Jリーグ ディビジョン1 第20節
2013.8.10 [SAT] 19:00
NACK
大宮
0
-
3
0
前半
2
0
後半
1
C大阪
- 3' 柿谷 曜一朗
- 26' 柿谷 曜一朗
- 64' シンプリシオ
試合経過
メンバー
スターティングメンバー
GK 1 北野 貴之
DF 27 今井 智基
DF 2 菊地 光将
DF 17 高橋 祥平
DF 8 下平 匠
MF 13 渡邉 大剛
MF 6 青木 拓矢
MF 23 金澤 慎
42'
MF 9 チョ ヨンチョル
72'
FW 11 ズラタン
FW 24 鈴木 規郎
56'
控えメンバー
GK 21 江角 浩司
DF 34 片岡 洋介
DF 30 渡部 大輔
MF 7 上田 康太
42'
FW 28 富山 貴光
56'
FW 32 長谷川 悠
FW 19 ノヴァコヴィッチ
72'
監督
スターティングメンバー
GK 21 キム ジンヒョン
DF 4 藤本 康太
DF 14 丸橋 祐介
DF 17 酒本 憲幸
61'
DF 23 山下 達也
MF 2 扇原 貴宏
MF 6 山口 螢
MF 13 南野 拓実
MF 30 シンプリシオ
79'
FW 8 柿谷 曜一朗
FW 9 エジノ
74'
控えメンバー
GK 1 武田 洋平
DF 7 新井場 徹
61'
MF 10 楠神 順平
MF 16 枝村 匠馬
74'
MF 18 横山 知伸
79'
MF 25 黒木 聖仁
FW 20 杉本 健勇
監督
試合詳細
15 | シュート | 11 |
---|---|---|
5 | GK | 10 |
10 | CK | 2 |
7 | 直接FK | 14 |
1 | 間接FK | 1 |
0 | PK | 0 |
試合データ
主審
扇谷 健司
副審
手塚 洋
副審
聳城 巧
第4の審判員
岡部 拓人
入場者数
12,093人
天候
晴、弱風
ピッチ状態
全面良芝、乾燥
気温/湿度
34.2℃/64%
流れをつかめず!今季最大の試練を迎えた
大切な一戦である。優勝争いへ踏みとどまるには、何としても勝点3をつかみたい。木曜日の練習後に取材に応じたベルデニック監督も、「どの試合も重要だが、いまの状況では何が何でも勝たなければいけない。そういう意味ではより特別な一戦だ」と話している。
勝負のポイントのひとつに、先制点があげられる。今シーズンのアルディージャは、リーグ戦で先制した試合は9勝3分と無敗を誇る。一方のC大阪も、7勝4分と負けがない。
ケガ人続出の苦しい時期は乗り越えた。前節で途中出場した左サイドバック下平が、14節以来の先発に名を連ねた。15節を最後に戦列を離れていたノヴァコヴィッチも、ベンチから出場をうかがう。また、出場停止を消化した金澤と青木が、3試合ぶりにダブルボランチを組む。チームの陣容が整ってきただけに、「相手より自分たちのプレーをしっかりやることが大事」というベルデニック監督のコメントも頷けるだろう。
C大阪を迎えた一戦は、チケットが完売した。今季すでに4度目だが、4連敗中というチーム事情もある。ファン・サポーターの思いは、いままで以上に強いだろう。『大宮共闘』のスローガンのもとに、一丸となって勝利をつかみたい。
キックオフ直後のざわめきは、いきなり沈黙に変わった。ゴール前の混戦から相手FWにボールがこぼれる不運に見舞われ、開始3分にしてビハインドを背負ってしまうのである。
それでも、アルディージャは序盤からゲームをコントロールする。「連敗を引きずることなく高いモチベーションで入ったし、後ろから見ていてもそれは感じた」とGK北野は言う。青木のタテパスが攻撃のスイッチとなり、鈴木とズラタンがバイタルエリアでボールを引き出す。ボール保持者を的確な距離感でサポートすることで、このところ影を潜めていた攻撃の連動性が発揮されていく。
25分には鈴木が得意の左足を振り抜き、相手GKを脅かす。「守備で相手の中盤を抑えつつ、攻撃では裏を狙え」とベルデニック監督から指示された鈴木は、最終ラインとダブルボランチの間でボールを受け、相手守備陣のストレスを与えていた。
26分に2点目を失った直後の29分、アルディージャは決定的なチャンスを迎える。下平のクロスから、チョ ヨンチョルがフリーでヘッドを放つ。ゴール右スミを狙った一撃は、ほんのわずかにワクを逸れた。
後半を前にしたロッカールームで、ベルデニック監督は「相手のカウンターに対するリスクマネジメント」を徹底する。1本のタテパスからゴールを割られた2点目は、C大阪がこの試合の狙いとしているものだ。マイボールの局面で相手の速攻を意識しつつ、反撃をしていくのが後半のアルディージャに求められていた。
47分、NACK5スタジアム大宮に歓声とため息が交錯する。金澤の負傷退場で42分から出場した上田が、チョ ヨンチョルのフリーランニングをおとりにして左足のコントロールショットを放つ。ゴール右上を狙った一撃が、際どくワクをそれていく。
56分には下平が好機を作り出す。ズラタンにボールをあずけてペナルティエリア内へ走り込み、至近距離から左足を振り抜く。相手選手のハンドのようにも見えたが、PKにはつながらない。
試合の流れはアルディージャが掌握している。ゴールの予感は漂っている。だが、この試合三つ目の得点を決めたのはC大阪だった。64分、スコアは0対3となる。
残り時間が20分を切ったところで、ベルデニック監督はノヴァコヴィッチを投入する。鈴木に代わって出場していた富山が中盤の左サイドへ下がり、ズラタンとノヴァコヴィッチの2トップになる。
しかし、点差と暑さを考慮して無理をしないC大阪は、自陣に守備ブロックをしいてスペースを消してくる。終盤は菊地と高橋も前線に飛び出し、空中戦にも活路を求めたが、相手ゴールをこじ開けることはできなかった。
「1点目の失点が早い時間だったし、2点目は1本でやられた。向こうのほうが切り替えが早かった」と、青木は振り返った。「流れが悪いと感じました。勝負弱さですね」と、高橋は短い言葉に悔しさをこめた。
J1リーグのシーズンは長い。どんなチームでも、バイオリズムが低下することはある。難しい時期を経ずにシーズンを終えるのは、ほとんど不可能と言っていい。
(総評:戸塚啓/写真:早草紀子)
勝負のポイントのひとつに、先制点があげられる。今シーズンのアルディージャは、リーグ戦で先制した試合は9勝3分と無敗を誇る。一方のC大阪も、7勝4分と負けがない。
ケガ人続出の苦しい時期は乗り越えた。前節で途中出場した左サイドバック下平が、14節以来の先発に名を連ねた。15節を最後に戦列を離れていたノヴァコヴィッチも、ベンチから出場をうかがう。また、出場停止を消化した金澤と青木が、3試合ぶりにダブルボランチを組む。チームの陣容が整ってきただけに、「相手より自分たちのプレーをしっかりやることが大事」というベルデニック監督のコメントも頷けるだろう。
C大阪を迎えた一戦は、チケットが完売した。今季すでに4度目だが、4連敗中というチーム事情もある。ファン・サポーターの思いは、いままで以上に強いだろう。『大宮共闘』のスローガンのもとに、一丸となって勝利をつかみたい。
キックオフ直後のざわめきは、いきなり沈黙に変わった。ゴール前の混戦から相手FWにボールがこぼれる不運に見舞われ、開始3分にしてビハインドを背負ってしまうのである。
それでも、アルディージャは序盤からゲームをコントロールする。「連敗を引きずることなく高いモチベーションで入ったし、後ろから見ていてもそれは感じた」とGK北野は言う。青木のタテパスが攻撃のスイッチとなり、鈴木とズラタンがバイタルエリアでボールを引き出す。ボール保持者を的確な距離感でサポートすることで、このところ影を潜めていた攻撃の連動性が発揮されていく。
25分には鈴木が得意の左足を振り抜き、相手GKを脅かす。「守備で相手の中盤を抑えつつ、攻撃では裏を狙え」とベルデニック監督から指示された鈴木は、最終ラインとダブルボランチの間でボールを受け、相手守備陣のストレスを与えていた。
26分に2点目を失った直後の29分、アルディージャは決定的なチャンスを迎える。下平のクロスから、チョ ヨンチョルがフリーでヘッドを放つ。ゴール右スミを狙った一撃は、ほんのわずかにワクを逸れた。
後半を前にしたロッカールームで、ベルデニック監督は「相手のカウンターに対するリスクマネジメント」を徹底する。1本のタテパスからゴールを割られた2点目は、C大阪がこの試合の狙いとしているものだ。マイボールの局面で相手の速攻を意識しつつ、反撃をしていくのが後半のアルディージャに求められていた。
47分、NACK5スタジアム大宮に歓声とため息が交錯する。金澤の負傷退場で42分から出場した上田が、チョ ヨンチョルのフリーランニングをおとりにして左足のコントロールショットを放つ。ゴール右上を狙った一撃が、際どくワクをそれていく。
56分には下平が好機を作り出す。ズラタンにボールをあずけてペナルティエリア内へ走り込み、至近距離から左足を振り抜く。相手選手のハンドのようにも見えたが、PKにはつながらない。
試合の流れはアルディージャが掌握している。ゴールの予感は漂っている。だが、この試合三つ目の得点を決めたのはC大阪だった。64分、スコアは0対3となる。
残り時間が20分を切ったところで、ベルデニック監督はノヴァコヴィッチを投入する。鈴木に代わって出場していた富山が中盤の左サイドへ下がり、ズラタンとノヴァコヴィッチの2トップになる。
しかし、点差と暑さを考慮して無理をしないC大阪は、自陣に守備ブロックをしいてスペースを消してくる。終盤は菊地と高橋も前線に飛び出し、空中戦にも活路を求めたが、相手ゴールをこじ開けることはできなかった。
「1点目の失点が早い時間だったし、2点目は1本でやられた。向こうのほうが切り替えが早かった」と、青木は振り返った。「流れが悪いと感じました。勝負弱さですね」と、高橋は短い言葉に悔しさをこめた。
J1リーグのシーズンは長い。どんなチームでも、バイオリズムが低下することはある。難しい時期を経ずにシーズンを終えるのは、ほとんど不可能と言っていい。
(総評:戸塚啓/写真:早草紀子)
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選手コメント
DF 8 下平 匠
Q:どのようなことを意識して試合に臨んだか?
今まではシュートを打つ場面も少なかったから、自分のクロスからそういう場面を増やしていければ、と思っていました。
Q:現在と好調時とで違いを感じる点は?
立ち上がりで点を取られてしまうと、ゲームプランも崩れるし、やはり先に取られてはいけないと思います。去年、1点取られると少し落ち込むような感じがありましたが、今も少しそうなってしまっているように感じます。そういうところはすぐにでも変えていかなければいけないと思っています。
Q:次の試合へ向けて。
苦しい状況ですが、上位チームから離されないように、またしっかりと一致団結してやっていきたいと思います。
今まではシュートを打つ場面も少なかったから、自分のクロスからそういう場面を増やしていければ、と思っていました。
Q:現在と好調時とで違いを感じる点は?
立ち上がりで点を取られてしまうと、ゲームプランも崩れるし、やはり先に取られてはいけないと思います。去年、1点取られると少し落ち込むような感じがありましたが、今も少しそうなってしまっているように感じます。そういうところはすぐにでも変えていかなければいけないと思っています。
Q:次の試合へ向けて。
苦しい状況ですが、上位チームから離されないように、またしっかりと一致団結してやっていきたいと思います。
MF 13 渡邉 大剛
Q:攻撃ではどういう点を意識して臨んだのか?
相手のDFをうまく引き出して、その空いたスペースに入っていければよかったのですが、90分通してなかなかそういう形が作れませんでした。個人的には、特に前半は中央にスペースがなくて、いい形でボールを受けられませんでした。負けている状況で、全体としてボールを失った時のメンタル的な問題や、ボールを動かしていても何か焦っている、みたいなことがあったかもしれないと感じています。
Q:早い時間帯に先制を許し、どう立て直そうとしたのか?
3分で失点してしまいましたが、残り時間はまだまだありましたし、しっかりとバランスを崩さずに戦うことを意識していました。
Q:次節の鳥栖戦へ向けて。
次の試合は落とせません。今日で5連敗になってしまったので、強い気持ちを持って臨みたいと思います。今は良くない状況ですが、あまりネガティブになって気持ちがどんどん下がっていくのも良くないと思うので、自分たちができることをしっかりと見つめ直して、いい準備をして鳥栖戦に挑み、何が何でも勝点3を持って帰りたいと思います。
相手のDFをうまく引き出して、その空いたスペースに入っていければよかったのですが、90分通してなかなかそういう形が作れませんでした。個人的には、特に前半は中央にスペースがなくて、いい形でボールを受けられませんでした。負けている状況で、全体としてボールを失った時のメンタル的な問題や、ボールを動かしていても何か焦っている、みたいなことがあったかもしれないと感じています。
Q:早い時間帯に先制を許し、どう立て直そうとしたのか?
3分で失点してしまいましたが、残り時間はまだまだありましたし、しっかりとバランスを崩さずに戦うことを意識していました。
Q:次節の鳥栖戦へ向けて。
次の試合は落とせません。今日で5連敗になってしまったので、強い気持ちを持って臨みたいと思います。今は良くない状況ですが、あまりネガティブになって気持ちがどんどん下がっていくのも良くないと思うので、自分たちができることをしっかりと見つめ直して、いい準備をして鳥栖戦に挑み、何が何でも勝点3を持って帰りたいと思います。
今日で5連敗となりましたが、その中で選手たちにネガティブな負のイメージが生まれてきてしまっています。そういった悪いイメージから自信が失われ、プレーの中でミスが多く見られるようになっています。実際に、ミスから奪われて不用意にカウンターを受けてしまう場面が多く生まれてしまっています。選手たちは戦術に関しては十分理解しているはずです。現時点では、そういう面よりもメンタル面で自信が欠如していることが原因の大半を占めています。自分たちが良かった頃のプレーから失われている部分があることを、認めざるを得ません。プレーを良かった頃に戻していくことももちろん大切ですが、とにかく勝点3を挙げることが今後への何よりの特効薬になると思いますので、勝ちを獲るための努力をしていかなければならないと感じています。失点しないために、よりスペースを埋めていくとか、別のプランを考えていかなければなりません。まずは失点をしない、なかなか点を取れない中で勝つ、というところに立ち返り、そこからもう一度我々のプレーに戻していくという作業が、この先は必要になってくるでしょう。
Q:金澤の交代について
怪我による交代です。今はまだ原因がはっきりしません。これから診察を受けることになります。
Q:相変わらず早い時間帯の失点が多いが、改善策は?
確かに早い時間帯での失点が多いですが、それぞれの失点で原因が共通しているわけではないので、改善にはなかなか難しいところがあります。今日の失点に関しては、狭いところでボールがこぼれてきて、少しアンラッキーな失点だったのではないかと感じています。
Q:暑さの影響は?
このような暑さの中で、我々のように規律を持ったプレーをしていくのは確かに難しい部分があると思います。特に今は自信を欠如しているところで、本来であればうまくいくプレーがうまくいかず、さらなる不安定さにつながってしまっているところもあると感じています。気候も含め、何か手を打たなければいけないと考えています。