第3回のゲストは林みのり 選手。今シーズンはケガで戦線を離脱した時期もありましたが、随所に気迫のこもったプレーを見せる林選手の変化に、一早く気づいていた仲田歩夢 選手が、本音でトークを繰り広げました。ほんわかした雰囲気もあれば、鋭い意見も飛び出し、新たな一面をのぞかせた二人に注目です。
文・写真=早草 紀子
ひょっとしてこのチームで一番強い?
—この二人の企画ってあまり目にしないですが、お二人はVENTUS4年生ですよね。
林みのり(以下、林) 私は一年目のシーズンの途中からだから、3.5年生です。
仲田歩夢(以下、仲田) いや、そんなの誤差だし(笑)。うちらの半年なんて、もう秒だからそこは4年生でいいでしょ笑。なんならもう最初からいる気がするよ?でも確かに二人で何かするみたいなのは今までなかったかも。
—それぞれの第一印象は?
林 もう歩夢さんは「わ~キレ~…」です!
仲田 あはははは(笑)。今までで一番ピュアな答え(笑)。
林 だって第一印象でしょ?一緒にサッカーして、熱い面も間近で見て、自分も感化されました。歩夢さん、あるんですよ熱いところ! あまり雰囲気が良くない時も、言い難いことも言ってくれる存在。チームを締める言葉とか率先して言ってくれるから。選手という立場から言えるのってすごいことだと思います。もっと火をつけられる人が増えたらいいなって思うし、それを私もやらないとって感じです。
仲田 ねえ、照れくさい〜(笑)。
—いつになく乙女な反応するじゃないですか、仲田選手(笑)。
仲田 だって、みーがピュア過ぎて! もともと引っ張るタイプではなかったけど、このチームに来て、年齢的にも今までとは立場も変わってくる。そこは意識はしてるし、意識で変えられる部分でもあると思ってる。そういう選手がもっともっと増えてほしい。
林 歩夢さんはリーダーシップを取るタイプじゃないってわかってるからそういう人が言ってるから、感じるところがあるんだと思う。そこはもうちょっと…、若手がね… 。
仲田 声、ちっさ! 聞こえないよ(笑)。
—今、林選手、自分をどっちに入れました?
林 若手…、と中堅の間。
仲田 刻み過ぎ! だって、私はもうベテランに入ってる自覚があって、そうなるとVENTUS歴的にも年齢的にも…。
林 もう私は中堅だ…。私の第一印象覚えてます?
仲田 みーの最初って…、追い切れないほどの歳の差を感じてたから(苦笑)。私たちの頃は大学と言ったら早稲田大学か日本体育大学だったのね。最近東洋大学って聞くな~っていう程度だったから、全くみーのこと知らなかった。大人しいかと思いきや、かなり負けず嫌いだし、ここぞのところでそれが出る選手だと思う。最近は、それこそ対相手との感じを見てると「このチームで一番強いのみーなんじゃないかな」って思う瞬間も結構あったりする(笑)。そういうところはめちゃくちゃ気持ちが出てるし、そんなのもっと出しちゃえばいいのにって思ってる。
林 自分の気持ちとして、初年度は個にフォーカスしてたんだけど、今はチームが勝ててなくて、感情が前に出ることが増えたと思います。
仲田 いいことだよ。
シビアな雰囲気のなかでやり続ける時期も必要
—チームがいい状態でない今、ライン間で言えば同じ中のラインにいるお二人から変えられることとは?
仲田・林 難しい!
仲田 多分シンプルに中盤のところで言ったら、露骨に出てるのが、ボランチがボールに関わることが少ないってこと。ボランチをあまり使えてないよね。
林 そのときに引き出す角度、パスコースを作ろうとはしてるんですけど…、ボールに触ろうとして落ちていくと重くなるし、難しいところ。みんないいものを持ってるのに自分たちで消してしまってる感じがすごくするんですよね。
仲田 すごく感じるのは、求められるものも、自分で求めるものも、もっとシビアにならないといけないということ。練習でもみーは練習中に選手に要求するようになったよね。そういう声は確実に増えてきた。みんなやろうとしてることは見受けられるんです。みーはプレーにガッツがあるから、これまではプレーで伝えるって感じだったけど、そこに言葉がちゃんとプラスされてきてるよね。多少ピリついても、それを避けて基準値が下がっちゃうんだったら意味ない。今、勝ててないし、シビアな雰囲気の中でやり続けることも必要な時期もあるんじゃないかって思う。
林 それ、すごくわかります。私が変わったと思ってもらえてる部分はシンプルに勝ちに飢えてるからじゃないかな。
仲田 今日も萌ぴ(阪口萌乃)がパス&コントロールのメニューのときに「こういうところからもうちょっと緊張感持ってやってこう! 」って声が出て。このままじゃ何も変わらないって危機感持ってる選手はいっぱいいるんです。だから、自分たちで変えていく!
林 このままじゃ終われないですよね!
韓流好きだけど韓国に行く行動力が…
—どれだけシビアな世界で戦っていても、息抜きは必要です。お二人の共通点と言えば“韓国”!
仲田 私は、コスメからフードからアイドルまで韓国大好き! 最初は姉がTWICEが好きでそこからハマった。みーは?
林 私はBLACKPINKからです(笑)。でも歩夢さんみたく本格的じゃなくて、ちょっとだけの“かじり”です。でもドラマは見ますよ。ハン・ソヒちゃんが好きなんです!
仲田 私も好きだよあの、ほら…。
仲田・林 「「わかっていても」」!
林 あと「夫婦の世界」とか。中身はどろっどろだけど(笑)。
仲田 見た見た見た見た! わかる〜。小悪魔って感じだよね。転がされちゃいそう!
林 ドラマとか見てると韓国に行ってみたいなとは思うんですけど、行ったことないんですよ。好きなんだけど、行くまでの行動力が…。行ってみたいな~で終わりです。
—仲田選手だったらどう林選手の韓国旅をコーディネートしますか?
仲田 私がいつも行ってるコースを連れ回す! まずカフェ行って、おいしいもの食べて、コスメチェック、そのあとは美容施術とか。シミ取りとかいいよ!
林 そうやって連れ出してもらったら行ける(笑)。
仲田 流行りの街はどんどん変わるから。今はカンナムの方にホテルを取って、そこを起点にして動く! 食べ物は…ユッケとか好き?
林 うん!
仲田 じゃユッケビビンバとか、タコ鍋とかもおいしいよ〜。
—お互いに聞きたいことはありますか?
仲田 みーは双子だから、双子で良かったことと、双子じゃなかったらな〜ってことは?
林 良かったことは、同じ顔が二つあるだけで、なんか注目されて、「カワイイ! 」とか無駄に褒められる(笑)。イヤだったことは…、今はないけど、つねに比較対象にされることかな。
仲田 いつも一緒だからね。使う色とか決まってたりしたの?
林 基本的に私が青系、姉が赤系ですね。不思議とこっちがいい! みたいなのはないんですよ。じゃ、私から歩夢さんに質問です! 歩夢さんが25歳のときを思い出して、これやっといた方がいいよというのはありますか?
仲田 サッカーはね、24、5歳のとき楽しかった! 自分の中で余裕ができつつ、まだベテランの選手もいるから引っ張ってもらってのびのびプレーできるんだよね。でもそのときくらいから、自分ももっと引っ張っていかないといけないって思い始めたかも。だからみーにはもっともっとVENTUSを引っ張っていく存在になってほしいな。
林 ふふふ(照れ照れ)。がんばります!
仲田 あと大事な情報! 25歳くらいの時って、相手もいないのに一番「自分いつ結婚するんだろうな?」って思ってた(笑)。多分それが結婚願望の第一波だったと今、思う。歩夢は今、完全に婚期逃してるからなー。それで経験上、30歳になる前に第2波が来るの。で、30歳超えると一回諦める。多分そういう流れです(笑)。
林 参考にさせてもらいます(笑)!
早草 紀子(はやくさ のりこ)
兵庫県神戸市生まれ。東京工芸短大写真技術科卒業。1993年よりフリーランスとしてサッカー専門誌などへ寄稿する。女子サッカー報道の先駆者であり、2005年から大宮アルディージャのオフィシャルカメラマンを務める。