Jリーグ ディビジョン1 第3節
2013.3.16 [SAT] 15:00
NACK
大宮
- 76' 富山 貴光
1
-
1
0
前半
0
1
後半
1
新潟
- 90+2' 金 根煥
試合経過
メンバー
スターティングメンバー
GK 1 北野 貴之
DF 30 渡部 大輔
DF 2 菊地 光将
DF 17 高橋 祥平
DF 8 下平 匠
MF 13 渡邉 大剛
71'
MF 6 青木 拓矢
MF 23 金澤 慎
MF 9 チョ ヨンチョル
FW 11 ズラタン
FW 19 ノヴァコヴィッチ
83'
控えメンバー
GK 21 江角 浩司
DF 34 片岡 洋介
MF 24 鈴木 規郎
MF 7 上田 康太
MF 5 カルリーニョス
FW 28 富山 貴光
71'
FW 32 長谷川 悠
83'
監督
スターティングメンバー
GK 1 黒河 貴矢
DF 39 坪内 秀介
68'
DF 3 大井 健太郎
DF 4 金 根煥
DF 19 金 珍洙
MF 6 三門 雄大
MF 8 レオ シルバ
MF 18 成岡 翔
79'
MF 23 田中 亜土夢
FW 11 ブルーノ ロペス
FW 9 田中 達也
64'
控えメンバー
GK 31 竹重 安希彦
DF 5 濱田 水輝
DF 36 菊地 直哉
68'
MF 15 本間 勲
FW 16 岡本 英也
FW 20 川又 堅碁
64'
FW 28 鈴木 武蔵
79'
監督
試合詳細
7 | シュート | 13 |
---|---|---|
13 | GK | 8 |
6 | CK | 2 |
11 | 直接FK | 17 |
1 | 間接FK | 3 |
0 | PK | 0 |
試合データ
主審
今村 義朗
副審
西尾 英朗
副審
武田 光晴
第4の審判員
荒木 友輔
入場者数
10,485人
天候
晴、弱風
ピッチ状態
全面良芝、乾燥
気温/湿度
20.8℃/20%
痛恨……。土壇場で今季ホーム初勝利を逃す
J1第3節。1勝1分で6位につけるアルディージャが、2連敗で最下位の新潟を“聖地”NACK5スタジアム大宮に迎えた。昨シーズンの第24節からリーグ戦の不敗記録を13試合に伸ばしているアルディージャは、今シーズンホーム初勝利を奪い、さらに勢いを増したいところ。清水との開幕戦は2点を先行しながら残り10分を切って追いつかれる展開だっただけに、今日こそはしっかり白星を飾りたい。一方、18チームで唯一連敗中の新潟も3連敗は避けたいはず。両チームともに勝点3を譲れない一戦だ。
「2連敗中なので大宮に勝ちたいと言っていました。でも、ホーム初勝利がかかってるし、チームの調子もいいので僕が点を取って勝ちますと返しておきました(笑)」。決戦を前に、チョ ヨンチョルは仲のいいキム クナンと、そんな会話を交わしたと言う。互いの意地が激突する“オレンジダービー”。試合は快晴の下、15時3分にキックオフされた。
ともに4-4-2のフォーメーションを採用する両チームの戦いは、ピッチの至るところでマッチアップの様相を呈しつつ、一進一退の展開となった。立ち上がりから目まぐるしく攻守が入れ替わり、ボールが行き交う。アルディージャの攻撃の中心は、前線でコンビを組むノヴァコヴィッチとズラタンのスロベニア代表コンビ。この試合を終えると母国でのW杯予選アイスランド戦に参戦する2人は「大事なのは新潟戦。代表のことよりも新潟に勝つことだけを考える」と口を揃えたとおり、気迫に満ちたプレーを見せた。
攻撃のスイッチを入れたのは、金澤と青木のダブルボランチだ。身体を張ったプレーでボールを奪うと、いち早く2トップにクサビのパスを入れる。金澤のスルーパスを受けたズラタンが切り込む場面、青木のサイドチェンジから下平、チョ ヨンチョルがつないでゴールへ迫る場面が観衆を沸かせる。いずれも決定機には至らなかったが、マイボールをムダなく前線へ運ぶ攻撃には迫力があり、得点の匂いが感じられた。
守備も危なげなく、新潟にチャンスを作らせなかった。菊地と高橋が中央で壁となり、金澤と青木も素早く戻ってブルーノ、田中達の2トップに仕事をさせない。28分には相手スローインをブルーノにオーバーヘッドでつながれてピンチとなるが、渡部がダイビングヘッドでゴールを死守した。
前半45分は両チームともに主導権を握れず、どちらに先制点が入ってもおかしくない緊張感のなか、スコアレスで終了した。
ベルデニック監督から「相手はアグレッシブに来ている。我々はシンプルに自分たちのサッカーをしていこう」と声を掛けられた選手たちは後半、徐々にリズムをつかみ始める。60分には相手のカウンターを防いで逆にカウンターを仕掛け、ノヴァコヴィッチのスルーパスを受けたズラタンがフィニッシュに持ち込む。左サイドのチョ ヨンチョルと下平のコンビネーションも冴え、巧みなパス交換からゴールへの圧力を高めていく。
そして76分、「新潟の左サイドバックを抑えつつ攻撃を仕掛けるうえで、フィジカルが強く運動量が豊富なので適任だと思った」(ベルデニック監督)というルーキーの富山が、出場の5分後に歓喜をもたらした。富山のパスを受けたズラタンが倒されてつかんだFK。下平のクロスに頭で応え、待望の先制点につなげたのだ。「(下平)匠くんからのボールが良かったし、サポーターの後押しがなかったらあの位置まで行けなかった。サポーターと匠くんのおかげです」というゴールで、スタジアムのボルテージは最高潮に達した。
1点をリードしたアルディージャはボール支配率を高め、チョ ヨンチョルのドリブルを軸に追加点を狙った。ところが、「2点目を取られていたら今日のゲームは終わりだった」(柳下監督)という流れのなか試合を決めることができない。新潟のパワープレーの前に冷静さを失い、次第に押し込まれてしまう。そして3分のアディショナルタイムも2分を過ぎた92分、攻撃参加したキム クナンに同点ゴールを許してしまった。1分後、高橋がボールを運び、チョ ヨンチョルと長谷川がつないだボールをズラタンが狙ったが、そのシュートが左に外れた瞬間、タイムアップの笛が鳴り響いた。
アルディージャは開幕戦に続きリードを守れず、勝点2を失う格好のドローに終わった。試合後、青木は「もったいない。3連勝できた可能性もある」と語った。目の前で勝利を逃した悔しさは、チーム全員に共通する思いだろう。とはいえ、不敗記録は続いている。「まだまだ安定感は十分ではないが、少しずつ良くなっている。あまり悲観的にならず、ポジティブに前を向いていきたい」というベルデニック監督を信じ、前へ進むだけである。
(総評:粕川 哲男/写真:早草 紀子)
「2連敗中なので大宮に勝ちたいと言っていました。でも、ホーム初勝利がかかってるし、チームの調子もいいので僕が点を取って勝ちますと返しておきました(笑)」。決戦を前に、チョ ヨンチョルは仲のいいキム クナンと、そんな会話を交わしたと言う。互いの意地が激突する“オレンジダービー”。試合は快晴の下、15時3分にキックオフされた。
ともに4-4-2のフォーメーションを採用する両チームの戦いは、ピッチの至るところでマッチアップの様相を呈しつつ、一進一退の展開となった。立ち上がりから目まぐるしく攻守が入れ替わり、ボールが行き交う。アルディージャの攻撃の中心は、前線でコンビを組むノヴァコヴィッチとズラタンのスロベニア代表コンビ。この試合を終えると母国でのW杯予選アイスランド戦に参戦する2人は「大事なのは新潟戦。代表のことよりも新潟に勝つことだけを考える」と口を揃えたとおり、気迫に満ちたプレーを見せた。
攻撃のスイッチを入れたのは、金澤と青木のダブルボランチだ。身体を張ったプレーでボールを奪うと、いち早く2トップにクサビのパスを入れる。金澤のスルーパスを受けたズラタンが切り込む場面、青木のサイドチェンジから下平、チョ ヨンチョルがつないでゴールへ迫る場面が観衆を沸かせる。いずれも決定機には至らなかったが、マイボールをムダなく前線へ運ぶ攻撃には迫力があり、得点の匂いが感じられた。
守備も危なげなく、新潟にチャンスを作らせなかった。菊地と高橋が中央で壁となり、金澤と青木も素早く戻ってブルーノ、田中達の2トップに仕事をさせない。28分には相手スローインをブルーノにオーバーヘッドでつながれてピンチとなるが、渡部がダイビングヘッドでゴールを死守した。
前半45分は両チームともに主導権を握れず、どちらに先制点が入ってもおかしくない緊張感のなか、スコアレスで終了した。
ベルデニック監督から「相手はアグレッシブに来ている。我々はシンプルに自分たちのサッカーをしていこう」と声を掛けられた選手たちは後半、徐々にリズムをつかみ始める。60分には相手のカウンターを防いで逆にカウンターを仕掛け、ノヴァコヴィッチのスルーパスを受けたズラタンがフィニッシュに持ち込む。左サイドのチョ ヨンチョルと下平のコンビネーションも冴え、巧みなパス交換からゴールへの圧力を高めていく。
そして76分、「新潟の左サイドバックを抑えつつ攻撃を仕掛けるうえで、フィジカルが強く運動量が豊富なので適任だと思った」(ベルデニック監督)というルーキーの富山が、出場の5分後に歓喜をもたらした。富山のパスを受けたズラタンが倒されてつかんだFK。下平のクロスに頭で応え、待望の先制点につなげたのだ。「(下平)匠くんからのボールが良かったし、サポーターの後押しがなかったらあの位置まで行けなかった。サポーターと匠くんのおかげです」というゴールで、スタジアムのボルテージは最高潮に達した。
1点をリードしたアルディージャはボール支配率を高め、チョ ヨンチョルのドリブルを軸に追加点を狙った。ところが、「2点目を取られていたら今日のゲームは終わりだった」(柳下監督)という流れのなか試合を決めることができない。新潟のパワープレーの前に冷静さを失い、次第に押し込まれてしまう。そして3分のアディショナルタイムも2分を過ぎた92分、攻撃参加したキム クナンに同点ゴールを許してしまった。1分後、高橋がボールを運び、チョ ヨンチョルと長谷川がつないだボールをズラタンが狙ったが、そのシュートが左に外れた瞬間、タイムアップの笛が鳴り響いた。
アルディージャは開幕戦に続きリードを守れず、勝点2を失う格好のドローに終わった。試合後、青木は「もったいない。3連勝できた可能性もある」と語った。目の前で勝利を逃した悔しさは、チーム全員に共通する思いだろう。とはいえ、不敗記録は続いている。「まだまだ安定感は十分ではないが、少しずつ良くなっている。あまり悲観的にならず、ポジティブに前を向いていきたい」というベルデニック監督を信じ、前へ進むだけである。
(総評:粕川 哲男/写真:早草 紀子)
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選手コメント
FW 28 富山 貴光
Q:どんな指示を受けてピッチに入ったのか?
「アグレッシブにやってこい」と言われたので、その通りにやりました。本職はFWですが、いろいろなポジションをこなせないとこの先、上には行けないとも思っています。右サイドハーフではまだまだできないこともたくさんありますが、少しでもチームに貢献できるようにやっていけたら、と思っています。
Q:得点シーンを振り返って。
(下平)匠くんからとてもいいボールが来ました。サポーターの皆さんの後押しがなければあの位置に行けず、ゴールを決められなかったと思うので、サポーターの皆さんと匠くんのおかげで決めることができたゴールだと思っています。チームのホームでのJ1通算150ゴール目と聞いて、自分でも驚いています。
Q:このゴールを今後へどうつなげていきたいか?
また次の試合でも得点を決められるように、常に100%で練習に取り組み、次の試合こそ自分のゴールでチームが勝てるようにやっていきたいと思います。
「アグレッシブにやってこい」と言われたので、その通りにやりました。本職はFWですが、いろいろなポジションをこなせないとこの先、上には行けないとも思っています。右サイドハーフではまだまだできないこともたくさんありますが、少しでもチームに貢献できるようにやっていけたら、と思っています。
Q:得点シーンを振り返って。
(下平)匠くんからとてもいいボールが来ました。サポーターの皆さんの後押しがなければあの位置に行けず、ゴールを決められなかったと思うので、サポーターの皆さんと匠くんのおかげで決めることができたゴールだと思っています。チームのホームでのJ1通算150ゴール目と聞いて、自分でも驚いています。
Q:このゴールを今後へどうつなげていきたいか?
また次の試合でも得点を決められるように、常に100%で練習に取り組み、次の試合こそ自分のゴールでチームが勝てるようにやっていきたいと思います。
DF 8 下平 匠
Q:先制点をアシストした場面を振り返って。
セットプレーのキッカーを任されているので、いいボールを蹴らないといけないという責任をずっと感じていました。今日もコーナーキックが多くあったのに、中の選手と合うシーンがなかなかなかったので、1つでしたが結果につながってよかったと思っています。
Q:相手のプレッシャーに苦しみ自分たちのサッカーができていなかったように見えたが?
新潟がプレッシャーを掛けてくるのはわかっていたので、それに対応する練習もしていました。ですが、前半はなかなかそれを出せず、少しもったいなかったかなと思います。
Q:中3日でヤマザキナビスコカップ開幕戦となるが、どのような修正が必要か?
まずはしっかり体を回復させて、また明日から次の試合に向けていい練習をしたいと思います。
セットプレーのキッカーを任されているので、いいボールを蹴らないといけないという責任をずっと感じていました。今日もコーナーキックが多くあったのに、中の選手と合うシーンがなかなかなかったので、1つでしたが結果につながってよかったと思っています。
Q:相手のプレッシャーに苦しみ自分たちのサッカーができていなかったように見えたが?
新潟がプレッシャーを掛けてくるのはわかっていたので、それに対応する練習もしていました。ですが、前半はなかなかそれを出せず、少しもったいなかったかなと思います。
Q:中3日でヤマザキナビスコカップ開幕戦となるが、どのような修正が必要か?
まずはしっかり体を回復させて、また明日から次の試合に向けていい練習をしたいと思います。
ただ、後半は我々のほうが彼らを上回っていたように思います。後半は必ず足が止まってくるので、そこで我々が仕掛けていくチャンスがありました。自分たちで意図的にチャンスを作り、その中で得点も挙げました。その場面以外にもいいチャンスを作ることができました。
精神的にも肉体的にも最後まで集中を続けられなかったのは非常に残念ですが、自分たちが成長していく過程の中での1つの出来事だともとらえています。上がったり下がったりと波がありながらも、少しずつ上昇していければいいと考えています。まだまだ安定感が十分ではないのは事実ですが、こういったプロセスをしっかり踏まえることが大切です。実際に良くなってきているプレーもプラス材料としてありますし、結果に対して悲観することなく、前を向いてポジティブにとらえながらやっていきたいです。
Q:富山投入の意図は?
相手の左サイドバックを抑えなければいけないということと、右サイドから仕掛けていきたいという攻守両面を考えて投入しました。富山はフィジカル的にも強く運動量も多く、アグレッシブにプレーできるので、彼が最適だと考えました。そういった期待した部分についてはしっかりできていたと思いますので、彼のプレーには非常に満足しています。
Q:1-0からどういう試合運びが必要だったのか?
新潟が前線に長身の選手を入れてパワープレーを仕掛けてくることを予想しつつ、タイミングを計りながら、リードを保ったままどう試合を終えていくかを考えていました。まず、前線からの守備ができる長谷川を投入しました。彼らがパワープレーを仕掛けてきた場合には、片岡を最終ラインの前に入れてはね返し、逃げ切ろうというプランもありました。
失点の場面は、やはり最後のところでミスが起きました。簡単にクロスを上げられ、最後までマークについていかなかったり、相手の仕掛けに対して耐えきれなかった部分があったように思います。選手たちと話をして、どうやって逃げ切るか、どうやって相手の最後の勢いをはね返すかということについて改善を図ってはいますが、こればかりは試合を重ねていく中で安定感を取り戻していくしかないと思いますし、そうなれば自然と改善されるのではないかとも感じています。