鈴木日奈子 選手と言えば…、一見近寄りがたく見えるのではないでしょうか?自身は人見知りだと言いますが、真の意味でそれは当てはまりません。一歩踏み込んでみると、次々と鈴木選手の“らしさ”満載の感性が溢れ出てきます。ふとした瞬間に、自分の心を引き上げることができる才能を持っている鈴木選手のプライベートをほんの少しご紹介します。
Vol.63文・写真=早草 紀子
—撮影の際、ネイルをアピールされてました。
最近…、2ヶ月前からセルフネイルにハマってるんです! 特にきっかけがあったわけではないんですけど、やってみようかなって思い立って…。でも不器用なんですよね。最初は利き手じゃない方で塗る時、ヤバかった(苦笑)。飽き性で派手なネイルしてるとすぐに剥がしたくなるんです。でもオフも予約が必要だし、だったら自分でやったほうがいいじゃないですか。(北川)愛莉ちゃんの爪もやったんですけど、あれ3週間くらい持ってたと思いますよ。
—この短期間で自分以外の人にも施せるまでになるなんて、実は器用なのでは?
いやいや、ようやく利き手じゃない方も震えずにできるようになってきた程度。まだ絵みたいなのは無理ですけど、慣れ、なんでしょうね。愛莉ちゃんで練習させてもらってます(笑)。もう2回やってますね。この間、「ネイル剥がれちゃった〜」って愛莉ちゃんに見せたら、「なんか恥ずかしくない?裸見られてる感じがして」って言われたんですよ。そんな感じなんですか?自分は恥ずかしくなかったんですけど、他の人はネイルが剥がれたらそう感じるんだって初めて知りました(笑)。
—人によると思いますよ?でも初めて2ヶ月でこの技…。一度ハマったら抜群の集中力を発揮するタイプですね?
けっこう、そうかも(笑)。とことんハマったらそれなりに続けられます。
—噂によるとキャンプにもハマっているらしいと聞いたのですが、ネイルとの相性悪くないですか?
ガリってなっちゃいますもんね(笑)。でもキャンプはガチじゃなくて、いわゆるおしゃれキャンプで、DAYキャンプです。テント張ったら、お気に入りの椅子とかテーブルとか並べて好きな食べ物を作る。やっぱりホットサンドは映えますよね(笑)。けっこうボリュームあるんですよ。ハムチーズとかたまご&ベーコンとか、このあいだは焼きそばも挟みました。
—そうやって盛り上がってきたら泊まりたい! ってならないんですか?
ならない(笑)。寝るのはお風呂入ってスッキリしてきれいなベッドで寝たいんです(笑)。まあキャンプは雰囲気が好きなだけなので、焚火にも手は出してないです(笑)。自分の中で「あ~幸せ! 」って感じるところまででやめておく。これが自分の中でのチルタイムの原則です。気持ちが上がるものに囲まれてるのが大事。長野にいたときは本当にどこでもキャンプができたので頻繁に行ってました。車で行くのでどこでも行きますね。
—鈴木選手のチームアンケートがツッコミどころ満載だったのですが…。サッカー選手になってなかったら香水を作る人になってたとありましたけど、これは?
香水を集めるほど好きってわけじゃないんですけど、いい匂いする人好きなんです。ちょっと香りフェチ(笑)。柔軟剤とかも好きで、柔らかくなってほしいけど、香りがきつすぎたり、香りはいいのにボソボソする肌触りだったり、意外と難しいですよね。今、行きついたのは、フレアフレグランスとビーズをブレンドしてます。練習着はめっちゃこの匂いしますね。香水ほど強くないけど、ふとした時に香ると気持ちが上がる。
—世の中でチルタイムに直結すると言われてるものはほぼ網羅してそうです。
他にはサウナ、カフェ…、確かにそうですね(笑)。でもキャンドルはやってないですよ。チルタイムを作るってことがどこか心が豊かになる感じがするんです。
—エモいのに目がない感じですか?
それ! 日常のなかでなんでもいいのでエモさを探してますね。ペットボトルでもちょっと光にかざしてパシャッと撮って「エモくない?」って周りに見せてる(笑)。空の雲の感じとか、木陰とか…、写真を撮るのが好きってわけじゃないんですけど、共有しやすいじゃないですか。今日もありましたよ。補食のお弁当の卵焼きの断面がめちゃくちゃきれいでした!
—いい目線持ってますね! あと、くだものが好きなんですよね?
シャインマスカット大好きです!
—随分お高いものがお好きで…。
長野は安かったんですよ! シャインマスカットを作ってるところはいっぱいありますけど、ずっとお世話になってる西澤果樹園さんのシャインマスカットが一番! 甘味とかもう全然違うんです。やっぱりここのが一番だなって今、あらためて感じているところです。夏から秋にかけては梨、柿が好き。冬はイチゴ! 栃木出身なので、母が道の駅でおいしいイチゴをゲットして送ってくれるんです。ここのイチゴがおいしいというのではなく、おいしいイチゴを送ってくれる。栃木県民の特権です(笑)。
—絶対に究明したいことがもう一つあって…、チャームポイントに「手首」を挙げてましたよね?
あれはあるとき、自分の手で手首を握ったときに小指と親指が余裕でつくのに気づいて、「あれ?ひょっとして細くない?」ってなりました(笑)。でも大学のときは足首って書いた気がする…。くびれが好きなんですかね(笑)。あ~でも今はむくんでてちょっとダメですね。
—やっぱり特殊な目線ですねぇ。すでにうっすら感じ取れますが、いろいろこだわりがありそうです。
そんなにないと思うんですけど…、強いて言うなら、ベッドはお風呂に入って着替えてからじゃないと触らない! たまにいません?旅行とかで宿に入った瞬間、ベッドにダイブする人。即、「はい、あなたのベッドそこね! 」ってなる。ぜ~ったい嫌! あとこだわりと言えば…、餃子かな。手作りするんですけど、ニラと冬だったら白菜、なかったらキャベツでもいい。でも絶対に肉は多めの皮は大判! モチモチが好きで具はパンパンに入れますね。食べるときは酢とラー油。酢コショウも捨てがたいな(笑)。
—強めのこだわり、出てきましたね(笑)。もう出ないですか?
掃除もそんなこだわりないしなー。頻度的には髪の毛が落ちてたら掃除機かけるくらい。毎日じゃないと思うんですけど、いや、今日もかけてきたな。
—安心してください、きっと昨日もかけてるし、明日もかけると思います(笑)。
かけてますね、これ(笑)。
—いろんなものに興味を示してる鈴木選手ですけど、まだやってない挑戦したいことあるんですか?
そのとき興味があればなんでもやります! そのとき会う人がカフェ好きなら外に出てくし、そうでもない人なら自宅で討論会とか…。
—討論会!?
例えば「好き」という感情とは何?みたいな(笑)。なぜ人はお付き合いというものをするのか——、その先になぜ結婚というものがあるのか——。答えがないじゃないですか。それをああでもない、こうでもないって言うのが好きなんです(笑)。よく(奥津)礼菜と話してます。
—その二人で答えのないテーマで討論会…、なんかシュールですね(苦笑)。
けっこう盛り上がりますよ(笑)。
早草 紀子(はやくさ のりこ)
兵庫県神戸市生まれ。東京工芸短大写真技術科卒業。1993年よりフリーランスとしてサッカー専門誌などへ寄稿する。女子サッカー報道の先駆者であり、2005年から大宮アルディージャのオフィシャルカメラマンを務める。