リスタートの一戦だ。前節の磐田戦は、土壇場で失点し勝点3を逃した。中3日ながら、気持ちを切り替えて臨まなければいけない。相手は2位の京都。思い出されるのは、後半の4得点で大逆転勝利を奪った昨シーズンのゲームだ。舞台はあの時と同じサンガスタジアムby KYOCERA。いいイメージを持って試合に入りたい。

立ち上がりから京都が圧力をかけてきた。ターゲットのイスマイラに向けて、果敢にボールを当ててくる。セカンドボールの回収も京都が優位に立っていた。デザインされたCKからピンチを招く場面もあった。しかし、センターバックの西村、山越は高い集中力で最終ラインをコントロール。出場停止の馬渡に代わって右サイドバックに入った翁長も球際の強さを見せた。

アルディージャの最初のシュートは17分、前線からプレッシャーをかけ、ハーフウェーライン付近で相手のパスをインターセプト。8試合ぶりに先発に入った奥抜のミドルシュートにつないだ。目まぐるしく攻守が入れ替わる。飲水タイムのあとは、再び京都が押し込んできた。「攻」から「守」への切り替えが早い京都に対して、アルディージャはボールを落ち着かせることができない。我慢の時間が続いた。

三門、小島を経由して、左右にボールを散らしていく。しかし、相手のプレッシャーが強く、縦にボールが入らない。44分にはカウンターからチャンスをつかんだ、相手の戻りが早くボールはクリアされた。ともにスコアレス。アルディージャが京都の攻撃をしのぎ切るという内容で前半を終えた。

後半も自陣で過ごす時間が続いた。チャンスが訪れたのは58分、左サイドを抜けた小野がニアに鋭いクロスを入れると、飛び込んできた河田がシュート。GKに弾かれたこぼれ球を小島がダイレクトで狙いにいったが、惜しくもシュートは枠を外れた。

65分、ベンチが動く。三門から石川にスイッチ。さらに前節復帰した髙田が奥抜に代わってピッチに入った。スピードのある髙田がドリブルで仕掛け、京都の守備に揺さぶりをかける。71分に入った柴山も攻撃を活性化。高い位置でボールを持つ時間が増えてきた。

74分、京都の宮吉にヘディングシュートを打たれるが、GK南がうまく反応してボールを外にかき出した。ともに欲しいのは勝点3だ。80分、河田に代えてイバを投入した。90分のチャンスもカウンターだった。イバが前線でキープし、パスを受けた柴山が相手をかわして左足でミドルシュート。しかし、ボールはバーの上を越えていった。

またもラストプレーだった。アディショナルタイムは、目安となる5分を過ぎていた。京都のCKを柴山がヘディングでクリア。こぼれ球を回収した京都がゴール前に入れたボールを川﨑に頭で押し込まれた。

2試合続けてラストプレーで失点した。6月に霜田監督が就任して以来、初の連敗だ。しかし、指揮官は前を向いた。

「京都の圧力を受けても怖がらず、下がらず、シュートブロックも体を張っていた。本当に魂のこもった試合ができたと思います。勝っても負けても、ホームでもアウェイでも、これを僕らの文化にしないといけない。ピッチで戦っている選手を応援したくなるような、熱が伝わるサッカーはできました」

次節は中3日、ホームで山口を迎え撃つ。残りは5試合だ。

(総評:岩本勝暁／写真:早草紀子)