34 久永 瑠音

FW 16 加藤 大晟
控えメンバー
GK 39 ジュ ヒョンジン
DF 33 ヒョン ウビン
DF 17 山田 裕翔


MF 8 柴田 壮介

MF 19 大西 悠介
MF 15 加瀬 直輝

FW 18 白輪地 敬大
FW 26 坂元 一渚璃

監督
田村 雄三
試合詳細
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|
---|---|---|
11 | シュート | 15 |
13 | GK | 7 |
7 | CK | 10 |
20 | 直接FK | 17 |
2 | 間接FK | 5 |
0 | PK | 0 |
試合データ
主審
松澤 慶和
副審
大川 直也
副審
清水 拓
第4の審判員
原田 雅士
入場者数
4,850人
天候
晴、弱風
ピッチ状態
全面良芝
気温/湿度
17.4℃/20%
HIGHLIGHT
数的不利を跳ねのけ、激闘の末にPK戦で勝利

鳥栖戦での今季初の敗戦をエネルギーに変えて、明治安田J2第6節で水戸を相手にしっかり完封勝ちを収めた大宮は、中2日でルヴァンカップ1回戦に臨んだ。
迎えたのは、4月末のリーグ戦でも対戦する難敵・いわき。対戦成績は2戦2敗。2年前のJ2リーグ、アウェイで逆転負けを喫し、ホームでも1-5で敗れた屈辱の記憶は消えていない。あのときの借りを返し、開幕から続いた連勝の流れを取り戻したい。
長澤監督は、鳥栖戦の翌日に行われた練習試合でも相模原に敗れた事実を「チームまるごとやられた」と受け止めている。その一方で、この3連戦は「チームが一丸となるチャンス」とも捉えており、全員で再び前へ進んでいくために、これまでと変わらぬ強度の高い練習を重ねてきた。
総合力が問われる一戦、システムは慣れ親しんだ3-4-2-1だった。先発のピッチに立ったのはGK加藤、最終ラインは村上、濱田、浦上の3人。両サイドは関口と安光。ピッチ中央で石川と和田がコンビを組み、前線にカプリーニ、谷内田、オリオラ・サンデーがポジションを取った。加藤、村上、和田は、ここまでリーグ戦での出場がなく、今季の公式戦初出場だ。
試合に飢えているフレッシュなメンバーは、立ち上がりから気持ちのこもった戦いを披露した。開始早々、キックの名手である島田裕介コーチが「最も可能性がある」と称賛する谷内田のFKのこぼれ球を安光が狙い、直後のカウンターは浦上が絶妙なカバーリングで食い止める。8分、ショートカウンターを受けドリブルシュートを許したが、ここは加藤が抜群の反応で弾き返した。
12分には、高い位置でのボール奪取からカプリーニが持ち込み、前を走るサンデーとワンツーを決めて左足を振る。ボールはわずかにゴールの右へ外れたが、あと一歩の決定機だった。
16分に先制されてからも攻守両面で積極性を失わず、守備陣は闘志溢れるプレーを見せる。3バックの中央で濱田がハイボールを弾き、村上と浦上が局面の戦いで優位に立つ。32分に村上が一発退場となり、残り時間を数的不利な状況で戦うことになっても、ゴールへ向かう姿勢は変わらない。
谷内田のシュートがクロスバーを叩いた直後の40分には石川のロングパスを前線で谷内田が収め、右のカプリーニへ展開する。深くえぐってからのクロスをサンデーが頭で捉え、強烈なヘディングシュートでスコアを振り出しに戻した。
濱田と浦上が中央を固め、関口と安光がサイドに回り、前線にサンデーが立つ4-4-1の格好でゲームを落ちつかせた前半は、ともに追加点のないまま1-1でハーフタイムとなった。
後半は、前へ出てくるいわきに対して耐える時間帯が続く。大宮は自陣でブロックを築き、サンデー、カプリーニ、谷内田のカウンターに懸ける。ただ、思うようにボールを運べない。サンデーが必死に手に入れたCKの場面も、谷内田のリターンを受けたカプリーニのクロスはシュートに結びつかなかった。
58分、ゴール前の混戦から再びリードを許して以降は、より苦しい展開に。さらなる失点を回避したい守備陣と1点が欲しい攻撃陣との距離が広がり、厚みのある攻撃を繰り出せない。リーグ開幕戦の怪我により戦列を離れていたファビアン・ゴンザレスがサンデーに代わってピッチに帰ってきてからも、我慢の構図のまま。相手CKからピンチを抜け出して、関口が長い距離をドリブルで運んでゴンザレスにつなぐが、いわきの厚い壁を崩すまでは至らなかった。
終盤は判定に対してフラストレーションを溜める場面が多くなり、なかなかゴールに迫れない。懸命にボールを運んでもチャンスは作れず、時間が過ぎていく。84分に富山と阿部も送り込んだ直後に、2人のお膳立てから和田がラストパスを送り、関口が放った左足のシュートは相手に防がれた。
それでも89分、ゴール裏を埋めたファン・サポーターの声援が鳴り響く中、安光のクロスに反応した浦上が頭でコースを変え、歓喜の同点ゴールを流し込んだ。アディショナルタイム、ゴンザレスが運び、石川が猛然と駆け上がってからの決定機はオフサイドとなったものの、逆転への期待を膨らませながら、試合は延長戦へ突入した。
スタッフを含め、全員で円陣を組んだ大宮は30分の死闘へ。99分、ゴンザレスの折り返しから富山が渾身のヘディングシュートを叩き込んだが、3分後にスローインのこぼれ球を押し込まれて3-3に。延長後半は攻守が激しく入れ替わり、お互いの勝利への執念が試されるような展開となった。
そして、両チームとも4点目を奪えずに迎えたPK戦。ホームの熱いファン・サポーター側のゴールで行われた一騎打ちは8人目までもつれる劇的な展開の中、2本を止めた加藤の活躍もあり、大宮の勝利で幕を閉じた。
試合後、長澤監督は「次に進むというミッションをクリアできてよかった」と冷静に語った。加藤は「ファン・サポーターの皆さんが後ろにいてくれて、本当に心強かったです。もう1、2本止められたと思いますが、味方がしっかり決めてくれましたし、やるべきことはできたかと思います」と言い、浦上は「今日は勝つことだけを考えていたので、2年前の悔しさとか邪念は捨てて試合に入りました。どこかで必ずチャンスはあると思っていたので、しっかりゴールを決められて、チームとして勝ち上がるところを達成できてよかったです」と振り返った。
激闘を制してルヴァンカップ2回戦に駒を進めた大宮は、より一層の団結力をもって、リーグ第7節の徳島戦に向かう。
(総評:粕川 哲男)
迎えたのは、4月末のリーグ戦でも対戦する難敵・いわき。対戦成績は2戦2敗。2年前のJ2リーグ、アウェイで逆転負けを喫し、ホームでも1-5で敗れた屈辱の記憶は消えていない。あのときの借りを返し、開幕から続いた連勝の流れを取り戻したい。
長澤監督は、鳥栖戦の翌日に行われた練習試合でも相模原に敗れた事実を「チームまるごとやられた」と受け止めている。その一方で、この3連戦は「チームが一丸となるチャンス」とも捉えており、全員で再び前へ進んでいくために、これまでと変わらぬ強度の高い練習を重ねてきた。
総合力が問われる一戦、システムは慣れ親しんだ3-4-2-1だった。先発のピッチに立ったのはGK加藤、最終ラインは村上、濱田、浦上の3人。両サイドは関口と安光。ピッチ中央で石川と和田がコンビを組み、前線にカプリーニ、谷内田、オリオラ・サンデーがポジションを取った。加藤、村上、和田は、ここまでリーグ戦での出場がなく、今季の公式戦初出場だ。
試合に飢えているフレッシュなメンバーは、立ち上がりから気持ちのこもった戦いを披露した。開始早々、キックの名手である島田裕介コーチが「最も可能性がある」と称賛する谷内田のFKのこぼれ球を安光が狙い、直後のカウンターは浦上が絶妙なカバーリングで食い止める。8分、ショートカウンターを受けドリブルシュートを許したが、ここは加藤が抜群の反応で弾き返した。
12分には、高い位置でのボール奪取からカプリーニが持ち込み、前を走るサンデーとワンツーを決めて左足を振る。ボールはわずかにゴールの右へ外れたが、あと一歩の決定機だった。
16分に先制されてからも攻守両面で積極性を失わず、守備陣は闘志溢れるプレーを見せる。3バックの中央で濱田がハイボールを弾き、村上と浦上が局面の戦いで優位に立つ。32分に村上が一発退場となり、残り時間を数的不利な状況で戦うことになっても、ゴールへ向かう姿勢は変わらない。
谷内田のシュートがクロスバーを叩いた直後の40分には石川のロングパスを前線で谷内田が収め、右のカプリーニへ展開する。深くえぐってからのクロスをサンデーが頭で捉え、強烈なヘディングシュートでスコアを振り出しに戻した。
濱田と浦上が中央を固め、関口と安光がサイドに回り、前線にサンデーが立つ4-4-1の格好でゲームを落ちつかせた前半は、ともに追加点のないまま1-1でハーフタイムとなった。
後半は、前へ出てくるいわきに対して耐える時間帯が続く。大宮は自陣でブロックを築き、サンデー、カプリーニ、谷内田のカウンターに懸ける。ただ、思うようにボールを運べない。サンデーが必死に手に入れたCKの場面も、谷内田のリターンを受けたカプリーニのクロスはシュートに結びつかなかった。
58分、ゴール前の混戦から再びリードを許して以降は、より苦しい展開に。さらなる失点を回避したい守備陣と1点が欲しい攻撃陣との距離が広がり、厚みのある攻撃を繰り出せない。リーグ開幕戦の怪我により戦列を離れていたファビアン・ゴンザレスがサンデーに代わってピッチに帰ってきてからも、我慢の構図のまま。相手CKからピンチを抜け出して、関口が長い距離をドリブルで運んでゴンザレスにつなぐが、いわきの厚い壁を崩すまでは至らなかった。
終盤は判定に対してフラストレーションを溜める場面が多くなり、なかなかゴールに迫れない。懸命にボールを運んでもチャンスは作れず、時間が過ぎていく。84分に富山と阿部も送り込んだ直後に、2人のお膳立てから和田がラストパスを送り、関口が放った左足のシュートは相手に防がれた。
それでも89分、ゴール裏を埋めたファン・サポーターの声援が鳴り響く中、安光のクロスに反応した浦上が頭でコースを変え、歓喜の同点ゴールを流し込んだ。アディショナルタイム、ゴンザレスが運び、石川が猛然と駆け上がってからの決定機はオフサイドとなったものの、逆転への期待を膨らませながら、試合は延長戦へ突入した。
スタッフを含め、全員で円陣を組んだ大宮は30分の死闘へ。99分、ゴンザレスの折り返しから富山が渾身のヘディングシュートを叩き込んだが、3分後にスローインのこぼれ球を押し込まれて3-3に。延長後半は攻守が激しく入れ替わり、お互いの勝利への執念が試されるような展開となった。
そして、両チームとも4点目を奪えずに迎えたPK戦。ホームの熱いファン・サポーター側のゴールで行われた一騎打ちは8人目までもつれる劇的な展開の中、2本を止めた加藤の活躍もあり、大宮の勝利で幕を閉じた。
試合後、長澤監督は「次に進むというミッションをクリアできてよかった」と冷静に語った。加藤は「ファン・サポーターの皆さんが後ろにいてくれて、本当に心強かったです。もう1、2本止められたと思いますが、味方がしっかり決めてくれましたし、やるべきことはできたかと思います」と言い、浦上は「今日は勝つことだけを考えていたので、2年前の悔しさとか邪念は捨てて試合に入りました。どこかで必ずチャンスはあると思っていたので、しっかりゴールを決められて、チームとして勝ち上がるところを達成できてよかったです」と振り返った。
激闘を制してルヴァンカップ2回戦に駒を進めた大宮は、より一層の団結力をもって、リーグ第7節の徳島戦に向かう。
(総評:粕川 哲男)
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監督コメント
平日のナイターにもかかわらず、5,000人近い人が集まってくれて、サポーターの方にはしっかり笑って帰っていただけるのでホッとしております。
カップ戦なので勝ち切って次に進むことがすべてなので、そういう意味ではしっかり次に進めてミッションはクリアできてよかったと思っています。ゲームの方はちょっと難しい状況になってしまったのですが、しっかりバランスを取りながらゲームを進めて、後半のアディショナルタイムで決め切れればよかったのですがそれを延ばしてしまって、ちょっと後ろまでいってしまったような形でした。ただ、明確に中ではリスクを冒すところとしっかりとバランス保つところとの息が合っていたので、なんとか勝ち筋を探しながらゲームを進められたと思います。難しいゲームだったのですが、選手がよく一つにまとまって、リスクのタイミングをしっかり見極めながらゲームを進められたと思っています。
カップ戦なのでまた次が大事なのでそれに向かうのと、次は日曜日にリーグ戦があるのでしっかりまた切り替えて次の準備に入りたいと思います。
カップ戦なので勝ち切って次に進むことがすべてなので、そういう意味ではしっかり次に進めてミッションはクリアできてよかったと思っています。ゲームの方はちょっと難しい状況になってしまったのですが、しっかりバランスを取りながらゲームを進めて、後半のアディショナルタイムで決め切れればよかったのですがそれを延ばしてしまって、ちょっと後ろまでいってしまったような形でした。ただ、明確に中ではリスクを冒すところとしっかりとバランス保つところとの息が合っていたので、なんとか勝ち筋を探しながらゲームを進められたと思います。難しいゲームだったのですが、選手がよく一つにまとまって、リスクのタイミングをしっかり見極めながらゲームを進められたと思っています。
カップ戦なのでまた次が大事なのでそれに向かうのと、次は日曜日にリーグ戦があるのでしっかりまた切り替えて次の準備に入りたいと思います。
選手コメント
前半に失点して、そこから一人少なくなって、苦しい状況でしたけど、一人ひとりがチームのために戦うことができたからこその結果だと思います。
去年ルヴァンカップで悔しい思いをしたので、その経験を生かすというところだけ、本当に一つのボールに集中するだけだったので、特に意識したことはないですけど、試合にうまく入ることだったり、試合の前後、立ち上がり、終わり方は意識してやっていました。
基本的にシュートブロックはディフェンス陣がみんな体に当ててくれますし、DFがコースを切ってくれてGKとして守るコースを限定できたりするのは、今日というより普段の練習から積み上げてきたものがあると思います。3失点してしまいましたけど、ある程度のところはディフェンス陣が助けてくれた部分もあるかなと思います。
PK戦は前日の練習からいい感触はあったので、あとは自分を信じて思いっきり飛ぶだけでした。「ヒーローになれるチャンスだぞ」とみんなから優しい声をかけてもらったので、リラックスしてプレーすることができました。
勝っても負けても次が大事だと思うので、まずは週末の徳島とのリーグ戦の準備をして、チーム一丸となって戦っていけたらなと思います。
去年ルヴァンカップで悔しい思いをしたので、その経験を生かすというところだけ、本当に一つのボールに集中するだけだったので、特に意識したことはないですけど、試合にうまく入ることだったり、試合の前後、立ち上がり、終わり方は意識してやっていました。
基本的にシュートブロックはディフェンス陣がみんな体に当ててくれますし、DFがコースを切ってくれてGKとして守るコースを限定できたりするのは、今日というより普段の練習から積み上げてきたものがあると思います。3失点してしまいましたけど、ある程度のところはディフェンス陣が助けてくれた部分もあるかなと思います。
PK戦は前日の練習からいい感触はあったので、あとは自分を信じて思いっきり飛ぶだけでした。「ヒーローになれるチャンスだぞ」とみんなから優しい声をかけてもらったので、リラックスしてプレーすることができました。
勝っても負けても次が大事だと思うので、まずは週末の徳島とのリーグ戦の準備をして、チーム一丸となって戦っていけたらなと思います。
今日は試合に勝つことだけを考えていたので、余計なことや邪念をすべて取っ払って、試合に入りました。
10人になって厳しい状況で、時間帯的にも苦しかったですけど、結果を見て言えてるのかもしれないですけど不思議と負ける気はしなくて、自分自身もチームもどこかでチャンスは絶対何本もあると思っていました。その中で自分も一本をしっかり決めれたのは良かったかなと思います。
個人的にはリーグ戦にスタートから出ることがなかなかなくて、いろいろな思いを思っているだけではなくてピッチで出さないといけないので、そういうのを今日すべて出したいと思っていました。今日はリーグ戦ではなくてカップ戦なのでパフォーマンスどうこうというより勝ち上がったことがすべて評価につながると思うので、まずそこの勝ち上がるというところを達成できたのは良かったかなと思います。
崩されてやられるとかだったらまだ切り替えができますけど、今の僕たちの守備でビビってやられるとか、守れそうな守備でやられてしまうとか、体を張れるはずなのにやられるとかは、チームとしても個人としても許せない状況なので、だからこそ体を張ってそこを見てくれているのは一番うれしい評価だと思います。ただそこの質はもっと上げていければいいかなと思います。
今日PKで勝てたのは僕たちというよりかは間違いなくゴール裏で一緒に戦ってくれたファン・サポーターの方々のおかげだと思います。これからカップ戦もリーグ戦もまだまだ続きますけど、勝ってるときだけではなくて、負けてるとき、苦しい状況のときこそ、一緒に戦ってほしいなと思っています。
10人になって厳しい状況で、時間帯的にも苦しかったですけど、結果を見て言えてるのかもしれないですけど不思議と負ける気はしなくて、自分自身もチームもどこかでチャンスは絶対何本もあると思っていました。その中で自分も一本をしっかり決めれたのは良かったかなと思います。
個人的にはリーグ戦にスタートから出ることがなかなかなくて、いろいろな思いを思っているだけではなくてピッチで出さないといけないので、そういうのを今日すべて出したいと思っていました。今日はリーグ戦ではなくてカップ戦なのでパフォーマンスどうこうというより勝ち上がったことがすべて評価につながると思うので、まずそこの勝ち上がるというところを達成できたのは良かったかなと思います。
崩されてやられるとかだったらまだ切り替えができますけど、今の僕たちの守備でビビってやられるとか、守れそうな守備でやられてしまうとか、体を張れるはずなのにやられるとかは、チームとしても個人としても許せない状況なので、だからこそ体を張ってそこを見てくれているのは一番うれしい評価だと思います。ただそこの質はもっと上げていければいいかなと思います。
今日PKで勝てたのは僕たちというよりかは間違いなくゴール裏で一緒に戦ってくれたファン・サポーターの方々のおかげだと思います。これからカップ戦もリーグ戦もまだまだ続きますけど、勝ってるときだけではなくて、負けてるとき、苦しい状況のときこそ、一緒に戦ってほしいなと思っています。
今日は本当に絶対出たいと思っていました。こんな試合展開になるとは思っていなかったですけど、そんな試合に出て勝てたのは持ってるのかなと思いますし、今後のリーグ戦でもデビューできるように頑張りたいと思います。
3点目のシーンは、前にファビアン(ゴンザレス)という良いターゲットがいたので、高いボールを出せばファビアンが勝ってくれてチャンスになるかなと思っていて、実際うまくいってよかったなと思います。
監督が求めている走ることだったり最後壁になるところだったりは今日出せたなと思いますし、右SBに入っても自分自身できるなという感覚はあったので、ネガティブな感じはなかったです。どこで出ても自分の良さというのは出して、チームに貢献したいなと思います。
大勢のサポーターの皆さんの前でプレーするという非日常のようなこの舞台でプレーしたいとずっと思っていました。ピッチの中に入ってみると皆さんの応援が本当に力に変わるなというのを実感したので、もっともっとサポーターの皆さんの前でプレーしたいなという気持ちがよりいっそう強くなりました。
3点目のシーンは、前にファビアン(ゴンザレス)という良いターゲットがいたので、高いボールを出せばファビアンが勝ってくれてチャンスになるかなと思っていて、実際うまくいってよかったなと思います。
監督が求めている走ることだったり最後壁になるところだったりは今日出せたなと思いますし、右SBに入っても自分自身できるなという感覚はあったので、ネガティブな感じはなかったです。どこで出ても自分の良さというのは出して、チームに貢献したいなと思います。
大勢のサポーターの皆さんの前でプレーするという非日常のようなこの舞台でプレーしたいとずっと思っていました。ピッチの中に入ってみると皆さんの応援が本当に力に変わるなというのを実感したので、もっともっとサポーターの皆さんの前でプレーしたいなという気持ちがよりいっそう強くなりました。
いわきは、強度が高くて非常に前進する力が強いチームで、ハードワークというか、誰1人サボっていないなというのは映像でも確かめていますし、非常に力強いチームだと思っています。ここまでのリーグ戦で勝利こそありませんが、先日の今治戦は退場者が出て少しアンラッキーな部分もありましたし、我々が敗れた鳥栖にはしっかり引分けています。まだ序盤戦なのであまり前提条件はつけないようにしていますが、このシチュエーションだと、当然我々のイメージとしては先取点がものすごく大事になります。ある意味ダメージという意味では実際には存在しているので、立ち上がりとか、ホームでできるのでやっぱり先取点はすごく大事になると思うのですが、ただそれは毎試合言い続けていることなので、特別なことではないと思っています。
先週行われたルヴァンカップの試合を観ていても、一発勝負なのでやっぱりカテゴリの壁がほとんどなくなってしまうというのがありますが、今回に関しては同カテゴリなので逆に意識せずに戦えますし、余計なことを考えなくていいという意味ではいい組み合わせだと思っています。
いわきは縦に速いチームですが、単純に受けないことというか、出された矢印に対して刺し返さなければいけないので、基本的に受けに回っていたら持っていかれてしまうチームなので、そこはもう我々らしく、しっかり押し返せる準備とか、やり合いになっても決定力でしっかりと勝負を勝ち切る準備はしっかりしていきたいと思います。
先週は鳥栖戦と練習試合で2回負けて、今週は2連勝しようとやっていますが、水戸戦が終わったあとに話したのは、リカバリーはこの2試合で、チーム全体で負けたのでチーム全体で勝つということで、半分結果は残したけどあともう半分と全員でとらえています。今シーズン最初の敗戦だったのですが、それを全体でカバーすることに対してもう目線は揃っていますので、逆に言ったら普段どおりに試合に向けた準備は進んでいます。